ガソリンは車やバイクを走らせる燃料として古くから使われているが、その歴史は100年以上にもなる。
現在では環境への配慮などから様々な種類のガソリンが販売されている。
そんなガソリンも時には農業機械や発電機などにも使う場合があるかもしれないが、あなたはどのように保管されているだろうか?
可燃物でもあり気を付けないと危険なため、ここでもう一度見直していただきたい。
ガソリンの保管で注意する点とは?
ガソリンは保管の際に注意しなければならない点があるのでご紹介していこう。
きちんと守らないと危険であり、事故につながるおそれがあるので油断しないようにしなければならない。
- 認定された容器を使用する
- 保管する環境に注意する
- 必要以上の大量保管はしない
まずは容器だが必ずガソリン携行缶に入れるようにする。その際には消防法令に基く試験に合格したものを使うことが絶対だ。
合格品には基準に適合しているという表示がされているので購入前に確認しておこう。
灯油用のポリエチレン製容器はガソリンの保管には適しておらず、非常に危険なので絶対に使用してはならない。
そして保管環境にも気を付けないと、火災や爆発といった事故の可能性があるので十分に注意しよう。
ガソリンは非常に気化(蒸発)しやすい燃料で、気温が-40℃の時でも気化している。そして、空気より重いためどんどん溜まってしまう。
この状態で静電気やライターなどの、ほんの小さな火花が飛んだだけでも引火する恐れがあるので火気厳禁である。
したがって、絶対に火気を近づけないようにしなければならない。
さらに直射日光のあたらない風通しの良い涼しいところに置く必要がある。
また、現在では容器でのガソリンの購入にも規制があり、運転免許証などによる確認が必要になっている。
昔のように簡単に買えない状況になってきているが、絶対に買えないというわけではないので入手は可能だ。
40ℓ以上を保管する場合には、火災予防条例などに適合した保管場所であることが消防法令によって決められている。
さらに100ℓ以上になると消防署への届出や許可を得る必要がある。
このように保管する量が多くなれば規制も厳しくなるばかりか、危険性も増して取り扱いが難しくなる。
今まで事故が起きなかったのは、あなたの保管がしっかりしていたか、幸運だったかのどちらかである。
もし後者であるのなら、すぐにでも改善して安全に保管していただきたい。
ガソリンにも使用期限がある?
自宅にガソリンを保管していると、気になるのがどれくらい保存できるかではないだろうか。
使い切れずに残ってしまい残りをいつ使うか予定がない場合、意外と長期保管になりやすい。
そうかといっていつまでも保管しておくと変質も心配になる。
ガソリンには使用期限(消費期限)が定められていないため、何らかの目安がほしいところだ。
では一体どれくらいの期間であれが問題なく使えるかとなるが、保管環境が整っているのであれば6ヶ月程度と考えておこう。
添加剤を入れれば1年程度は使えるようだが、あくまでも効果が期待できる程度と理解しておいた方が無難だ。
劣化しているかどうかは、見た目や臭いの変化でも判断できることがある。
ガソリンは空気に触れることで酸化されて徐々に劣化が進んでいくが、その過程で色や匂いの変化が起きている。
あなたは買ったばかりのガソリンの色や匂いを覚えているだろうか?
色は透明感のあるオレンジ色をしているはずだ。これが古くなるとだんだん濃い色になり、匂いも変化してくる。
ただ、明らかな変化がない限り判断は難しく、使用できるかどうかは決めにくい。
結局のところは使ってみなければ分からないのが現状ではあるが、少なくとも期限を区切ることで最低ラインは決められるのではないだろうか。
古いガソリンの正しい処分方法
古くなったガソリンは安全で確実な方法で処分しよう。
おすすめなのがガソリンスタンドで引き取ってもらうことだ。ただし、どこでも処分できるとは限らないので前もってチェックしておきたい。
最も確実なのは、購入する際に引取りをしてくれるガソリンスタンドを調べておいて、そこで購入することだ。
そうすれば廃棄する場合にも探す手間がかからず簡単に済んでしまう。
また、産業廃棄物の処理業者に依頼する方法もあるので、どうして見つからない場合には問い合わせてみると良いだろう。
処理費用は各ガソリンスタンドや処理業者で異なるので確認してみよう。
残りが少量だからといって河川や排水に流したり、その辺に捨てないようにしてほしい。環境に悪いばかりでなく、危険でもあるため絶対にしてはならない。
同様に回収ゴミとして処分することもできないので、他のゴミと一緒に捨てないようにする。
もしそのようなことをすると火災や爆発の原因になったり、場合によっては他人にケガをさせる可能性もあるのだ。
くれぐれも迷惑をかけないように注意していただきたい。
必要なだけ購入するのがポイント
どれだけ保管に気を付けていても、ガソリンは必ず劣化するものだ。
したがって早めに使いきる必要があり、そのためには必要なだけ購入するのがポイントである。
足りないと困る、あるいはいつか使うだろうなどと考えて、多めに購入してしまうことはないだろうか。
その結果、余っても使う予定がなく、ただ保管しているだけといったことが起こる。
もちろん使い切ってしまえば全く問題はないが、余っても利用できる範囲が限られてしまうため、結局は処分しなければならなくなってしまう。
貴重なエネルギーをムダにしないためにも、計画を立てて使い切るようにしたい。
ガソリンはすぐに手に入れられるだけに、価値があるものという認識が薄れているのかもしれない。
だからと言って余っても簡単に処分しないようにしてていただきたい。
そして大切な資源であるということを忘れずに、有効に利用していくのが正しい使い方ではないだろうか。
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