パスポートは海外に行く際には必ず必要になると同時に、身分証明書にもなる大切なものである。
これがないと出入国できないばかりか、身柄を拘束されることもあるのだ。
そんなパスポートをあなたはどのように保管されているだろうか?
今回はパスポートの保管について基本的なことを含め、海外での注意点や失くしてしまった際の対処法をご紹介していきたい。
パスポートの保管はどうすればいい?
日本国内にいる限りパスポートを持つ必要はまったくない。
したがって無理に所有しなくても良いのだが、すでに持っているのであれば保管に気を付けていただきたい。
その理由は世界に通用する”身分証明書”であり、大切にしまっておかないと悪用される危険があるからだ。
ではどうやって保管しておいたら良いのだろうか?
保管場所を選ぼう
保管場所だが、盗難にあわない場所を選ぶように心がけ、間違ってもテーブルの上に置きっぱなしにしないことだ。
机の引き出しなどに入れておくケースが多いかもしれないが、盗まれる可能性を考えたら金庫の中が安全と言えるだろう。
金庫と言っても手提げ金庫ではなく、防盗・耐火金庫で床や壁にしっかりと固定されたものになる。
貸金庫がベストだが手続きなど大変な面があるので、自宅で考えているのならば見えない所に金庫を設置するのも一つの方法である。
タンスの中やクローゼット、押し入れといったところは泥棒に狙われる可能性が高く、うっかり忘れると探すのも大変になってしまう。
これらの場所を避けて、安全で保管しやすい場所を探してみよう。
保管環境に気を付ける
次に環境だが、パスポートには意外な弱点があるのをご存じだろうか。
それがICチップであり、磁気を帯びたものの近くに置いたりすると、壊れてしまう可能性があるのだ。
もし壊れてしまうと国籍、氏名、生年月日などの情報を読み取れなくなってしまうため、審査に時間がかかるといったことが起こる。
パスポートが無効になることはないものの、思わぬトラブルに発展するかもしれないので注意したい。
また、防虫剤と一緒に保管しないことも大切である。
長期間、一緒の環境に置くとパスポートのラミネートが変色することがあると言うのだ。
この変色によって出入国審査の際に問題が発生する可能性があるので、保管の際にはくれぐれも気を付けよう。
海外に行った際に注意する点とは?
海外では安全が保障されているわけではないので、気を緩めないようにする。
思わぬ危険が潜んでいることも少なくないため、日本以上に気を引き締めて行動することが重要になる。
それではどんな点に注意したら良いのか見ていきたい。
海外においてパスポートは命の次に大切なものであり、あなたという人を証明できる唯一のものだ。
したがって絶対に失くさないようにしなければならない。
外出時には持ち歩くのが基本で、本人確認をされる場合には提示する必要があり、コピーでは認められないケースも多い。
また盗まれないためには所持の仕方にも注意したい。
いかにも”ここに入っています”的な大きなバッグは狙われやすいので、セキュリティポーチを使うのも良いだろう。
なるべく体にぴったりしたものを選ぶことでスリからも守りやすくなる。
ビーチなどでは常に持っているわけにはいかないので、その場合はホテルのフロントに預けたり、金庫に保管した方が安全である。
ただし、信用のできるホテルであることが条件なので、宿泊先を決める際にはよく検討してから決めよう。
格安ホテルで不安がある場合には、常に自分で所持している方が安全だ。
紛失したり盗難にあった時の対処方法
不幸にも紛失したり盗難に遭った場合にはどうすれば良いだろうか。
まずはもう一度よく探してみることだ。しまっておきそうな場所や荷物の中を再度チェックしてみよう。
もしかしたら何かの拍子に紛れ込んでしまったかもしれない。
それでも見つからない場合は届け出をおこない手続きを完了させる必要がある。
国内で失くした場合
国内でパスポートを失くした場合には、すぐに警察とパスポートセンターに届け出をする。
紛失したり盗難に遭ったら警察に遺失届や盗難届を出し、遺失届出証明証や盗難届出証明証、または受理番号を入手しておく。
火災などの災害の場合には、市区町村に届け出て罹災(りさい)証明書を発行してもらう。
そしてパスポートセンターに紛失届を出しておこう。その際には以下の書類が必要になるので用意する。
- 紛失一般旅券等届出書 1通
- 遺失届出証明証や盗難届出証明証、または罹災(りさい)証明書
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 写真 1枚(縦45㎜×横35㎜ 6ケ月以内に撮影)
- 住民票(6ヶ月以内のもの)
住民票については住民基本台帳システムネットワークの利用を希望しない場合や、住民登録していない場所で申請をする際に必要になる。
その他にも必要なものがあるか、念のため問い合わせて確認しておくと良いだろう。
また、手続きは必ず本人がおこなう必要があり、代理人ではできないので注意したい。
海外で失くした場合
海外でパスポートを失くした場合は、すぐに地元の警察、大使館や総領事館に連絡をしよう。
そして紛失の届出をおこないパスポートの失効手続きをして、悪用されないようにしておくことが大切になる。
同時に帰国のために手続きをしなくてはならない。
まずは紛失届をおこなう必要があるが、必要書類は以下の通りである。
- 紛失一般旅券等届出書 1通
- 紛失や盗難の場合は紛失届や盗難届の証明書(警察署でもらう)
- 災害の場合は罹災(りさい)証明書(消防署でもらう)
- 顔写真(縦45mm×横35mm 6ケ月以内) 1枚
場合によってはこれらの他にも、身分証明書などの本人確認ができるものが必要な場合もあるので、運転免許証等を事前に準備しておきたい。
この手続きが終わったならパスポート再発行の手続きをおこなうことになる。
しかし再発行してもうためには時間がかかるため、長期滞在でない限りは”帰国のための渡航書”を発行したもらうケースが多い。
帰国のための渡航書は以下の書類を用意して申請する。
- 渡航書発給申請書 1通
- 戸籍謄本または抄本(原本 6ケ月以内)1通 または日本国籍を確認できる書類
- 顔写真(縦45mm×横35mm 6ケ月以内) 1枚
- 日程などが確認できる書類(日程表やチケット等)
戸籍謄本または抄本は海外だと入手困難なため、出国前に取得しておいてパスポートとは別に保管しておこう。
もし運転免許証があるなら代用できるので持参すると良いだろう。
国内の場合と同様に申請は本人のみがおこなえるので注意したい。
パスポートの有効期限はとても重要
出入国する際に、パスポートの有効期限(残存有効期間)は重要である。
国によって必要とされる残存有効期間が異なっているが、数か月~6ヶ月程度となっていることが多いので気を付けよう。
これを忘れてうっかりしていると、渡航できないといって事態になる。
つまり出入国が制限されてしまうので、仮に日本を出国できたとしても渡航先で入国拒否されてしまうことになる。
当然ながら滞在も認められないので、そのまま帰国するはめになってしまうのだ。
事前にビザ(査証)を取得するのであれば、パスポートの有効期限の確認があるので問題ないが、入国時に申請する場合にはそうはいかない。
特に観光の場合には、空港などで申請するケースが少なくない。
そこでチェックされて残存有効期間が不足していたら完全にアウトである。これを防ぐには、事前に必要な期間を調べておくことだ。
そして、間違っても旅行中に切れることのないように十分に注意していただきたい。
パスポートはあなた自身の証明であり、海外において自分を守るために絶対に必要になるものだ。
特に海外でパスポートを失くしてしまうと、警察などとのやり取りや手続きも日本のようにはいかず、大変な思いをすることになる。
したがって、絶対に紛失したり盗難に遭わないという気持ちを持って大切に取り扱っていただきたい。
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