日本には素晴らしい四季があり、そのおかげで色んな楽しみがある。
季節ごとの美味しい食べ物、楽しいレジャーやスポーツ、おしゃれなファッションなども季節の恩恵と言える。
これとは反対に煩わしく思えることがあるのも事実だ。
その一つが車のタイヤ交換で、夏用と冬用で履き替えるケースは多いが、あなたは愛車のタイヤをどのように保管されているだろう?
安全を守っている大切なタイヤだけに、管理方法にも気を付けていただきたい。
正しい保管をすべき理由とは?
タイヤを正しく保管しなくてはいけないのには、きちんとした理由がある。
その理由とは”劣化”の問題であり、タイヤの品質や性能を低下させる原因となっているからだ。
劣化といっても様々な要因があり、紫外線や熱、水、さらにはオゾンといったものまでが影響を及ぼしている。
しかし、短期間で大きな変化があるわけではないので、なかなか気付きにくい。
品質の低下したタイヤはひび割れが発生したりして非常に危険であり、いつ走れなくなるか分からない怖さがある。
そのため日頃からチェックをおこない、異常があったら絶対に使用してはならない。
もし気付かずに履いてしまうと最悪の場合、パンクやバーストによって事故につながる可能性が高くなる。
それを避けるためには正しい保管をすることが必要であり、いい加減な管理をしてはいけないのだ。
特に保管期間が長くなるほどはっきりと現れてくるので、しっかりとおこなうようにしたい。
守るべきことをきちんと守れば、タイヤの寿命を延ばすことにもつながる。
難しいとか出来ないというのではなく、少しでも良い状態を維持するように心がけていただきたい。
タイヤの保管環境はとても重要
タイヤの劣化を最小限に抑えて保管するには環境がとても大切になる。
いかに傷めないで良い状態を保つかは、保管する側にとっては最も悩まされる問題ではないだろうか。
そこで大切になるのは直射日光などの光が当たらないところを選ぶことである。
すでにお伝えしたように、タイヤは紫外線や熱といったものに弱い。そのため環境を選ぶ必要がある。
温度や湿度も気になるところだが、雨ざらしになっているなど異常な条件下でない限りは心配いらない。
つまり一般的な気候の下で屋内保管されていれば問題ないと考えて良いだろう。
ということはガレージでの保管であれば、十分に優しい環境ということになる。
新品タイヤの保管可能な期間は?
新品タイヤは何年くらい保管が可能かご存じだろうか?
保管しておくには本来の品質や性能を維持した状態であることが前提で、実際に走行しても問題ないことが要求される。
品質等を無視して単純に保管しておくだけであれば5年以上は可能だろう。
しかし知りたいのは、現実的な数字と理由だ。
スタッドレスタイヤの場合、2シーズン前のタイヤでも同等の性能を保つことが、タイヤ公正取引協議会によって発表されている。
そして夏用タイヤでは、3年間は同等であることがメーカーによって確認済みだ。
ただし、どちらも適正な環境に保管されていた場合という条件が付いている。
つまり保管さえしっかりしていれば製造日からスタッドレスなら2年、夏用タイヤなら3年は保管ができるということになる。
ここで気を付けたいのはあくまで製造日からであり、購入日からではないという点である。もし古いタイヤを買ってしまうもっと
購入の際には必ず製造年月もチェックするように心がけよう。
タイヤを自宅で保管できない場合
タイヤは自宅に保管できればベストだが、アパートやマンションに住んでいるとスペースに余裕がないケースが少なくない。
そこで自宅以外の選択肢として、トランクルームと保管サービスの2つの方法をご紹介しておこう。
トランクルームに保管する
トランクルームを利用する場合は屋内タイプと屋外タイプのどちらでも可能だ。
もし屋外コンテナタイプでもタイヤにとっては十分に優しいと言える。もし湿気が気になるなら、屋内タイプを利用すれば良いだろう。
タイヤの使用環境は実に過酷であり、大きな負担がかかっている。それだけに大事に扱いたいところだ。
夏の暑い季節から真冬の寒い時、日光や雨、雪の中でも関係なく働きつづけているだけに、保管には気を配りたいものである。
タイヤ専用にしても良いが、自宅に置き切れない荷物を一緒に保管すれば一石二鳥と言える。
タイヤ保管サービスを利用する
トランクルームの他にタイヤ保管サービスを利用する方法もある。
タイヤショップ、ディーラー、ガソリンスタンド、カー用品店といったところで受けつけているので問い合わせてみると良いだろう。
もちろん料金はかかるが、タイヤ交換と同時に預けてしまうことが可能となる。保管場所は一般的な倉庫と考えておきたい。
自分で持ち込む必要がなく、手間が省けるので履き替えも楽である。
残念な点として直ぐに作業してもらえない時がある。その理由は、他の業者に保管を依頼していたり、準備に時間が掛かってしまうためだ。
したがって交換したい時や、引き渡してほしい場合には、早めに連絡して予約を済ませておきたい。
保管料金はタイヤサイズによるが、年間で1万円から2万円程度が必要になると考えておこう。
タイヤをトランクルームで保管するメリット
直射日光や湿気から守る
タイヤをトランクルームで保管することには、多くのメリットがある。
まず、直射日光からタイヤを守ることができる。紫外線はゴムを劣化させ、ひび割れの原因となるため、日光を避けることは重要だ。
また、湿度がコントロールされているトランクルームを選べば、湿気からもタイヤを守ることができる。
湿気は金属部分の錆やゴムの劣化を促進させるため、適切な湿度管理は欠かせない。
さらに、トランクルーム内であれば、タイヤの品質を長期間保つことが可能で、寿命を延ばし安全性を維持する有効な方法と言える。
セキュリティ対策で安心
タイヤの保管にトランクルームを利用すると、セキュリティ対策があるため、盗難や破損のリスクを大幅に減らすことができる。
特にに、屋内型のトランクルームには防犯カメラや警備員などのセキュリティシステムが整備されている。
これにより、大切なタイヤを安全に保管することが可能になるのだ。
また、個人のガレージや倉庫に比べて、アクセス制限が厳しいため、第三者が勝手に立ち入る心配も少ないだろう。
さらに、定期的な巡回やモニタリングがおこなわれている施設も多く、安心してタイヤを預けることができる。
タイヤを保管する際の注意点
タイヤはただ置いておけば良いというわけではないので気を付けたい。
どういうことかと言うと何もせずに置いておくと、それだけ傷みやすくなってしまうので、必ず手入れと管理が必要になる。
- 洗ってから保管する
- 湿気をよく取り除く
- ワックスは不要
- 溝の石などを除去
- 空気圧は低目にする
- 積み方に注意する
汚れたタイヤは劣化を早める原因となるので、必ずきれいに洗うことが重要と言える。
特の内側についた汚れはきれいにする機会が少ないので、こびりついていることが多いので、この機会に落としておこう。
汚れが酷い場合はタイヤ専用洗剤を使うが、基本は水洗いでOKだ。ただしきれいにしようと思って強く擦過ぎるとタイヤを傷めてしまうので注意してほしい。
ホイールにも泥だけでなく、油やブレーキダストが付いて相当汚れているはずだ。
クリーナーにも様々なタイプがあるが、傷めないためにも中性のものがおすすめである。
クリーナーが残らないように洗った後は、湿気を良く取って乾燥させてから保管するが、ワックスは劣化やひび割れの原因となるので塗らないようにする。
きれいにしたついでに溝に挟まった石や異物も取り除いてあげたい。
あまり気にしていないかもしれないが、走行中にこれらが飛んで愛車のフェンダーを痛めたり、他車に当たって傷を付けることがある。
普段はなかなか出来ないので、このチャンスを利用して除去しておこう。マイナスドライバーを使えば簡単にできる。
この時にタイヤの状態もチェックすれば、何か異常があっても早めの対応が可能になる。
保管の際にはタイヤカバーやビニール袋などを使って埃から保護してあげよう。
ホイール付きの場合、積み方は横置きが基本になる。理由は縦置きにすると、タイヤの一点だけに負荷がかかってしまうからである。
可能であれば積み替えするのがベストだが、実際にはそこまで神経質にならなくとも大丈夫だ。
空気圧は標準より低めを保ち、半分くらいまで減らして負担を軽減させてあげよう。ただし、くれぐれも全部抜かないように注意してほしい。
タイヤのみの場合は縦積みした方が良いが、ラックがあれば便利と言えそうだ。ない場合でも、段ボールやスノコを敷けばOKだ。
そして、できれば1ヶ月に1回程度はタイヤを回し、接地面を変えてやると変形防止にも効果的である。
また床に直置きはしないで、スノコや段ボールを敷いてあげると傷みも少ない。もちろんタイヤとタイヤの間にも段ボールを敷くのが効果的である。
再び利用する前にやっておくこと
暫く休ませていたタイヤを使い始める際に、必ず次の3点はチェックしたい。
安全のためにもいきなり使い始めるのではなく、きちんと確認して問題ない状態で使うようにする。
- 空気圧と漏れ
- タイヤの劣化状態
- 摩耗状態
使用前には必ず空気圧の調整をしていると思うが、正規の空気圧にするだけでなく、漏れの有無も確認しておこう。
特にバルブ周りはあまり点検しない箇所でもあるので、この機会にやっておきたいものだ。
保管が原因かもしれないので、ヒビ割れや傷、劣化の状態も再点検しておこう。
もし異常を発見した場合、そのままで走行すると非常に危険なので交換することをおすすめする。
摩耗状態もチェックして、スリップサインが出ていた場合も同様で交換が必要にな。
偏摩耗が見られたら足回りに異常があるかもしれないので、整備工場でアライメントの点検を受けるようにしたい。
暫く使っていないと色々と問題が起こるかもしれないが、この機会に普段はできないところまでチェックしておくと安心だ。
めったにないチャンスなので、安全のために是非とも実践していただきたい。
新品タイヤでもチェックは必要!
保管していたタイヤは使う前にチェックする必要がある。
新品タイヤの場合であっても、劣化することがあるのでしっかりと点検をおこないたい。
全体を良く見て、ひび割れがないことを確認しておこう。
大きなひびでなく細かなものが発生していたら、程度を見て判断しよう。深さがなく、表面だけに見られる程度なら使用が可能だ。
しかし深いひび割れがあって判断できない時には、そのまま使用したりせずに販売店に相談してみよう。
場合によっては交換になってしまうが、安全のためと考えていただきたい。
ひびなどの異常がないことが確認できたら装着して慣らし運転をおこなう。
方法は簡単で夏用タイヤは時速80キロ以下で100km、スタッドレスタイヤは時速60キロ以下で200kmほど走行すればOKだ。
こうすることでタイヤそのものが安定して、本来の性能を発揮してくれるのである。
新品のタイヤを保管するには、なるべく製造年月の新しいものを購入して、きちんと管理することがポイントになる。
さらに今履いているタイヤの交換時期を把握しておくことで、買い時なのか、そうでないかの判断もしやすいだろう。
もし、格安で購入できるチャンスがあったら、これらの点をしっかりとチェックしてから決めるようにしていただきたい。
タイヤ保管に関するよくある質問
トランクルームの料金相場は?
タイヤをトランクルームで保管する料金相場は、月額約3,000円から10,000円だ。
これは料金は地域や設備、スペースの大きさで変わるが、都市部では高め、郊外ではリーズナブルなことが多い。
長期契約で割引が適用される施設もあり、例えば半年や1年の契約で料金が安くなるプランが存在する。
また、空調や湿度管理などのオプションが必要となると、料金は割高になるだろう。
タイヤ専用の保管サービスを提供する施設もあり、最適な環境が整っているため料金はやや高めになる。
ただし、オンライン予約やキャンペーンでお得に利用できたりするので、自分に合ったトランクルームを選ぶことが重要だ。
タイヤ保管サービスとの違いは?
トランクルームとタイヤ保管サービスは、どちらもタイヤを保管するための手段だが、その内容や特徴には違いがある。
トランクルームは、個人が自由に使用できるレンタルスペースであり、タイヤ以外の物品も収納可能だ。
自分の都合で出し入れができるため、タイヤ交換のタイミングに合わせて柔軟に対応できる。
一方、タイヤ保管サービスは、専門業者がタイヤを預かり、適切な環境で保管するサービスで、保管から交換まで一括して任せられる。
また、保管場所に困らないだけでなく、重いタイヤを運ぶ手間も省けてしまう。
まとめ
タイヤをトランクルームに保管することで、品質を長期間維持することができる。
それは直射日光や湿度の変化からタイヤを守る環境が整っているからだ。
特に、紫外線はタイヤのゴムを劣化させる原因となるため、日光を避けることは重要である。
また、トランクルームはセキュリティ対策が施されており、盗難や不正な持ち出しの心配も減らせる。
これらはスペースの有効活用につながり、適切な保管方法でタイヤの寿命を延ばし、安全なドライブを楽しめるだろう。
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