あなたも自己破産という言葉を聞いたことがあると思う。
借金を返せなくなった際の逃げ道といったイメージがあるが、実際にはとても厳しいところがあるのも事実だ。
自己破産してしまうと、その後の生活や人生にまで影響を及ぼすことがある。
何となく知っているつもりの自己破産がどんなものか、破産する理由は何か、その結果どう変わってしまうのか。
そしてトランクルームの契約についても、どのようになってしまうのか見ていきたい。
自己破産とは一体どんなものか?
そもそも自己破産とはどのような状態を指しているのだろうか?
文字からも分かるように自分で破産をすることである。つまり、これ以上お金を払えませんと宣言してしまうのだ。
これを裁判を通じて手続きをおこなうことで免責(借金を返さなくてよいこと)が認められる仕組みのことを言う。
自己破産する人は必ず借金があり、それが支払い不能となって返すことができないというのが理由である。
手続きは自分でおこなうことも可能だが、弁護士に依頼しておこなわれるケースが多い。
まず相談を受けた弁護士は債権者(お金を貸している人)に対して、取り立てを止めるように連絡をする。
次に債務者(お金を借りている人)が必要な書類を用意する。弁護士はその書類をもって裁判所にいき、自己破産の申し立てをおこなうのである。
裁判所の許可が出たら自己破産の手続きが開始され、裁判官と債務者が面談をおこなう面積審尋(めんせきしんじん)というものが実施される。
その後、免責が認められると借金を返す必要がなくなるのだ。
自己破産が決定するまでは3ヶ月~6ヶ月程度の期間が必要となる。
自己破産しなければいけない理由
自己破産しなけれはいけない理由は借金であるが、その借金をつくってしまう原因も様々だ。
もっとも多いと言われているのが、収入が少ないことによるものである。
給料が安くて生活していくのが大変、職を失って収入が途絶えてしまったといった事情から、借金をしてしまうケースが見られる。
最初はわずかであっても、返済のために新たな借り入れを繰り返すことで、大きな金額になってしまうのだ。
また保証人となってしまったがために、負債を背負ってしまうことも少なくない。
特に会社関係であったり住宅ローンといったものになると、数千万といった金額になる場合があり、簡単に支払うことができない。
その他にも病気の治療費を工面できずに自己破産することも多く、病院への支払いが大きな負担になっている。
その一方で浪費癖があったり、ギャンブルがやめられない人にも自己破産が見られるが、こちらの占める割合は意外と少ないのである。
こうして借金を積み重ねていくうちに、大きな金額になってしまうのが自己破産のパターンだ。
しかし月々の返済に対して収入が少なかったり、お金になる財産がない場合はどうやっても返済が不可能になる。
その結果、自己破産することになってしまうのである。
自己破産することで何が変わる?
自己破産すると借金の返済義務がなくなるのである。
これが免責と言われるもので、その後は得られた収入で通常の生活を送ることが可能になる。
ただし、自己破産前とまったく同じとはいかないのが現実だ。
まず財産の差し押さえといったものがある。
これは家であったり、車、保険、預金といったお金になるもののほとんどが没収されてしまう。もちろん現金も同様だ。
しかしお金に替えることができないもの、20万円未満の預金や99万円以下の現金、そして給料の3/4は財産として持っていても良いとされている。
これは最低限の生活を送るために必要なものとして認められているためである。
また、クレジットカードやローンの新規契約はほぼ不可能になる。その理由はいわゆる”ブラックリスト”に載ってしまうからだ。
その他にも税金や養育費は支払う義務があり、損害賠償、慰謝料といったものも免除されるとは限らない。
そして2度目の自己破産は7年が過ぎないと申請さえ認めてもらえず、仮に申請できるようになっても許可される可能性は低い。
これは何度も自己破産させないための対策でもあるのだ。
トランクルームの契約はどうなる?
自己破産したらトランクルームの契約に影響があるだろうか?
実際には料金を支払うことができれば問題ないと考えられそうだ。
ただし例外もあって、クレジットカードでの支払いの場合には、借りることができなくなってしまう。
その理由は自己破産によってクレジットカードが強制的に解約されるため、料金の支払いができないからである。
さらに契約の際に審査を通過しないこともあり得る。
信用情報機関へ信用照会されれば、自己破産したことはすぐにわかってしまう。そうなると料金の支払いに問題があると判断されてしまう。
一度自己破産をすると、長ければ10年以上に渡って審査が通らないといったことも起こる。
もし、すでに利用中であれば、契約内容を確認した方が良いだろう。
契約書や規約に書かれていれば解約しなければいけないが、そうでない場合は問題にならないはずだ。
第一、トランクルームは自分の持ち物ではない。したがって財産としてみられないため、自己破産の影響を受けることは少ない。
しかし、場合によっては敷金などを回収する目的で解約される可能性はあるかもしれない。
自己破産は借金で苦しい時に絶大な力を発揮してくれる。ただ、それと引き換えに多くの制約や条件が付いてまわることになる。
そうならないためにもお金は大切に、そして慎重に使っていきたいものである。
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