車を長期保管することは可能か?再び乗れる状態を保つ対策・方法とは?

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大切にしている車はいつまでも乗り続けたいものである。

しかし何らかの理由でそれができなくなったら、あなたはどうするだろうか?

どうしても手放したくないのであれば、長期保管することを考えると思うが、問題は保管方法である。

そこで車の長期保管は可能なのか、そして何をどうすれば良いのかを一緒に考えてみたい。

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車を長期保管することは可能か?

車を長期間に渡って保管することは可能なのだろう?

結論からすれば”可能”と言える。

ただし長期保管となるとそう簡単ではなく、いくつもの条件をクリアして初めてできることなのだ。

本来、車は乗って動かすことを前提に設計されている。

つまりエンジンをかけて道路を走行しているのが正常であり、コレクションのように飾っておくことを目的に作られていない。

そのため、動かさないことで得られるメリットは少ないのが現実だ。

乗ってさえいれば正常に機能するはずの部品も、動かさないでおいたのでは固着したり錆びつくことがある。

また、ずっと同じ状態で置くと1ヶ所だけに負荷が集中したり、傷んでしまう可能性も考えられる。

これらの問題を解決すれば、長期保管はできると判断しても良いだろう。

反対にできないのであれば、修理することを前提に考えておくか、残念でも手放す判断をしなければならなくなる。

そんなことがないように、何をすべきかを次の項でご紹介するので参考にしていただきたい。

ダメージから守るためにすること

ガソリン

ガソリンは1年程度であれば満タンにして変質防止の添加剤を使用することで品質の維持が期待できる。

もし2年、3年とまったく走らないのならば全部抜いておくのが無難と言えるだろう。

ガソリンは変質してしまうと燃料系統、特にインジェクションに悪影響を与える可能性が高い。

変な臭いがするだけでなく、ドロドロになって詰まらせるので、エンジンが始動しないといった症状が発生する。

最悪の場合、関係する部品をそっくり交換といったことになりかねないのだ。

そうならないためには”腐る”前に抜き取るか、使い切ってしまうしか方法はない。

なお添加剤を入れた場合には、しばらくエンジンをかけたままの状態にして、燃料ラインの中までまわしておくことがポイントである。

タイヤ

タイヤは動かさないでおくと変形してしまうことがある。

同じ場所が接地していることで、フラットスポットと呼ばれる平らな面ができてしまう。

特に空気圧が低くてつぶれた状態になっていると、なり易いので注意が必要だ。

保管して置く際にはエアー漏れがないことをチェックして、空気圧は規定値の10%増を限度に入れておこう。

それでも不安な場合にはタイヤを浮かせた状態で、ジャッキスタンドをかけて置けば良い。

こうしておけば仮に空気が抜けてもタイヤがつぶれる心配がなくなる。

特に古いタイヤでは保管中に空気が抜けてしまうことも考えられるので、効果的な方法と言えそうだ。

保管前にはきれいに洗って泥などの汚れを落としておくが、タイヤワックスやクリーナーといったものは、劣化の原因になるので使用を控える。

乗り出す際には亀裂や劣化の有無をチェックして、問題があったら必ず新しいものに交換しよう。

そうでないと走行中にパンクしたりするかもしれないので非常に危険である。

バッテリー

バッテリーは乗らないでいると確実に上がってしまうものだ。

それは保管状態であっても電気を消費していたり、自己放電が必ず起こるからだ。

したがって長期保管の時は取り外しておくのが良いだろう。

取り外すのが大変な時はマイナス端子を外しておくだけでもOKである。外した後は絶縁テープ(ビニールテープ)を巻いておくと安心できる。

また、バッテリーはそのままにしておくと徐々に弱くなってしまうので、定期的に充電をしておきたい。

目安としては1ヶ月に1程度と考えておき、できればテスターで電圧を測って12.5V未満だったら充電をおこなう。

常に良好な状態を維持しておければ、乗り出しの際にもすぐに使えて手間もかからない。

もし充電しても電圧が上がらないバッテリーの場合には、新しいものと交換することをおすすめする。

充電器は過充電防止の充電器を使えばバッテリーを傷める心配がいらないので便利だ。

エンジン

エンジンは時々かけた方が、良い状態を保つために好ましいと言える。

細部にまでしっかりとオイルをまわして皮膜をつくっておくことでダメージを与えずに済むからだ。

そうしないとオイルが完全に下がってしまい、金属同士が直接擦れてしまう。

これを”ドライスタート”と呼んでおり、長期保管後のエンジンスタートの際に傷を付ける原因になっている。

一度でもやってしまうと、仮にエンジンがかかったとしても、不調になったり最悪の場合には焼き付いて不動になってしまうこともある。

エンジンオイルも時間とともに酸化して、本来の性能を発揮できなくなる。

そのため、保管前には新しいオイルに交換しておき、再び乗り出す際にも新しいものにするのがベストだ。

ブレーキ

長い間動かさないでいるとブレーキも固着することがある。

特ににサイドブレーキをかけたままにしておくと、戻らなくなるトラブルが発生しやすい。

すると走行しようにもできないといった事態になるので、必ず戻した状態で保管しておくようにする。

保管中は動かないように平らな場所に駐車スペースを確保することも大事だ。

どうしても不安定な場所に駐車しなければならない時には、タイヤに輪止めをすれば動き出すのを防ぐことができる。

輪止めは必ずタイヤの前後にセットで使うようにする。1つだけだと動く可能性があり危険である。

内装

乗らない期間が長いと、車の中は換気ができない状態になっている。

日本は海外と比較しても湿度が高いので、車内に湿気がこもりやすくなりカビや臭いの原因になってしまう。

普段から乗っていれば、自然と換気ができてしまうので問題がないが、ずっと閉め切りの状態ではそうはいかない。

そこで役に立つのが除湿剤や消臭剤を使うことだ。

定期的に交換は必要になるが、これらを使っておくことで社内にカビが生えたり、悪臭が発生するのを防止できる。

消臭剤には消臭成分が車内に広がるタイプと臭いを吸収するタイプがあるが、乗用車のような閉め切った空間では、臭いを吸収するタイプがおすすめだ。

また、カビは人間の皮脂や埃と言ったものも餌にしてしまうほど食欲旺盛である。

そのため、シートやフロアがあまりにも汚れている場合には、保管前にクリーニングした方が良いだろう。

外装

保管前には車をきれいに洗っておくようにすべきである。

汚れたままの状態では塗装が部品が傷むので、細かいところまでしっかりと手入れをおこないチェックしておきたい。

水洗いだけで落ちる汚れの場合はそれでもかまわないが、油などのしつこい汚れはシャンプーを使って洗おう。

そして洗浄成分が残らないようにしっかりと洗い流しておくことが大切だ。

もし中途半端におこなうと塗装や部品の劣化につながるので注意していただきたい。

洗車後は、ワックスをかけて仕上げてあげよう。予算があるのなら長期間効果を発揮するコーティングも良いだろう。

何もしない塗装面とワックスやコーティングを施した塗装面では、保管後の状態が明らかに違うはずだ。

ただし注意点として、コーティングした場合にボディカバーを使うと、擦れて傷が目立つことがある。

このためコーティング後のボディカバーの使用は控えた方が無難と言える。

保管環境

車を傷めないためには、ガレージで保管することがとても大切と言える。

その理由は説明しなくてもお分かりのように、気候など影響による傷みが少ないためである。

あなたも聞いたことがあるかと思うが、納屋の中で何十年も昔の車が見つかることは珍しくない。

では何故、何十年も経っているのに比較的良好な状態だったのかというと、それは雨風をしのげる環境にあったからに他ならない。

車のコンディションはこの環境があるのとないのでは雲泥の差があり、保管期間が長くなるほど大きな違いとなって現れる。

屋外で保管するならボディカバーをかけておけば、”車を守る”という面では効果を発揮してくれるだろう。

しかし湿気がこもってカバーとボディーの間に水分が溜まったりして、塗装にダメージを与えることもあり得るのだ。

そういう点からも、理想的にはガレージ保管がベストであり、屋外保管はできる限り避けるべきである。

長期保管する価値があるか考える

長期間走らせずに置いておくことは、特別なコレクションでない限り、あまり好ましくないと言える。

繰り返しになるが、車は走らせることを前提に作られている。

したがって動かさないままにしておくと、様々な箇所に問題が発生する可能性がある。それを防ぐためには、今までご紹介したことを実行するしかないのだ。

では、そこまでして長期保管をする価値があるのだろうか?

保管する前に、もう一度考えてみていただきたいのである。

手間とお金をかけて保管しても、いざとなったら興味が半減してしまったり、面倒になってしまうようでは勿体ない。

さらにきちんと保管できていたとしても、乗り出すには細かなところで調整や修理が必要になることが多い。

当然それなりの出費も覚悟しておいた方が良いだろう。

それでも本気で乗りたいと思うのであれば大切に保管して、再び乗れる日まで良いコンディションを保ってほしい。

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