誰もが簡単に動画を撮影できるようになり、様々な場面が映像として残せる時代になった。
そこには楽しかった思い出だけでなく、大変だったことや懐かしい出来事が記憶の一部として記録されていたりする。
そうなると、これらを保存しておきたいと考えるのも当然のことだろう。
では、どうしたらきれいな状態を保つことができるのか?
いくつかの例をあげて、保管方法をご紹介していくので参考にしていただきたい。
メディアのデータは必ず劣化する?
大切な思い出の動画はいつまでも大切にとっておきたいものだ。
しかし久しぶりに見たら、劣化が酷くてきれいに再生されないといったことが起こる場合がある。
例えばCDやDVDに保存しておいても、いつの間にか読み込めなくなってしまうといった具合だ。
ディスクに傷や汚れがある場合はもちろんだが、記録面が劣化による影響を受けて正常に再生ができなくなってしまう。
これはハードディスク(HDD)やSDカード、USBメモリーでも言えることで、いつかは使えなくなるものと考えておきたい。
年数が経つと物理的な故障であったり理論的な障害によって、再生できなくなる確率が高くなっていくのだ。
つまり永遠に使い続けられる記録メディアは、残念ながら存在しないというのが現状と言って良いだろう。
では何年くらい使うことができるのか?となるが、下の表を参考にしていただきたい。
各種メディアの寿命 | |
CD・DVD | 5年~10年 |
ハードディスク(HDD) | 3年~4年 |
SDカード | 2年~3年 |
USBメモリー | 1年~2年 |
寿命が短いものほど新しいものに交換する頻度が高くなる。
そのため、いつまでも同じメディアに記録したままの状態だと危険であり注意が必要だ。
保存形式はどれを選んだら良いか?
DVDで保存する
最も手軽に保存できる方法はDVDに記録することではないだろうか。
再生の時もレーザーで読み取りをしており接触する部分がないため、ディスクの摩耗といった心配はいらない。
それにメディア自体の価格も安いので、2重に記録しておくことでバックアップも簡単にできてしまう。
取り扱いも特に難しいことはなく、いくつかのポイントを押さえておくだけである。
- 直射日光に当てない(紫外線を避ける)
- 高温多湿の場所に置かない
- 傷や汚れを付けないようにする
- 信頼できるメーカーを選ぶ
また、DVDにも種類があるので保存に適したものを選ぶようにしたい。
書き換えることはないのでDVD-RかDVD+Rを使えばOKだ。容量が足りなければDVD-R DLもしくはDVD+R DLのどちらかを選ぼう。
これらの違いはDVD-RとDVD+Rが4.7GBであるのに対して、DVD-R DLやDVD+R DLは8.5GBと約2倍の容量になる。
どちらも一度だけの書き込みが可能で書き換えはできない。
同じDVDでも”-R”と”+R”では規格が異なるので、書き込みにはパソコンのドライブが対応していることが必要である。
その点も必ずチェックしてから購入していただきたい。
HDDで保存する
動画が大量にある場合はハードディスク(HDD)で保存する方法もある。
ハードディスクの容量は多いものになると4TB(テラバイト)とか6TBといったものまである。
この1TB(テラバイト)というのは、1,000GB(ギガバイト)と同じになるので、いかに大容量かが分かる。
もちろんDVDのように一枚ずつ焼く手間も不要になり、一括で管理ができてしまうので簡単である。
ただハードディスクにも寿命があるので、何らかのバックアップをとっておくことをおすすめする。
例えばパソコン本体のハードディスクに保存しておくと同時に、外付けタイプにも保存しておくと良いだろう。
こうすればパソコンに問題が生じても、バックアップ用ハードディスクには影響がない。
あるいは外付けタイプを2台使って、どちらかが故障しても大丈夫なように対策をとっておくのも一つの方法だ。
ただし、ハードディスクの保管も気を付ける点があるので必ず守っていただきたい。
- 高温多湿の場所を避けて保管する
- 直射日光の当たらない場所に置く
- 強い衝撃や振動を与えない
- 時々電源をいれて動作確認をする
ハードディスクの場合、万が一のことがあってもデータの復旧が可能なケースがある。
ただそうはいっても費用が馬鹿にならないので、しっかりとバックアップをとっておき、寿命が来る前に更新することをおすすめする。
こうすることで大切な動画データを失わずに済むはずである。
クラウドで保存する
動画のデータはメディアで保存するだけが方法ではない。
それがクラウドを使用して、すべてのデータを預けてしまうというやり方になる。
クラウドとは”クラウドストレージ”と呼ばれるオンラインのデータ保管サービスで、誰でも簡単に利用できる。
このサービスを使えば、基本的に自分のパソコンでデータを保存しておく必要がない。
規定容量の範囲であれば、自由に利用できるのでパソコンのハードディスクの容量を気にしたりする必要がないのだ。
また、複数で共有できるだけでなく、インターネットさえ繋がれば場所も選ばないといった利点がある。
- ファイルやデータを共有できる
- 場所や時間を選ばない
- 利用コストが明確である
無料のプランもあることはあるが、容量が大きくなると有料になってしまうため、料金の確認はしておきたいところだ。
それと保管されているデータの安全性は高いが、100%補償されているわけではないので注意したい。
実際に利用する場合には、この辺りのこともしっかりと確認してからにしよう。
- セキュリティーの不安がある
- サービスが終了する可能性がある
- 使いやすいようにカスタマイズできない
必要のない変換や出力をしないこと
編集をするために不要な変換や出力をおこなうのは画質の低下を招くことになるので注意したい。
デジタルのデータは劣化することがないが、形式を変えたりするとそうはいかないのだ。
動画の録画形式はMP4、AVI、WMVなどがあるが、これを変えるようなことをすると画質が低下してしまう。
一度でも劣化させてしまうと基本的に元に戻すことはできない。
そのため動画データの保存をする際には、基本的に形式の変更をしないのが、データを扱うときの注意点と言える。
もし変更して保存する場合はもっともクオリティーの高い設定でおこなう必要がある。
また、オリジナルのデータは絶対に変換せずに、いっさい手を付けない状態を維持しておくことが大切になる。
いくら大切なデータであっても、劣化してしまったのではその価値が薄れてしまう。
そうならないようにオリジナルとバックアップだけはしっかりと確保して、いつでも取り出せる状態にしておきたいものである。
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