革靴はビジネスやフォーマルでは欠かせないファッションアイテムとなっている。
もちろんカジュアルな履き方もできるので、いろいろな場面で活躍してくれるはずだ。
しかし、正しい手入れや保管の仕方が分からないといった悩みはないだろうか。
そこで皮靴を保管する前にすべきことや、保管中の注意点についてご紹介していくので参考にしていただきたい。
保管前に忘れずにすべきことは?
まず、革靴を保管する前には手入れをしておくことが重要になる。
これを怠ると傷みが早くなるので、くれぐれも忘れないようにしていただきたい。
時間がないからと後回しにしたり、少しくらい大丈夫だろうと考えたりせず、必ず手入れをおこなう習慣をつけよう。
滅多に履かない靴の場合、特に気を付けるようにしたいところだ。
汚れを落とす
皮靴の手入れの基本は汚れを落とすことである。
外を歩くので様々な汚れが付き、泥や埃だけでなく油や水のシミもついているのでしっかりと落とすようにする。
どうしてもきれいにならないときはプロにお願いするしかないが、意外と簡単に落ちることもあるのでトライしてほしい。
泥汚れ
泥汚れの場合には、まずブラッシングをおこなうが、ブラシは豚毛が硬めでおすすめである。
細かいところまでしっかりときれいにした後、柔らかい布にクリーナーを付けて拭き取ってあげよう。
こうすることで古い靴クリームを落とすことができるため、重ね塗りの防止も兼ねているのだ。
この時、乾いた泥が落ちたり埃のように舞うことがあるため場所を選び、汚れてもいいように新聞などを敷いておこう。
水シミ
雨などの水分で濡れたりしてできたシミは、靴の色によってはとても目立つことがある。
これを改善するには、固く絞ったタイルなどでシミの部分とその周りを叩くようにして湿気を吸わせると良い。
特にコーヒーやワイン、ジュースといった色が付きやすいものは、一度だけでは不十分な場合もあるので、何度か繰り返すことで薄くなる。
もう一つの方法としては、叩くのではなく革靴を包んだ状態で30分~1時間待つことで、水分が浸みているはずである。
シミと周辺に水分が浸みたら日陰干しをおこない、完全に乾燥させることで目立たなくなる。
油シミ
食事などの際に革靴の上に油を含んだ食べ物が落ちてできたシミは、後になって気付くことが良くある。
水シミと違って油シミは落とせないと思いがちだが必ずしもそうとも限らず、簡単な方法で取り除くことができる。
その方法とはベビーパウダーを振りかけて1日待ってから、ブラシを使ってきれに払い落すのである。
その他にも、自転車のパンクに使うゴムのりをシミより少し大きく塗り、10分ほど待って完全に乾いたら、静かにはがしてやるだけである。
もし、1回できれいにならなかったら2~3回繰り返しておこなうと良いだろう。
それでも落ちない場合はムリをせず、プロに依頼する方が無難だ。
しっかり乾燥させる
湿気を持ったまま保管してしまうと、カビや臭いの原因になったりする。
そのため、しっかりと水分を取り除いてから保管することが必要になるので忘れないようにしたい。
ではどのように乾燥させれば良いかというと”陰干し”をするのである。
早く乾燥させたいとか確実に乾燥させたいと考えると、つい日光に当てくなりがちだが決してそうではない。
直射日光は革を傷めことになるため絶対に避けなければならない。
乾燥し過ぎてしまうと弱くなるばかりでなく、色褪せたり変色してしまうのだ。
特に長期保管の場合には注意が必要で、風通しの良い日陰で2日~3日は乾燥させるのが良いだろう。
適度に保湿する
革靴は乾燥したままにしておくとひび割れてボロボロになってくる。
これを防止するには潤いを与えてやることが重要であり、保管前には欠かすことのできない手入れである。
人間の肌も乾燥しているとガサついてしまうように革の場合も同じなのだ。
クリームの塗り方は簡単で、柔らかい布を人差し指に巻き付け、市販の乳化性靴クリームを少量付けて靴全体に円を描くように伸ばしていく。
量はほんの少しでOKであり、目安とすれば米粒で2粒~3粒分といったところで十分だ。
全体に塗り終わったら乾拭きをおこなうことで、靴全体がコーティングされ保護されるというわけである。
保管中に必ず守りたい注意点は?
保管前の手入れが終わったら、いよいよ収納となるが、ここでも守っていただきたい注意点がある。
まずは”適切な環境”を確保することである。
どんな環境が必要かというと風通しの良い場所が望ましく、高温多湿や直射日光の心配のない場所が理想的だ。
だからといって特別な環境を用意するのは難しいので、基本的には自宅の中であれば問題は少ないだろう。
もし靴がたくさんあって自宅で保管しきれなければ、温調完備のトランクルームを使うのも一つの方法だ。
温度と湿度がほぼ一定にコントロールされているので比較的安定した環境と言える。
特に湿気はカビが生える原因になるので、気を付けたいところだ。
箱に入れて保管する際には乾燥剤を一緒に入れておくと効果的である。
下駄箱の場合には通気性が良くないので湿気が溜まりやすい。そのため除湿剤を使用するのも良いだろう。
いずれの場合も入れっ放しにしたりしないで、1ヶ月~2ヶ月に1回程度は確認して、その際に風通しの良いところで陰干しをおこなうのが理想的だ。
また、型崩れを防止するためにシューキーパー(シューツリー)を使うことをおすすめしたい。
せっかくの革靴もヨレヨレになってしまっては台無しである。それを防ぐためにも忘れないようにしていただきたい。
この時にかかとがあるタイプを使うのがおすすめである。
なお木製のシューキーパーならば湿気取りや消臭の働きがあるので、購入の際にはチェックして選ぶようにしたい。
プラスチック製のものは価格は安いが、こういった効果が期待できないので良く考えてみよう。
正しい手入れと管理が長持ちのコツ
革靴を長持ちさせるためには、正しい手入れと保管が必要になることを再認識しなければならない。
それには今までご紹介してきた方法で管理すれば、より良い状態を維持することができるはずだ。
革靴はゴム製やプラスチック製の履物と異なり、余分な手間が掛かったりするので面倒に思われるかもしれない。
しかし、それ以上に革の持つ特有の艶であったり風格といったものがあるからこそ、あなたも選んだはずである。
そのためには、この手間を惜しんでいてはいけないのだ。
何でもそうだが、どんなに良いものであっても使いっ放しにできるものなど何一つない。
もう一度、買った時のことを思い出していただきたい。
きっと大切にしようと思ったはずであり、ピカピカの靴を履いて歩いている自分を想像していたはずだ。
そのためには、やるべきことはしっかりと実行し継続することが大切になる。
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