あなたがエアライフル(空気銃)を持ちたいと思ったきっかけは何だろうか?
銃に興味があったり、実際に射撃をしてみたいなど理由は様々だと思うが、おもちゃと違って取り扱いには十分に注意を払う必要がある。
エアライフルには競技射撃用と狩猟用があるが、どちらも金属製の弾を使用するため、誤った使い方や管理をするとケガの原因にもなるので慎重に扱わなければならない。
今回はその中の狩猟用エアライフルの保管方法を中心にお伝えしていくので、参考にしていただきたい。
エアライフルの保管方法と保管場所
自宅で保管する
まずはエアライフルを自宅で保管する場合について考えてみよう。
自宅に置いておくメリットはいつでも見たり手に取ったりすることができ、都合の良いタイミングで猟に出かけられる点ではないだろうか。
普段から触れる機会が多いと慣れるのも早く、猟に出かけてもスムーズに扱えるようになるはずだ。
ただ自宅での保管となると、盗難などのすべての責任はあなたにあるということを忘れないでいただきたい。
最も気を付けなければいけないのが自分以外の人が触れないように管理をして、事故や事件が起こらないようにすることだ。
そのためにはガンロッカーに入れて厳重に保管しておくのが常識であり、所持許可申請の際にも欠かせない条件となっている。
ガンロッカーならば、購入時にお金はかかるものの委託のように毎月料金を支払う必要がなく、長い目で見れば低コストでもある。
値段は2万円程度からあるのでサイズやタイプだけでなく、適合基準を満たしているかチェックしてから購入するようにしたい。
ガンロッカーを購入したら自宅のどこに置いても良いわけではない。
出し入れしやすいのが前提になるが、人目に付きにくい場所に設置することになるので、奥の部屋を選んだりクローゼットの中に置く、あるいは目隠しをするなどの工夫が必要だ。
壁に直接固定するのが理想だが、マンションやアパートであればそれも難しい場合もあるだろう。そんな時はツーバイフォー材をツッパリ棒として、そこに固定する方法もある。
ただし、この場合はしっかりと固定しないと審査に通らない可能性があるので要注意だ。ディアウォールやラブリコといった固定具で確実におこなうようにしたい。
それもできないようであれば、他に良い方法がないか警察の生活安全課に問い合わせて、アドバイスをもらうことをおすすめする。
また、エアライフルは一見頑丈そうに見えるかもしれないが、湿気に弱いといった点もあるので気を付けたい。
したがってガンロッカーの中には乾燥剤や除湿剤を入れるなどして対策しておくと安心である。
委託保管する
どうしても自宅で保管できない場合には委託保管することになる。
委託保管はエアライフルに適した状態で保管をしてもらえることで、ガンロッカーなどの環境を整えたり、セキュリティの心配をしなくて済むメリットがある。
中には保管だけでなくメインテナンスまでしてくれるところもあるので便利だ。
また、アパートやマンションの家主や家族の反対で所持できないといった悩みを取り除くこともできる。
しかし保管を依頼するには費用が発生してしまい、出し入れも銃砲店の営業時間に合わせる必要があり、いつでも可能というわけにはいかない。
委託保管してもらう場合の保管費用だが、おおよそ1ヶ月当たり2,000円位からとなっている。
エアライフルの選び方とポイント
エアライフル(空気銃)の保管場所も決まり所持許可証を取得したら、いよいよ自分用の銃を購入することになるが、この際のポイントをご紹介しておこう。
銃にも様々な種類(タイプ)があるので迷ってしまうかもしれない。
しかし、そんな時は銃砲店でよく相談することをおすすめする。細かなことでも疑問があったら遠慮なく訊いてみよう。
- 命中精度(集弾性)が高い
- 発射音が小さい
- 取り回しが良い
- レギュレータ付きである
最初にやっておくべきことは、どんなタイプの銃があなたの目的や好みに合っているかを決めておくことだ。
その上でポイントを一つずつチェックしていこう。
狩猟に使う場合に最も重要になるのは、命中精度(集弾性)が高いことである。
競技用の場合も同じだが、基本的には標的に当てることが目的なので、エアライフルは精度にポイントを置くようにする。
銃による違いもあると思うが、ターゲット(鳥、イノシシなど)によってもどれを選ぶか異なってくる。
当然ながら弾や射程距離にも違いがあるため、最初から決めつけたりせずにプロのアドバイスを受けよう。
次に発射音が小さいエアライフルを選ぶようにしたい。
その理由は音が大きいとターゲットが逃げてしまうことがあるためだ。特に距離が離れていたりすると、この差が大きく影響する。
そして取り回しが良いことも大切なポイントになる。
予め標的が用意されているわけでなく山の中を持ち運ぶことを考えると、サイズや重量もしっかりと選んだほうが良いだろう。
また、エアライフルはレギュレータ付きのものを選ぶようにする。
レギュレータとは一定の圧力に減圧する装置のことで、これがあることで安定して撃てるようになるのだ。
エアライフルを選ぶにあたっては見た目の良さや値段も大切になるので、焦らずにじっくり検討していただきたい。
定期的なメインテナンスはどうする?
メインテナンスについては自分でできることとプロに依頼すべきケースがあることを覚えておこう。
エアライフルは同じ猟銃でも、散弾銃のような火薬を使う装薬銃と比べてデリケートな一面を持っていると言われている。
それは空気を圧縮するためのゴム部品やプラスチック部品が使われているからで、これらの部品は油に弱く劣化しやすいといった弱点がある。
したがってメインテナンスをする際には、その点にも注意を払わないといけないのだ。
自分でできるメインテナンスとしてはまずクリーニングがあるが、外観の汚れはウェスやクロスで拭き取りきれいにしておく。
この作業は使用後に毎回必ずおこなうようにしたい。
バレル(弾が通る銃身)内部も定期的に掃除をおこなうが、目安としては200発に一回程度で様子をみて、着弾が乱れてきた時には実施していただきたい。
方法としてはクリーニングロッドを銃口から入れ、マガジン側でクリーニングフェルトをクリーニングロッドの先端に付けて、引き抜くように銃身の中を通すだけだが、数回繰り返して汚れを落とそう。
作業はていねいにおこない、傷を付けないように注意してほしい。
この手間を軽減するためには、毎回使用後にフェルトペレットを数回発射しておくと効果的(撃ち過ぎはフェルトが残るので禁物)とされるが、ペレットが跳ね返ってケガをしないように気を付けたい。
掃除の際に間違って金属製のブラシを使ってしまうと内部に傷を付ける可能性があるので絶対にしてはならない。
また、潤滑を良くしようとしてスプレーオイルを拭きつけるのもいけない。潤滑剤や防錆剤はゴムやプラスチックを傷める原因になるからだ。
トリガー(引き金)の可動部分にはガンオイルを少量付けて動きを良くしておこう。
長期間使っていると動きが悪くなって引っかかる感じになってくるが、こうなったらオーバーホールをおすすめする。
ゴム類も劣化して機能が落ちてくるので、2年に1回程度の割合でおこなうと良いだろう。
この際、エア漏れのチェックであったりパーツ交換の作業が必要になるので、自分でおこなうのではなく必ずプロにやってもらうことだ。
エアライフルを所持する上での心得
エアライフルは火薬を使っていなくとも、猟銃として殺傷能力があることを忘れないようにする。
これは危険と隣り合わせであることを意味する。そのため常に紳士淑女であることが絶対条件になる。
エアライフルを扱う時は決してふざけることなく、気の緩みが生じないように気を付けるべきで、この点については大変な思いをして所持許可証を取得したあなたが一番良くご存じのはずだ。
狩猟ができるシーズン中(猟期)はもちろんのこと、オフシーズンにおいても常に安全を心がけるようにしたい。
決められたことは必ず守り事故の起こらないように注意するだけでなく、鳥やイノシシなどの野生動物と命のやり取りをしていることも忘れてはいけない。
これができないのであれば、たとえ所持許可証を取得していてもエアライフルを手にする資格はないと、きっぱりとあきらめた方が良いだろう。
それ位の決心と心構えをもって、確実な取り扱いができるよう心がけていただきたい。
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