あなたも寝床や枕が変わっただけで眠れなかった経験があるかもしれない。
旅行や出張など、初めてのホテルや旅館での睡眠は意外とストレスを感じているのである。
だが世の中にはトランクルームで寝てしまおうと考える人もいる。
確かにトランクルームも保管環境が向上しており、ずいぶんときれいになっている。
しかし、そんなことをしたら規約違反となるため即解約されてしまうことを分かっていないのだろうか?
トランクルームで寝るという発想
アイディアとしては面白い
トランクルームに寝るという考えは、アパートやマンションよりも料金が安いための発想と言える。
満足な収入が得られなければ、それなりの寝床を用意する必要があるからだ。
そんな時、きれいなトランクルームであれば、もしかしたら寝られる?と思ってしまうのも無理はない。
横になるだけのスペースがあれば、十分にいけると誰もが考え付くだろうし、中には座れるスペースだけで寝てしまう強者もいる。
確かにアイディアとしては面白いかもしれないが、毎日寝るための部屋としては決して十分とは言えない。
十分な睡眠がとれなければ、健康を害する危険さえある。それに規約的にも問題があるので、トランクルームで寝ることはできないのだ。
寝るための環境ではない
本来のトランクルームの役目は寝るための環境ではないのだ。
あくまでも荷物の保管を目的とした収納スペースである。
ここに寝てしまおうというのだから無理があり、普通に考えれば決して快眠とはいかないのが分かるはずである。
例えば、あなたの自宅の寝室を思い浮かべていただきたい。窓もなく四方を壁で囲まれただけの部屋だろうか?
決してそのような環境ではないはずだ。朝になれば光が入ってきて、気持ちよく目覚めて1日が始まる。
これが寝るための環境と言うものであり、トランクルームにはないのだ。
他の利用者の迷惑になる
荷物を保管する場所に寝ることは、他の利用者の迷惑になってしまう。
もしあなたがトランクルームを訪れた際に、誰かが寝ているのが分かったらどうだろう。
ビックリするだけでなく、気持ち悪く感じてしまうかもしれない。
それと同じことをできるだろうか?
それに、万が一荷物の紛失や盗難といったことが起きたなら、トランクルームで寝ていた人が真っ先に疑われるのだ。
犯人として見られ、最悪の場合には法的な処罰の対象とされることも考えられる。
いくら自分は無実と訴えても、誰も信用しなかったらどうするのか?
これは決して他人事ではなく、トランクルームで寝た罰としてあなたの身に降りかかってくるかもしれない。
他人事と思わず、こんな考え方は捨ててしまった方が安全である。
睡眠で大切な基本的な条件とは?
食事、運動、環境の重要性
心地よい眠りを得るための基本的な条件を見ていこう。
よく言われるのが食事、運動、環境の3つになる。
自宅であれば、これらすべてをクリアすることは可能だが、トランクルームではどうだろう。
もう一度よくチェックしてほしい。
1. 食事
食事を済ませてすぐに寝るのは良くないのだ。胃や腸の動きが活発で睡眠の邪魔になっているからである。
したがって少なくとも寝る3時間前には済ませておきたい。
また、どうしても空腹で寝られない場合には消化の良い魚や豆類、卵、乳製品を軽く摂る程度にしておきたい。
アルコールやカフェインの入った飲み物も厳禁である。
2. 運動
適度な運動は睡眠を促す効果があるとされている。
食事と同様に寝る直前は避け、3時間前には終わるように心がけよう。体と神経が興奮状態のままでは、なかなか寝付けないことがある。
運動の内容はウォーキングやジョギング、早歩きがおすすめで、無理をせず続けられる程度にしておこう。
頑張り過ぎは禁物なので注意していただきたい。
3. 環境
快眠を得るには環境も大切になる。
その一つが温度と湿度であり、季節によって異なっている。冬16度~21度、夏26度~28度、そして湿度は50%と言われている。
もちろん感じ方には個人差があるが、良い睡眠をとるためには欠かせない条件だ。
その他にも匂いや音、広さといったものによって、睡眠の質が大きく左右されている。もちろん寝具も大切な要素である。
質を高めることが大切になる
睡眠の質は寝入ってからの3時間が重要と言われている。
食事を済ませてすぐに寝てはいけない理由はここにある。それは寝る直前の食事によって睡眠の質が落ちてしまうかからだ。
就寝前の食事は極力控え、消化の良いものやスープ類で補うように心がけよう。
大切なのは睡眠時間だけでなく、「質」を向上させることになる。
時間をとって寝たつもりでも、”疲れがとれない”、”だるい”といった経験をされたことがないだろうか。これは睡眠の質が悪いからである。
食事、運動、環境をもう一度見直すことで「快眠」を手に入れることができるはずだ。
仮に寝られても避けられないもの
健康を害する危険性がある
仮に寝ることができても、危険をともなう可能性があることを覚えておきたい。
トランクルームは荷物のための収納スペースであるので、埃や汚れ、そして害虫による被害を受けることが考えられる。
一部の施設を除いて、温度や湿度の管理もできていないところも意外と多い。
したがって夏場は蒸し暑く、冬場は驚くほど寒かったりする。その中で寝るわけなので、肉体的、精神的ストレスは大きいのだ。
仮に空調が完備されたトランクルームでも、人間のための設定ではないため健康に影響を与える可能性がある。
同様に換気についても不十分であると、施設内の埃を吸い込んでしまう。
その結果、健康被害を受けることにつながる。
荷物は耐えられても、人間が耐えられる環境ではないのかもしれない。
生活の場として機能しない
荷物の保管が目的であるので生活の場としては機能しないのだ。
生活するには水道やガス、電気といったライフラインが必要になる。
確かに水道の代わりにペットボトルの水、ガスはカセットコンロ、電気はバッテリーでも賄えるが、ずっと続けられるだろうか?
ましてやトランクルーム内で火を使うなど以ての外である。規約で禁止されているばかりでなく、火災にもつながるので非常に危険な行為だ。
そして、当たり前のことだがトイレもない。
人間なので体調を崩すこともあるが、そんな時はどうするのだろう。一晩中ずっと我慢するのは大変な苦痛であり体にも良くない。
これを続けることは不可能とは言い切れない、しかし他の利用者、そしてトランクルーム会社に確実に迷惑を掛けることになるのだ。
住むための住所登録は不可
住所をトランクルームに移すのは、問題を残すことになる。
いくら毎日寝られると言ってもアパートとは違い、基本的にトランクルームを住所にしてはならないのである。
住所とは読んで字の如く、住んでいるところだ。
基本的に生活の基盤がないところは住所として認められない。
通常の郵便物であればトランクルーム会社によっては、受け取りが可能となっており保管までしてくれるサービスがある。
しかし、市や町からのお知らせや、郵便を受け取ることが不可能なので、適正な住所の届け出をおこなうことが必要になる。
やはりトランクルームは荷物を保管するだけのために利用するのがベストな答えだ。
寝たり住んだりといった考えはきっぱり捨ててしまおう。
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