ベースギターはその名の通り低音のパートを受け持っており、バンドには欠かすことができない楽器だ。
あなたもベースを演奏されていると思うが、保管はどのようにしているだろうか?
気を付けないと、せっかくの音色が台無しになってしまうことがあるので注意が必要になる。
そこで今回は保管する際に守るべき事柄や、ポイントをご紹介していくので参考にしていただきたい。
ベースは見た目以上にデリケート!
ベースは一見すると硬くてしっかりした印象を受けるかもしれない。
しかし、実際にはとても繊細であり、外部からの影響を受けやすくデリケートな一面を持っている。
したがって取り扱いや保管には、それなりの注意が必要になる。
擦ったり、ぶつけたりしてしまうと傷になるのは当たり前だが、落下といった強い衝撃に対しても弱い。
ご存じのようにベースは様々な木材を組み合わせて構成されている。
万が一、倒してしまったりショックを与えるようなことがあると、へこみやひび割れの原因にもなったりするのだ。
最悪の場合、接着部分に大きな負荷がかかって剥がれてしまうことさえある。
また、湿気から受ける影響も大きな問題になりやすく、演奏をも左右することになので注意しなければならない。
ベースに限ったことではないが”ギターは生きものである”と言われるように、呼吸のように湿気を吸ったり吐いたりしている。
そのため、あまり湿気が多いとネックにソリが出るなどの症状があらわれる。
そればかりではなく、チューニングが狂ったり音色にも微妙な変化が起こったりする。
あなたもこんな経験をお持ちかもしれないが、デリケートであるがためのデメリットであると言えるだろう。
ベースの保管で必ず守ることは?
ケースに入れる
ベースを保管する際にはケースに入れるようにしたい。
これは埃の付着や傷が付いたり破損するのを防ぐために必要と考えておこう。
ケースにはソフトケースやハードケースがあるが、しっかり守るという意味ではハードケースをおすすめしたい。
ソフトケースでもいけないわけではないが、何かあった時のダメージは大きく異なり、衝撃をそのまま受けることになる。
どんなに気を付けていたとしても、うっかりして傷める可能性があるので、十分に注意したいところだ。
何か問題が起こると単純に直れば良いというものでなく、修理にお金がかかったり長期間弾けなくなってしまうので絶対に避けたいところだ。
単純に置くだけならスタンドでも利用できるだろう。しかし見た目のカッコ良さだけで選んでしまうと倒れやすいものもある。
ましてや人が通る近くに置いてあったりすると、ぶつかる可能性がとても高くなる。当然、裸の状態なので傷めるリスクも高い。
これらを考えると、ケースに入れておくのがベストであり最も安心と言える。
立てて保管する
保管する際にはケースに入れておくのが良いことは分かっていただけたと思う。
ではそのケースをどのように置くかが気になるところでもある。
結論からすると立てて置くことが基本になるので、必ず守るようにしてほしい。
ではなぜ立てて置かないといけないのかとなるが、ネックに負荷がかかってしまうと反りの問題が起こりやすいためである。
それを防ぐには保管する際、ヘッドを上にして立てた状態にしておこう。
ただし倒したりしないように置き場所には注意して、心配ならば固定しておくことをおすすめする。
もし縦にして置けない場合には、ケースの取っ手が上になるよう、横にして立てておこう。
しかし、決して平置きにはしないように注意していただきたい。
弦のテンション
賛否両論あって難しいのが弦の状態ではないだろうか。
テンションをかけたベースには約70㎏という力が常にかかっている。
それを考えるとなるべく負荷をかけない方が良いというのが、”弦を緩めておく派”の意見ではないだろうか。
それに対してテンションを掛けたままでも、負荷がかかることを見越して作られているため、変形の心配はいらないというのが”緩めない派”の考え方と言える。
ではどちらが正しいかとなると難しいところだが、緩めておく場合には一定の条件を付けておくのはどうだろうか。
それは毎日弾いているのであればテンションはそのままにしておき、1週間以上使わない時は緩めるといった具合である。
緩めるといっても、ペグを1回転~2回転戻す程度にしておき、反りを監視しよう。
ネックは必ずしも弦を張りっぱなしにしたら順反りになり、緩めておいたら逆反りになとは限らない。
そのため時々は状態を確認しながら、必要に応じて対策をとる必要があるのだ。
もし反りが生じていたらトラスロッドを調整して直すようにするが、慎重におこなわなくてはならないため、自信がない限りショップに相談した方が良いだろう。
環境に注意する
ベースにとって保管環境は直接影響を及ぼすので注意が必要だ。
特に気を付けたいのが直射日光に当てない、高温多湿の場所に置かないことの2つである。
ボディーに紫外線が当たると焼けて変色してしまうことがあるので、絶対に当てないように気を付けたい。
また高温になると、膨張してベースに負担がかかる。そのため閉め切った車の中や暖房機器の熱が直接当たる場所には置かないようにする。
同様に湿気の多い場所での保管も避けたいところだ。
既にお伝えしたようにベースは木製であり呼吸しているため、湿度による影響を受けやすい。
したがって適切な湿度を保ってやらなければいけない。
理想的な湿度は40%~50%とされるが、保管ケースの中に調湿剤を入れて対策すると安定した状態を保つことが可能である。
保管方法がベースの寿命を左右する
愛着のある大切なベースであれば、できるだけ長く使いたいと思っているのではないだろうか。
しかし保管方法が悪いと寿命を短くしてしまうので注意していただきたい。
気を付けないと知らぬ間に傷んでいたり、音がおかしい、あるいは操作性が悪くなるといった異常があらわれる。
もちろん使いっぱなしでその辺に適当に置いていたり、日頃のメインテナンスを怠っていても同じことだ。
完全に使えないとまでいかなくても、部分的な交換が必要になることは決して珍しくはない。
それにすべて自分で対応できるわけでなく、状況次第ではショップでの大掛かりな修理が必要になったりする。
場合によっては新しいベースを買えるくらいの出費になってしまうことさえあるのだ。
それを考えると日頃からの手入れはとても大切であり、同時にしっかりと管理しなければならない。
あなたがベースを大切にする気持ちは、そのままダイレクトに返ってくる。したがってどうしたら良いかを考えて実行するようにしたい。
そうすることでベストな状態が維持でき、今後も長期間に渡って弾き続けることが可能になるのである。
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