りんごは美味しいだけでなく、多くの栄養素が含まれており健康にも良い果物である。
それだけにイギリスのことわざでは”1日1個のりんごを食べると医者にかからなくて済む”とさえ言われている。
りんごの最大の魅力は何と言っても食感や味だが、上手に保存しないとこれらが失われてしまったりする。
そこで美味しく食べるための保存方法や、新鮮さを保つにはどうしたら良いか、さらには美味しいりんごの見分け方までをご紹介していこう。
最後までお読みになって役立てていただきたい。
りんごの美味しさが失われる理由
せっかくの美味しいりんごも、時間と共に食感が変わったり、酸味が抜けると美味しさが失われてしまう。
では何故そうなってしまうのだろうか?
りんごは収穫された後も生きている状態であり、日々変化していると考えた方が良いだろう。
そのため時間の経過と共にさらに熟成が進むことで柔らかくなったり、張りがなくなってボソボソした状態になってしまう。
聞かれたことがあるかもしれないが、これがいわゆる”ボケりんご”のことである。
また、蜜が入っているリンゴの場合には、糖分がエネルギーとして消化されてしまい、徐々に少なくなるのだ。
品種によっても差があるものの、これらの現象はりんごが生きている限り止めることができない。
そこで買う時には、比較的長持ちするとされる晩生種(収穫時期が遅い品種)を選ぶようにする。
具体的にはふじ、王林(おうりん)、シナノゴールド、春明(しゅんめい)21といった品種がおすすめだ。
これらのリンゴは10月下旬~11月上旬にかけて収穫されるので、タイミングを合わせて買うのも良いだろう。
保存する上で気を付ける点とは?
りんごは比較的日持ちする果物とはいえ、保存する上で気を付けなければならない点があるので覚えておこう。
基本的に温度の低いところの方が長持ちするため、暖かい室内での保存は適していない。
通常であれば、1個ずつ新聞紙に包んで涼しい場所に置くことで、1ヶ月程度は保存ができる。
冷蔵庫(野菜室)で保存する
暖房が入って暖かくなっていると傷みやすくなってしまうため、冷蔵庫の野菜室に入れておくことをおすすめする。
この時、新聞紙で包んでからポリ袋にも入れておこう。
乾燥を防げるだけでなく、りんごから出るエチレンガスが他の果物を熟成させて傷むのを防ぐことができる。
この状態にしておけば1ヶ月~2ヶ月程度は保存可能だろう。
冷蔵庫(冷凍室)で保存する
りんごの保存環境としては涼しい場所が良いとお伝えしたが、冷凍保存は向いていないと言える。
冷凍保存してしまうと、解凍しても本来の食感がなくなるためシャキシャキとしたりんごが食べたいのであればおすすめできない。
しかし、料理に使ったりジャムを作るなど調理するのであれば食べられるのである。
もし生で食べたければ予めカットした状態で冷凍しておけば、シャーベットのような食感が楽しむことができる。
少し薄めに切っておけば食べやすいだろうし、皮が気になるようであれば最初に剥いておけば良いだろう。
作り方は簡単で、カットしたりんごをラップに包むか、チャック付きのポリ袋にいれて凍らせるだけだ。
この状態ならば1ヶ月ほどの保存が可能である。
乾燥させて保存する
生や冷凍以外でもドライフルーツのように干して保存する方法もある。
こうすることでまた違った食感と味を楽しむことが可能だ。作り方はいたって簡単なのでご紹介しておこう。
- りんごをきれいに洗う
- 皮付きで5㎜程度の厚さに切る
- 芯を取り除く
- 塩水か砂糖水、またはレモン汁にくぐらせる
- キッチンペーパーで水分を取る
- 日当たり、風通しの良い場所を探す
- 網などに並べて天日干しする
- 干す時間は午前10時~午後3時くらい
- 数日繰り返して両面を乾燥させる
カットした際に変色を押さえる目的で付ける塩水や砂糖水は、塩気や甘さが残ることがあるので好みで選ぶのが良いだろう。
硬さも2日~3日程度の乾燥なら柔らかめ、1週間なら硬く仕上がるので様子を見ながら調整する。
柔らかめに仕上げるとあまり日持ちしないため1週間程度、良く乾燥させると1ヶ月ほどの保存が可能だ。
天日干しが難しい場合にはオーブンで代用することもできる。
オーブン皿に並べて120℃で1時間ほど加熱すれば、しっとりした感じに仕上がる。カリカリに仕上げたい場合は、焦がさないように10分位ずつ延長して乾燥させよう。
電子レンジで作る場合は、500Wで3分加熱したら裏返してさらに1分おこなう。あとは様子を見ながら延長して、好みの硬さに仕上げよう。
一度にやり過ぎるのは禁物なので、徐々に硬くしていくのがポイントである。
美味しいりんごの見分け方
りんごにも美味しいりんごとあまり美味しくないものがあるので、見分けるコツを覚えておこう。
まず、色つやが良くて張りがあることが絶対条件になる。
品種にもよるがしっかりと赤く色がついている、そして張りがあるりんごは、味が濃くてみずみずしい証拠と言える。
反対に色づきが悪く、しわがあるものは甘味が少なかったり、水分が抜けてしまい歯ごたえがなく、ボソボソした感じになっていることが多い。
そしてツル(ヘタ)がしっかりしていて折れないものが新鮮である。
また、頭の部分に”いぼり”と呼ばれるボコボコがあると、良く熟してしていて美味しいことが分かる。
大きさは中程度のもので重量感のあるものが理想的で、ただ大きければ良いというわけではないので気を付けよう。
良く熟していると、りんご特有の甘い香りが強くなり蜜が入っている可能性が高くなる。
- 色つやが良く張りがある
- しっかりと赤く色づいている
- ツル(ヘタ)が折れない
- いぼりがある
- 中程度の大きさで重量感がある
- りんご特有の香りがある
余ったりんごのおすすめの食べ方
りんごは時間と共に美味しさが逃げてしまうので早めにいただきたい。
傷んでしまって捨てるのはもったいないので、使い方や食べ方を工夫してみよう。お菓子を作ったりカレーなどの料理に入れても美味しくいただける。
ご参考までに、簡単に作れるメニューをいくつかご紹介しておこう。
・りんご:1個
・砂糖:40g
・レモン汁:小さじ2
★作り方
・りんごを8等分して皮と芯をとる
・鍋に全部の材料を入れる
・ひたひたになるまで水を加える
・弱火で透き通るまで20分~30分煮て完成
・りんご:2個
・砂糖:りんごの30%
・レモン汁:大さじ1
★作り方
・1個は皮をむいてすり下ろす
・もう1個は細かく刻んでおく
・全部の材料を混ぜて鍋に入れる
・最初は中火で沸騰したら弱火にする
・とろとろの状態になったら火を止める
・完全に冷えたら容器に入れて完成
・りんご:1/2個
・ホットケーキミックス:200g
・バター:50g
・卵:2個
★作り方
・りんごは好みでスライスか細かく切る
・電子レンジか湯せんでバターを溶かす
・全部の材料をよく混ぜる
・パウンドケーキ型に流し込む
・170℃のオーブンで30分~40分焼き完成
・りんご:1/2個
・ジャガイモ:3個
・きゅうり:1本
・マヨネーズ:45g
・塩:少々
・砂糖、コショウ:お好みで
★作り方
・りんごは皮をむき食べ易い大きさに切る
・切ったら塩水にくぐらせておく
・ジャガイモは皮をむいて茹でる
・茹でたら水気を切っておく
・きゅうりは薄く切って塩をまぶしておく
・ジャガイモをつぶして他の材料と混ぜる
・マヨネーズを入れたら味をととのえる
・お皿に盛りつけて完成
・りんご:1個
・薄力粉:大さじ1
・卵黄:2個分
・砂糖:35g
・バター:20g
・牛乳:200㎖
・バニラエッセンス:少々
★作り方
・リンゴは皮をむきくし形にスライスする
・しんなりするまでバターで炒める
・カスタードクリームを作る
・鍋に薄力粉、卵黄、砂糖、牛乳を入れる
・そこにバニラエッセンスも加える
・弱火でよくかき混ぜ火が通ればOK
・耐熱皿にりんごを入れる
・上からカスタードクリームをかける
・230℃~250℃のオーブンで焼く
・焦げ目がが付いたら完成
これらの他にも、工夫次第で色んな楽しみ方ができるのでトライしてほしい。
りんごを美味しく食べるには、正しい保存の仕方を知っておくだだけでなく、実行することが重要になる。
決して難しいことではないので、是非とも参考にしていただきたい。
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