あなたは”梅干し”と聞くと何を連想するだろうか?
すっぱいとか、しょっぱいといった味覚であったり、おにぎりやお弁当などをイメージするかもしれない。
日本人が昔から慣れ親しんだ味で、自宅に常備されていることが多い保存食である。
そんな梅干しについて賞味期限はないのか検証しながら、保存する上での注意点についてもご紹介していきたい。
梅干しに賞味期限がないって本当?
食品の多くには賞味期限が設定されているが、梅干しはいつまでも食べることができるというのは本当だろうか?
実際にはそうとは限らず”賞味期限付きとそうでないものがある”というのが正解になる。
ではなぜ賞味期限が存在するのかとなるが、その理由は梅干しにはいくつもの種類があるためなのだ。
例えば昔ながらの塩だけで漬けたものであれば、賞味期限はないと考えても大丈夫である。
それは塩分が20%以上になると、腐る心配はほとんどいらないからであり、何年経っても食べることができる。
しかし、塩分の濃度が低いと長期間の保存には向いていない。
まれにカビが生えていたり匂いがおかしいといったことが起こるが、その場合には絶対に食べてはいけない。
同様に、はちみつ、こんぶ、かつお節などが入ったものも、それぞれに賞味期限が設定されていたりする。
商品によって期限は異なるが短いもので2ヶ月、長いものでも3年ほどと開きが大きいため、購入時にはチェックを忘れないようにしたい。
せっかく買っても、美味しいうちに食べなくてはムダになるだけで勿体ないからだ。
長期でも安心の保存方法とは?
保存容器を選ぶ
梅干しを保存して置く際に保存容器はとても重要なものである。
何でも良いと言うわけにはいかないので、次のような条件で選ぶようにしたい。
- 広口である
- 匂い移りしない
- 塩分や酸に強い
これらのことを考えると甕(かめ)やガラス製の容器がおすすめと言えるだろう。
重くて衝撃に弱いという短所はあるものの、広口で使いやすく長期保存でも安心できるという長所がある。
もちろん食品用容器であることを必ず確認してから購入しよう。もしくは、食品の入っていた容器を再利用しても良いだろう。
もし食品用以外の容器を使うと、梅が食べられなくなることがあるので注意したい。
その他にも金属製は錆びる心配があったり、プラスチック製も長期保存となると不安が残ったりする
それならば昔ながらの甕(かめ)を使うのがベストである。
ただし密閉できないため、乾燥させたくない場合にはラップをしたり密閉できるガラス容器を使うと良いだろう。
大きい容器になると重かったり移動が面倒になるので、置き場所もよく考えてから決めるようにしたい。
また、使用前にはきれいに洗うのはもちろんのこと、熱湯をかけたりアルコール(度数の高い焼酎で代用できる)で拭いて消毒をおこなうようにする。
保管温度に注意
食品であることを考えると、保管温度も注意したいところだ。
梅と塩だけで作った梅干しの場合には”常温”での保管で問題ない。
すでにお伝えしたように塩の結晶ができるほど塩分が多い梅干しの場合には、賞味期限がなく常温での保管もOKなのだ。
しかし梅干しの種類によっては、冷蔵庫に保管した方が良いものもある。特に調味梅干しと呼ばれているものは注意したい。
はちみつや昆布などを加えた調味梅干しは賞味期限が比較的短く設定されているため、開封後は必ず冷蔵庫に入れておくようにする。
減塩されている場合も傷みやすいので、早めに食べ切った方か良いだろう。
とりわけ夏場の熱い時は傷みやすいので、うっかり常温で保管することのないようにしたい。
台所の床下収納や納戸も、一見すると冷暗所として使えそうな気がするが、夏場は温度が高くなるので避けた方が無難である。
したがって涼しい時期に限定して利用するのも一つの方法である。
保管場所は重要
梅干しの保管場所は重要なので、よく考えてから決めるようにしたい。
そうはいっても難しいことではないのできちんと守っていただきたいものだ。
まずは直射日光の当たらない場所を選ぶことだが、窓の近くを避ければ大抵はクリアできるはずである。
さらに冷暗所におくのが理想的だが、そうなると冷蔵庫に保管しなければならないかと言うと必ずしもそんなことはない。
繰り返しになるが、調味梅干しや減塩された梅干しは冷蔵庫に入れておいた方が傷みにくい。
それ以外でも指定されている場合には、指示に従うのが無難と言える。
しかし本当に困るのは”常温”で保管する時で、場所選びで悩みそうだがポイントを押さえておけば簡単である。
まず、自宅の中て比較的涼しいところを探してみよう。そして邪魔にならない所を選び出すようにする。
例えば台所の隅などはどうだろうか。コンロやオーブンなど熱が出るものから離して置けばOKだ。
涼しいという意味では廊下に置いたり、北側の部屋を保存場所にすることもできるだろう。
こんな状態の梅干しは食べられない
梅干しは他の食品と比べて、賞味期限が長いのも特徴の一つである。
比較的短い調味梅干しでさえ数か月の賞味期限が設定されている。しかし、場合によっては傷んでしまい食べられないといったことが起こる。
よくあるのが白カビや黒カビが生えてしまった場合ではないだろうか?
特に減塩されていたりすると、梅干しの殺菌力も弱くなっているため、カビやすい傾向にあると言える。
もしも発生してしまったら勿体ないが処分した方が無難である。
白カビはチーズなどの発酵食品にも生えることがあるが、決して安全というわけではない。
肝臓や腎臓に悪影響を及ぼしたり、発がん性があるなど毒性の強い種類もあるので注意が必要になる。
もう一方の黒カビはアレルギーや中毒を引き起こす原因となることがある。
その他にもネバネバしていたり糸を引く、匂いが明らかに変といった状態のものは絶対に食べないようにすることだ。
梅干しは食品の中でも長期保存できるのが長所である。だからといって管理を疎かにしないようにしていただきたい。
そうすればムダにすることなく最後の一粒まで美味しく食べられるはずである。
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