トランクルームとはどんなもの?
あなたはトランクルームがどのようなものかご存じだろうか?
簡単に言うと”荷物を預けることができるスペース”であり、規定の料金を払って契約をする施設のことである。
元々はアメリカで生まれたサービスであり、セルフストレージと呼ばれている。
1960年代から利用が始まり、現在では10世帯に1世帯の割合で利用されるほどになった。
その数は1,700万室以上とされており、普及率は10%で世界で最も高い。
現在ではカナダやオーストラリア、ニュージーランドにおいても4%を超えており、ヨーロッパやアジアにも広がりを見せている。
日本では1931年(昭和6年)に大手の倉庫会社が始めたのがきっかけで、当時アメリカで流行っていた家具倉庫がヒントになっているのだ。
この時、ボックス単位で荷物を保管をすることからトランクルームと名付けられたが、それ以来この呼び方が定着して現在に至っている。
会社によって貸倉庫であったり、レンタル倉庫あるいはレンタルボックスなど様々な呼び方がある。
サービスが開始された当初はまだ一般的でなく、富裕層が高価な趣味を保管するために使われることが多かった。
しかし多くの業者が参入し始めるようになると普及が進み、1970年代から1980年代には首都圏を中心に広がり始める。
ただ、現在と異なり保管環境やセキュリティーが追い付いていなかったこともありトラブルが少なくなかった。
それも現在では法的な規定が明確化されたり業者の努力によって、問題の発生は激減していると言えるだろう。
昔に比べたら、より安心して使える環境が整ってきているというわけだ。
トランクルームのタイプや特徴
トランクルームには様々なタイプがあるが、大きく分けて屋外コンテナタイプと屋内タイプの2種類になる。
屋外コンテナタイプは、その名の通り改造したコンテナを屋外に設置したものになる。
イメージとしたらこんな感じである。
一方の屋内タイプはビルなどの建物の一部、あるいは全体を仕切ることで個別のスペースを確保している。
一般的に建物の内部はこのように区分けされている。
どちらも一長一短があるので、目的に合わせて選べば良いだろう。
屋外コンテナタイプはその名の通り屋外に設置されていて、荷物の出し入れがしやすく、入り口の前まで車で行けることが多い。
そのため大きな荷物であったり、量が多い場合には出し入れがしやすいと言える。比較的広い物件が多いので、余裕のある保管ができるだろう。
また、広さの割には料金が抑えられているので、安く借りたい場合には屋外コンテナタイプをおすすめする。
ただし空頭は完備されていないので、デリケートな荷物は控えておいた方が良いかもしれない。
これに対して屋内タイプは空調が完備されているところがほとんどで、1年を通して温度と湿度がコントロールされて安定している。
料金は屋外コンテナタイプに比べると割高になるが、環境の良さを考えると保管する荷物によってはこちらの方が良いだろう。
大きさはコインロッカーサイズからあるので、荷物が少ない場合には無駄に大きな物件を借りずに済んでしまう。
その他にはバイク専用のスペースもあり、安全性の高い駐車場とも言えそうだ。
トランクルームが必要になるケース
トランクルームが必要になる時というのは、ズバリ荷物の置き場所がほしい場合だ。
さまざまな事情によって自宅に置き切れなくなった状態の時である。
- 結婚、同居、出産
- 自宅の整理
- 趣味のコレクション保管
- 新築、増改築
- 引っ越し
- 海外出張、留学
- 会社の書類を保管
毎日の生活の中で、自然と荷物が増えてしまうのが最も多いのではないだろうか。
特に結婚や同居、出産といったものは、荷物が増えやすいと言える。
人数が増えることも一つの理由ではあるが、子供の成長につれて色んなものが増えていくものだ。
洋服一つとっても、季節によっても着るものが異なるため、同じ服が2着あると思ってもおかしくない。
また、趣味を持っていたりすると置き場所が足りなくなることがあり、マニアになれば相当の量になる。
自分の部屋だけでは足りなくて、家族の部屋まで占領しているといった話は聞いたことがあるだろう。
だからといって本人に悪気はなく、純粋な気持ちで没頭しているので、止めさせたり捨ててしまうこともできない。
そうなるとトランクルームを借りるなどしてスペースの確保をしなければいけなくなってしまうのだ。
これ以外にも物が置けなってしまう原因は色々ある。
自宅の新築や増改築では、置き場所そのものが確保できなくなるため、必要に迫られることが多い。
引っ越しの際も予定通りにいかないと、荷物の行き場を失ってしまうことになる。
もし引っ越し先の準備が整っていないと荷物を運び込むことができない。そうかと言って、アパートやマンションを解約してからでは大変だ。
持ち家でない限り簡単に先延ばすることは難しく、借り直せば余計な出費となってしまう。
就職や転勤、あるいは進学の場合には、すでに出社日や登校日が決まっているので、自分の都合で変えることが難しい。
ましてや海外に行くようなケースでは、勿体ないといった理由でアパートやマンションを解約することが少なくない。
そのため予定日までには終わらせておかなくてはならなくなる。
そうしないと飛行機のチケットから始まって、引っ越し先に至るまですべて調整しなければいけないのだ。
利用は個人だけでなくでも会社の場合もあり、保存用の書類置き場としても活用されている。
このようにトランクルームを借りる理由はさまざまではあるが、そこには借りないと解決できない事情がある。
利用するメリットとデメリット
メリット
まずはどのようなメリットがあるか見ていこう。
いくつか考えられるが、主に次のような点があげられるのではないだろうか。
- 自宅を広く使える
- 置き場所の心配がない
- 周りが気にならない
自宅にあふれている荷物を一気に片付けられるので、広く使えるのが最大のメリットと言える。
たくさんの物があふれていると狭くなるだけでなく、探すのに苦労することもあるだろう。さらには、ぶつけてケガをする危険性も高くなる。
こういった環境はストレスも溜まりやすく、精神的にも良くないのは明らかだ。
スペースが確保できれば、ここに置こう、あそこに置こうといった心配がいらなくなり、場所の取り合いになることもないだろう。
そうなると整理整頓もしやすくなり、周りに気を使わずに済むので気持ちも楽になる。
仮に荷物が増えたとしても、その分はトランクルームに収納してしまえば心配しなくでも大丈夫だ。
デメリット
デメリットもあるので知って置いた方が良いだろう
トランクルームで完璧なものは存在しないので、あなたにとって許容範囲であるかチェックしておきたい。
-
- 料金が必要になる
- 自宅から離れてしまう場合がある
- 保管環境にばらつきがある
基本的に借りるスペースであるため、当然ながら毎月の料金が必要になってくる。
それに、自宅と離れてしまうと、急に入用になった場合の取り出しに時間が掛かるかもしれない。
ただ、多くのトランクルームは24時間、365日の利用が可能になっているので、いつでも利用が可能だ。
また、業者によっては保管環境がばらつくことがある。そのため、借りる際には確認しておきたいところでもある。
トランクルームの賢い使い方とは?
せっかく借りるのだから、トランクルームは賢く使いたいものだ。
そのために必要なことは、計画的に利用することである。
もちろん急に借りなければならない場合もあるだろう。そんな場合には、時間的な余裕がないかもしれない。
しかし、大抵の場合には前もって分かっており、多少なりとも考える時間があるはずだ。
したがって契約前には物件の広さ、料金、タイプ、そして場所についてよく検討しておこう。
- 収納スペースの広さ
- 毎月の支払い金額
- トランクルームのタイプ
- 物件の所在地
- 使い勝手の良さを確認する
これらを怠ると借りてしばらく経ってから、こうすれば良かった、ああすれば良かったと後悔することになる。
借り換えることもできないわけではないが、手間も掛かる以上にお金が無駄になってしまう。
さらには保管しておいた荷物を移動させてはならず、想像以上のエネルギーを必要とするのだ。
検討する際は順を追っていくと良いだろう。
まずはどれくらいの広さが必要か決めておこう。
たとえば2坪ないと足りないのに、0.5坪を借りるのは意味がない。反対に0.5坪で十分なのに2坪借りても無駄にスペースが空いてしまう。
次に料金は高くないか?毎月払える金額か検討しよう。
ここで負担が大きいとストレスを感じてしまい、借金をしているような感覚になるかもしれないので気を付けたい。
そして、希望のタイプは屋外コンテナタイプなのか屋内タイプなのか?
本来、屋外で使うようなものであれば、わざわざ屋内タイプのトランクルームを使う必要はないだろう。
しかし反対に、デリケートなものを空調のない所に長期保管しておくと傷めてしまうことがある。
さらに、物件のある場所は出し入れに便利か?
頻繁に出し入れをおこなうようなら、自宅から近い場所がおすすめである。これは行き来の時間だけでなく、急に入用になった場合にも近い方が有利だからだ。
もちろん交通の便も考えておいた方が良いだろう。
多くのトランクルームは24時間、365日利用できるので、車をお持ちであれば、多少離れていても持ちに行くことが可能である。
しかし、電車やバスなどの公共交通機関を使わなければ行けないとなると、時間帯によっては難しくなってしまう。
その他にも使い勝手は良いか?
荷物の大きさや重さがあるのに、トランクルームへの出し入れがし辛いようでは借りても満足できないだろう。
出入り口や通路、ドアの大きさなどをしっかりとチェックして問題ないことを確認しておく。
トランクルームを借りる際には、これらのことをよく考えてから契約するようにしたい。
その方が借りてからの満足度が大きいので絶対に忘れないでいただきたい。
賢く使えるも、使えないも事前検討にかかっているので気を付けよう。
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