補償トラブルになると必ず起こるのが責任問題ではないだろうか。
「あなたが悪い」とか「私は間違っていない」といった言い争いになるケースは多く見られる。
誰もが責任を取りたくないのは当然であり気持ちは良く分かるが、問題解決のためには責任の所在をはっきりさせておくことが避けて通れない。
今は何もないかもしれないが、トラブルはいつ襲ってくるかわからない。
そのため、いざという時にどうすれば良いかを知ることで、正しい対処ができるようにしておきたいものだ。
トランクルームで起こる補償の原因
盗難による被害の発生
チェックが厳しくに2重にロックされていたり、警備会社とも提携している場合には盗難の確率は低いと言えるだろう。
しかし不特定多数の人が敷地内に入れたり、監視が手薄になる施設だと狙われやすくなるかもしれない。
盗難の際の対応については、基本的に自己責任をうたっている業者もいて、その対応にはバラつきがある。
そうかといって大切な荷物を野ざらしにすることを考えると、はるかに安全であり雨風に当たって傷む心配がいらないのも事実だ。
契約の際には万が一の時にどんな補償がされるのか、しっかりと確認しておく必要があるだろう。
火災で荷物が焼失する
トランクルームでもアパートやマンションと同様に建物の火災による被害を受ける可能性が考えられる。
施設から出火する場合もあるが、もらい火により焼失する可能性もゼロではない。
特に利用者が保管しているものの中に、火災につながるものが混ざっていたりすると大変危険である。
たとえあなたが気を付けていても、他人のミスによって火災になるケースもあるからだ。
自然災害による被害
自然災害には地震や洪水、豪雪、防風といったものがあげられる。
たとえば地震の場合、少しの揺れならば問題ないだろうが、大きな揺れが発生すると荷物がくずれたり、建物自体が倒壊することもある。
これによって傷んでしまい、使えなくなることも考えられる。
また毎年のようにニュースになる洪水や豪雪などの被害を受けないとも限らない。
もちろんトランクルーム会社としても場所を選び、基礎もしっかりしているだろうが、自然災害を完全に防ぐのは困難である。
つまり、予期せぬ被害を受ける可能性がないとは言い切れないのが現状だ。
他の利用者から損害を受ける
トランクルームは不特定の人に利用されているため、保管された荷物が何であるか分からないことがほどんどだ。
報告の義務もないので、中には業者が禁止したものが紛れ込んでいる可能性もある。
これが原因で被害を受けることもあり得るのだ。
例えば、異臭の発生によって臭いが付く、あるいは何らかの液体が漏れて荷物が汚れるなど、他の利用者から被害を受けることも考えられる。
意図的におこなうとは考えにくいが、もしかしたら保管されているかもしれない。そのため自分では気を付けていても防ぎようがない場合もあることを覚えておこう。
その他の原因によるもの
その他には腐食や錆といった時間の経過と共に起こる問題もある。
いくら室内保管されていても自然現象を止めるのはほぼ不可能なので、絶対でないことを理解しておくのは大切なことだ。
利用者の立場からすると、”お金を払っているんだから”という想いがあるかもしれない。
しかしトランクルーム会社にもできないことはあるので、完璧を求め過ぎないようにしよう。
補償の有無と対象になる荷物とは?
補償が受けられるケース
基本的に火災や盗難といった被害に対しては補償されるものの、あなたに過失がなかった場合に限られるようである。
例えば発火する恐れのあるものを保管していたり、うっかり鍵をかけ忘れた場合などは対象外となってしまうので注意したい。
明らかに業者側に責任があると認められた場合に限って適用されるので、何でも補償されると考えるのは間違いだ。
補償してくれる金額だが、法的な考慮がされているなど上限を設定していることが多いため、契約の際によく確認しておこう。
また、必ずしも全額受け取れるとは限らず、最悪の場合には一銭も受け取れないこともあるので注意したい。
補償される範囲についてもトランクルーム会社によって異なる。そのため、問い合わせてチェックしておくと良いだろう。
補償の対象外となる荷物
反対に補償されないものは意外と多く、保管を禁止しているものは適用外になると考えておこう。
禁止されているものを例としてあげておくが、業者によって違いがあるので契約前にきちんと確認したい。
これらを除いた範囲にとどめておけば、問題は起こらないだろう。
禁止物 |
|
金銭類 |
現金、貴金属、有価証券、小切手、預貯金通帳など |
古美術品 |
絵画、骨董品、書画、武具、金属・木工芸品など |
乗り物 |
ヨット、ボート、自動車、バイク(例外あり)など |
可燃物 | 灯油、ガソリン、シンナー、塗料、ガスなど |
危険物 |
刀剣、銃器、毒物、劇物、化学物質など |
その他 | 動植物、食品、汚染物、腐敗物、廃棄物、遺骨など |
保険に加入するという選択肢もある
保管するものを選ぶことはとても大切なので慎重に進めたい。そして問題が起きても心配いらないようにしておきたいものだ。
もちろん完璧な選択をしておけば、あなたに過失はないので確実に補償を受ける事ができる。
たったこれだけのことだが現実は厳しく、あなたに落ち度があると自己負担になるので無駄な出費がかさんでしまう。
その対策としてどうするかと言えば個人で保険へ加入することだ。
ただし、それだけの価値があると考えている場合の話であり、そうでないと思うのであれば利用する必要はない。
トランクルーム会社でも保険に加入していることが多いが、すべてではないので必ず確認をすべきである。会社によっては、保険会社ではなくオリジナルの補償制度を設けているところも見られる。
また、荷物の価格(価値)を申告しておき、もしも保険で賄えない場合には追加で加入をするようになるが、保険料を負担しなければいけない。
あなたの荷物を保険で補うと考えた時に、十分な補償が受けられるかどうかは非常に重要である。
もし不十分と思われるのであれば、自分で加入することも考えなくてはいけない。
どうしても不安で自分でも保険を掛けておきたいというのであれば、保険会社に詳細を問い合わせてほしい。
その際にトランクルームで保管することや契約の内容も必ず伝えるようにする。そして適用されるのを前提に見積りをしてもらうようにする。
見積もりが出て納得してから加入すれば良いので、焦らずにじっくり考えてみてほしい。
トランクルーム会社による補償があると確かに安心だが、利用者としてあなたにもできることがあるのではないだろうか。
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