絵を描くことのメリットはたくさんあげられる。
例えば脳が鍛えられることで想像力が向上したり、発想力やひらめきといったものが強化されると言われている。
その他にも集中力がアップしたり、ストレスの解消といった効果も期待でき、色に対する感覚やセンスも磨かれるのだ。
ただ絵画を始めるとなると、それなりに道具を揃えないといけないため、収納にはちょっとした工夫が必要になるかもしれない。
それと同時に正しい保管方法も知っておいた方が良いだろう。
絵画道具を収納する際の注意点とは?
絵を描くのであれば様々な道具が必要になってくるが、使った後の収納はどうされているだろうか?
ここできちんと片付けておかないと、次回で使い物にならなくなってしまう可能性がある。
そうさせないためには傷めないようにすることが第一になる。
ではどうしたら良いかとなるが、それにはすべてを一緒くたにしておくのではなく、手入れと分類をおこなってからケースに入れるなどしておこう。
くれぐれもぐちゃぐちゃにしないように注意し、しっかりと管理しておけば長持ちしてくれるはずだ。
そしてもう一つが整理整頓を心がけることが大切になる。
目的はいつでも使えるように準備を整えておくことと、使いやすい状態に保っておくための2つである。
整理整頓ができていないないと、いざ使おうとしても探すのに手間取ったりして非常に不便な収納になってしまうのだ。
そればかりか次第に雑に扱うようになると傷みが酷くなり、結果的に買い替える羽目になる。
そうならないためにも大切に扱う習慣をつけて、きちんと整理整頓しておけば絵画の道具は長持ちすること間違いなしだ。
道具の正しい保管方法を知っておこう
絵画の道具は色々あるが、それぞれに適した保管方法で管理しておこう。
ここではその代表的な道具の正しい取り扱いと注意点についてご紹介していくので参考にしていただきたい。
絵の具
絵の具と一口に言ってもアクリル絵の具もあれば、油絵の具など様々なものがあるが、それぞれの保管方法について見ていきたい。
すべて同じではないので、くれぐれも扱いを間違えないように気を付けてほしい。
アクリル絵の具
アクリル絵具は一度固まってしまうと使えなくなってしまうので、しっかりとキャップをして保管しておこう。
絵を描く際には一度に大量の色を作らないなど、残らないようにすることがポイントになる。
そして、水で薄めたものはいつまでも保存しておかないようにしたい。
その理由は変質したり腐敗する他にも、分離の可能性もあり臭いも不快なものだ。例え蒸留水で薄めたとしても長期間保存しておくのは困難だ。
使用期限は特に定められておらず、分離していたり固まっていなければ使うことができる。
水彩絵の具
水彩絵の具は固形のものや、チューブに入ったものなどがある。
チューブに入ったものは、乾燥させないように気を付けたいが、固まってしまっても水に溶いて使うことが可能だ。
ただ、中で固まってしまうと取り出すのが大変になるので、空気に触れないようにフタはきちん閉めておきたい。
使用期限はないので、残ってしまったとしても数年に渡って使えることも珍しくない。
日本画絵の具
日本画には岩絵の具が使われることが多いがこの場合、もし余ってしまっても捨てる必要はないので安心してほしい。
ただし、膠(にかわ)ぬきと言われる作業が必要になる。
やり方は残った絵の具にぬるま湯を入れてかき混ぜ、絵の具が沈殿したら上澄みを捨てるという作業で、2回~3回繰り返せば完了である。
後は良く乾燥させておけば、長期間の保存も可能というわけだ。
油絵の具
油絵の具を保管しておくには、固まらないようにチューブのフタをしっかりと閉めておくことが大切になる。
缶に入っている場合には、絵の具の表面にラップを敷いておくと効果的だ。
さらに、その上からポピーオイルを塗っておけば、より長持ちするはずである。
使用期限は特になく、固まっていなければ使えると考えておいて良い。ただし変色していることもあるので気を付けよう。
筆
特別な手法でない限り画を描くには筆が必要になってくる。
特に小さなものや細かな線を表現するには重宝するだけに、保管方法には注意したいところだ。
まず筆には必ず絵の具が付いているので、きれいに洗っておくようにしたい。特に根本の部分は入念におこなうようにする。
そうしないと次回に使えないばかりか傷みやすくなり、長持ちしなくなってしまうためだ。
洗ったら布などで水分を拭き取って形を整えてから、穂先を下にした状態で吊るしてしっかりと乾燥させる。
特に油絵の具を使った後はクリーナーだけだと乾いた時に固まってしまうことがあるため、中性洗剤でも洗うようにする。
洗浄には筆用の石鹸も販売されているので利用すると良いだろう。
キャンバス・紙
キャンバスや紙を保管する上で、湿気は大敵となるので注意したいところである。
あまり湿度が高い環境は避けて、通気の良い場所を選んで保管しておこう。
特にキャンバスの場合、織り糸を固定したり保護目的で使われる目止め材によって、カビの影響を受けやすいと言える。
そればかりか歪みやしわの原因にもなるので気を付けたい。
理想の環境としては温度が20℃~25℃、湿度は50%~60%とされているが、どうしても湿気が多い場合には除湿剤を使う方法もある。
温湿度計でチエックをしながら、急激な変化が起こらないようにコントロールできればベストだ。
また、埃が付かないようにすることも大切になってくる。
保管の際は裸のまま置いておくのではなく、柔らかい布などで軽くカバーをしておくたけでも効果がある。
パレット
水彩絵の具を使っていると、パレットに出してわざと乾燥させて使うケースがある。
そのため毎回必ず洗うとは限らないが、せめて色を混ぜる部分だけはきれいにしておきたい。
やり方はスポイドで水を加えたり霧吹きをしてから布やキッチンペーパーなどで拭き取るだけなのでとても簡単だ。
もし全体を洗ってしまうのであれば、弱アルカリ洗剤を使うと良く落ちる。
アクリル絵の具は乾燥が早いので、固まるまえに洗ってしまうのが基本だ。もし固まってしまった時はお湯に浸けておいて落としてみよう。
それでもきれいにならなければ、絵の具リムーバーを使う方法もある。
他にも除光液で拭いたり、濡らしたメラミンスポンジに重曹を付けて擦るやり方もあるが傷を付けないように丁寧におこなう。
油絵の具は乾燥しないうちに溶き油で拭き取ったり、クリーナーを使いきれいにしてから仕上げに溶き油を塗っておけばOKだ。
カチカチに固まってしまったら、リムーバーを試しても良いだろう。
パレットの保管もこういった手間は必要になるが、面倒に感じるようであれば紙パレットを使うのも一つの方法である。
収納に便利なアイテムを活用する
画材はスッキリと収納しておき、いつでも使えるようにしておきたい。
そのためには、それぞれにあった収納方法をしておく必要がある。
まず絵の具だが、蓋つきの薄型ケースやペンケースに並べておくと整理しやすく、出し入れが楽におこなえる。
生活雑貨を売っているお店なら、丁度よい大きさのものが安く見つかるので探してみよう。
筆は一緒くたにまとめて入れたりせずに、きちんとケースを使うようにしよう。その方が穂先にクセが付けたり傷めたりする心配が少ない。
ケースの中で筆が動かないものを選ぶようにするのがポイントだ。
画材はまとめてバッグに入れておけば、持ち運びも便利である。サイズも道具の量やあなたの都合にあわせて選択しよう。
絵画を始めると意外と多くの道具が必要になると感じることがあるかもしれない。
しかし、日頃からきちんと整理して収納しておくことで習慣となり、それほど気にならなくなるものである。
これを怠ってしまうと、ぐちゃぐちゃになって収拾がつかなくなるので要注意だ。
そうなると余程気合を入れて片付けない限り使い辛さは解決しない上に道具も傷めてしまう。
結果的に段々と面倒に思えるようになり、絵に対する興味まで薄れてしまう可能性もあり得るのだ。
そんな残念な結果にならにようにするためにも、収納の大切さを再認識して大切にしていただきたい。
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