最近はお目にかかることがめっきり減った…というよりほとんどないビデオテープだが、あなたも昔撮ったものをお持ちかもしれない。
では、それをどのように保管されているだろうか?
まとめて段ボールに入れっ放しにしておいたりすると、傷めてしまう原因になるので要注意である。
そこでビデオテープを保管する上での注意点や、映像を長く残すための方法についてご紹介していきたい。
ビデオテープの寿命は決して長くない
ビデオテープはデリケートであり、寿命も決して長くはないのだ。
ではどれくらいかというと長くて30年ほどと言われており、それも保管に適した環境のもとでの話である。
しかし実際には10年も経てば画質が低下するものもあり、扱いが悪いと中には数年で劣化が見られることも少なくない。
大丈夫と思って久しぶりに再生したら映像が乱れていたり、ノイズが入っていたといった経験はないだろうか?
ビデオテープの劣化は環境だけでなく、メインテナンスをしなかった場合にも起こる。
30年というのは補償されているわけではない。しかし、実際にはそれ以上長持ちすることがあるのも事実である。
何故かといえば、しっかりと管理されてきたからに他ならない。
それくらいメインテナンスや保管環境は重要で、ビデオテープの寿命を大きく左右する条件となっている。
ビデオテープを長持ちさせるためにすべきことはいくつかあるが、次の項で具体的な方法をご紹介していきたい。
ビデオテープの保管で必ず守ることは?
高温多湿を避ける
保管の際には高温多湿の場所に置かないように注意する。
ビデオテープは熱に弱いので、高温の環境に長期間置くと軟化してしまう。
その影響によってデッキが正常に再生しないため、きれいな映像が再現できなくなってしまうことがある。
そのため直射日光の当たる窓際や、暖房器具の近くは気を付けなければならない。
また湿気が多いとカビが発生する原因にもなる。
ビデオテープにカビが生えると、除去するのが大変になってしまい、素人には手に負えないので専門業者に依頼するしかないのだ。
万が一、カビが生えたままデッキに入れてしまうと故障の原因にもなる。
埃や磁気から守る
ビデオテープはその性質上、埃やゴミだけでなく磁気も大敵である。
埃やゴミがテープに付いていると、テープはもちろんのことデッキのヘッドまで傷付けてしまうことになる。
その結果、きちんと録画や再生ができないといったことが起こる。
したがって保管する際には埃やゴミがない環境を選ばなくではならない。あるいは保管前にきちんと掃除をしてきれいにしておこう。
また、ビデオテープは磁気を利用して映像を記録しているので、磁石を使用している物の近くにおかないことだ。
電子レンジやコピー機、磁気ネックレスといった医療機器など多くの製品に使われているが、必ず離して置く習慣をつけよう。
磁気によって映像にノイズが入ってしまったり、最悪の場合には消えてしまう可能性もある。
ケースで保管する
保管をする際はそのままの状態ではなく、必ずケースに入れておくことをおすすめしたい。
いくらきれいに掃除していても、保管期間が長くなれば埃やゴミが付くものだ。
それに室内や押し入れの温度と湿度による影響もあり、結露やカビといった問題が起こることもあり得る。
しかしケースに入れておくことでこれらを防止できるのである。
理想的な環境は温度15~25℃、湿度40~60%とされているので、これに近づけるように管理したところだ。
また、ビデオテープは変形を防ぐために必ず立てて置き、乾燥剤を一緒に入れてきちんとフタをしておこう。
うっかり横積みのまま保管すると、ケースだけでなくテープまで変形することがあるので気を付けていただきたい。
途中で停止しない
ビデオテープは途中で止めた状態で保管しないように注意したい。
保管する際には必ず最後まで巻き取った状態で保管すると傷みも少なくて済む。
そして定期的に巻き直しをおこなって、一定の張りを保っておくのがビデオテープにとって良い状態と言える。
目安としては1年に1回程度で良いので必ず実行するようにしたい。
やり方はいたって簡単で、早送りや巻き戻しをおこなって最後まで巻き取るだけである。
そうしないとテープ同士がくっ付いてしまったり、磁気転写といって重なっている部分に磁気が写ってしまう現象が起こる。
こうなってしまうときれいに再生ができなってしまい、修正して元通りにするのは困難である。
映像を長く残すには他の方法を検討する
ビデオテープの取り扱いは決して難しくないが、長期保管となるとそれなりに守るべきことが多い。
そればかりか今後はもっと保管が困難になってくるはずだ。
そこで是非とも検討していただきたいのが他の記録メディアへの変更である。
DVDやブルーレイディスクといったものを使って、デジタルデータで保管する必要があると考えられる。
確かにDVDやブルーレイディスクにも寿命はあり、その期間は10年~30年程度とされている。
管理が悪ければ、もっと短期間で劣化することもあるので注意は必要だ。
しかしコピーも簡単にでき、管理がしやすいというメリットがある。
また、長期保存用光ディスクも販売されているので、通常のものに不安があるなら検討してみると良いだろう。
デジタルデータで保管する場合、基本的に劣化する心配がない。しかし、ディスク自体の劣化は避けられないのが現状だ。
そこで複数枚コピーしておくのも方法の一つと言える。
こうすることで万が一の際のリスクを分散させることができる。
これから先何十年と保管しておきたいのなら、ビデオテープが傷んでしまう前に変換しておくのがベストである。
そして、いつでも見たい時に見れる状態にしておきたいものである。
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