湿気が多い時に役立つのが、除湿剤と言われる湿気取りの製品である。
自宅でもそうだが、トランクルームも同様に湿気が多すぎるのは荷物にとって良いことがない。
ではトランクルームでも除湿剤が必要になるのか?
そして、どんな点に気を付けないといけないのか知っておくと役に立つはずだ。
除湿剤を使おうと考えているのなら、この機会に是非とも知識を深めてみてはいかがだろうか。
トランクルームに除湿剤は必要?
除湿剤が必要かどうかはトランクルームのタイプによって異なると言えるだろう。
トランクルームは、屋内型と屋外型のコンテナタイプの2つに分かれている。
屋内型はビルの中に設置されており、エアコンや換気扇が備わっている施設もある。このような環境ではあまり必要ないと考えられる。
その理由は、温度と湿度を一定に保つようにコントロールされているからである。
したがって保管環境としては十分に高いレベルにあると思って問題ない。
しかし実際のところは、全ての施設で空調を完備しているわけではないのだ。そのような施設では湿気がこもり易くなる傾向にある。
このような時に除湿剤を利用したいところであるが、落とし穴があるので注意したい。
除湿剤が効果を発揮するためには、基本的に密閉されていることが前提となる。
そのためトランクルームの一部分、特に天井が開いていたりすると効果が薄れてしまうので、全体が囲まれている方が望ましい。
一方の屋外型のコンテナタイプでは空調を完備していないので、必要に応じて除湿剤の利用をおすすめしたい。
扉を閉めた状態では、ほぼ密閉状態になるので好都合だ。ただし、通気口があるコンテナの場合は、多少効果が低くなるかもしれない。
- 空調完備の屋内型にはあまり必要ない
- 屋内型でも密閉されていないと効果が低い
- 屋外コンテナタイプは効果が期待できる
除湿剤と乾燥剤の違いはあるか?
除湿剤・吸湿剤・乾燥剤など呼び名は異なるが、目的は湿気取りであることに変わりはない。
厳密に分類されていない部分もあるが、市販されている製品で見ると成分や仕様などが違っていることが多い。
それに伴って利用する場面や場所にも違いが見られる。
除湿剤
除湿剤の成分は主に塩化カルシウムであり、空気中の水分を吸収する働きがある。
水分を吸収すると個体であったものが液状に変化する性質をもっており、これを潮解性(ちょうかいせい)と呼んでいる。
この潮解性を湿気取りに利用したものが吸湿剤というわけだ。
水分を吸収する能力も非常に高く、塩化カルシウムの重さに対して3~4倍もの水分を取り除くことができる。
融雪剤・凍結防止剤として積雪時に使用されているのでご存じかもしれない。
その他にもフッ素除去や廃液の中和といった処理、食品添加物などとしても使用されている。
乾燥剤
乾燥剤は吸湿剤とも呼ばれており、生石灰やシリカゲルやが使われていることが多い。
あなたもお菓子などの食品の袋に入っているのを見たことがあるだろう。
生石灰が湿気を取り除くのは水分を吸収する性質を利用しており、限界まで水分を含むと2倍以上に膨らみ、生石灰の重量の30%の湿気が取れるとされている。
また、急激に水分を吸収させるような誤った使い方をすると高温になるので、取り扱いには注意したい。
シリカゲルの場合は二酸化ケイ素を主な成分としており、表面の小さな孔(穴や隙間)で水分をため込んでいくのが特徴である。
シリカゲルは重量の50%の水分を取り除くことが可能だ。
除湿剤を使用する上での注意点
置き場所は下が基本
除湿剤を利用する際はポイントを押さえておくとで効果的に利用できる。
湿気は空気の流れが悪いところに溜まり易いので、除湿剤も下に置くようにしたい。同様の理由で奥や角部分に置くのも効果的だ。
上に置いてしまうと、もし倒した際に中身がこぼれることがあるので避けておきたい。
もちろん掛けるタイプの除湿剤であれば、そんな心配もいらないので安心して使用できる。
荷物と荷物の間や、狭いところに掛けたりして湿気を取り除くようにすると良い。
湿気が取れていると粒が溶けた状態で溜まってくるので、定期的に確認して交換するように心がけよう。
こぼれた時の処置方法
湿気が溜まってきたら交換が必要になるが、その際にうっかりこぼしてしまう事がある。
除湿剤の容器からこぼれた液は、粘度があるため”べた付いて”いる。
そんな時はきれいに水ぶきして粘り気をとってから、乾拭きをしっかりしておくと良いだろう。
べた付きが残っている場合には、なくなるまで水ぶきと乾拭きを繰り返す必要がある。
中途半端に拭き取るとシミになったりするばかりか、乾燥しづらいために腐食したりカビが発生する原因になる。
特に水を吸いやすい段ボールや衣類などに付着しないように気を付けよう。
万が一のことを考えて、あらかじめ新聞を敷くなどの対策を取っておけば安心できる。
捨てる際に守ること
除湿剤で取れた水分はアルカリ性の塩化カルシウム水溶液となる。
したがって再利用することはできない。間違って植物やあげたりすると枯れてしまうので注意してほしい。
処分の方法としては、大量の水と一緒に薄めて排水溝へ流すようにする。間違っても溶液だけを捨ててはいけないのだ。
粒が残っている場合は、熱を発生する可能性があるため慎重に扱う。
また人体にも害があるため、肌についたり目に入らないように十分に気を付けていただきたい。
もし付いてしまったら、すぐに水で十分に洗い流すことである。
それでも痛みなどがある場合は、病院で診察をしてもらう。特に目に入った時には、必ず受診することをおすすめする。
除湿剤で環境と品質が安定する
除湿剤の使い方しだいで保管環境と荷物の品質が安定する。
湿気が多い保管スペースや季節には、特に効果を発揮してくれるのが除湿剤だ。
使い方にしても決して難しいことはない。
基本的には面積に応じた除湿剤の量と、メーカー指定の正しい使い方をするように心がけていればOKだ。
これを怠ると十分な効果が得られないばかりか、カビや劣化、あるいは故障といった被害を受けることになる。
また、すべてを除湿剤に頼らないことも大切である。
荷物を直接床に置かない、空気が流れやすくなるように隙間を作るといった湿気対策もおこなうと良い。
特にカビ防止を考えると湿気は大敵だ。
トランクルームでカビのトラブル|今すぐ実践できる予防対策とアイテムも参考にしていただき、より効果を高めてほしい。
まずは、あなたにできることから始めてみよう。
一つひとつの積み重ねが、快適な収納スペースになることを忘れないでいただきたい。
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