野菜は毎日の食事で欠かすことができない食材の一つと言える。
しかし、傷みやすくて日持ちのしないものが多いので、保存に苦労されていることもあるだろう。
ではどうすれば野菜を長持ちさせられるかとなるが、それにはまず正しい保存方法を知っておく必要がある。
そこで今回は野菜の保存方法の基本から、注意点までをご紹介していくので参考にしていただきたい。
野菜が腐ったりしなびてしまうのは何故?
あなたは野菜がどうして腐ってしまうのかご存じだろうか?
それはタンパク質などの有機物が微生物によって分解されるからであるが、それにはある条件が必要になってくる。
それが温度や湿度、あるいは酸素濃度といったものであり、野菜の保存状態と深くかかわっているのだ。
では、しなびて(しおれて)しまうのは何故だろうか?
これはご存じのように水分が少なくなってしまうためである。
こういった理由を知っておくことで、どのように保存すれば野菜が日持ちしてくれるかのヒントになる。
それを上手にコントロールできれば、野菜の寿命も変わってくるのだ。
腐るのが当たり前、しなびるのが当たり前と思ってしまいがちだが、管理しだいで長持ちさせることが可能になる。
そのためにはどうすれば良いかお伝えしていきたい。
野菜を長持ちせさせるポイントとは?
水分をコントロールする
野菜には大量の水分が含まれており、鮮度への影響が大きいと言える。
水分が失われると張りがなくなり、みずみずしさが失われてしまうのだ。
これを完全に防ぐことはとても難しいが、水分の減少を遅らせることは可能である。
特にレタスやキャベツなどを生で食べたりする場合は、シャキシャキした食感がなくなると美味しさに欠けてしまう。
それをコントロールするには、野菜の呼吸を止めるのが最も効果的である。野菜は収穫後も呼吸をしており、栄養分の分解と水分の減少が続いている。
これに対処するには冷蔵庫に入れるのが最適な方法であり、温度や酸素濃度が低い環境に置くことでしなびるのを遅らせるのだ。
さらにチャック付きのポリ袋に入れるなどして、個別に包装しておくとより効果的である。
保存に適した環境を選ぶ
野菜の種類によって保存に適した環境が異なっているので注意しよう。
誤解しないでいただきたいのだが、すべての野菜を冷蔵庫に入れる必要があるわけではないので、その分け方を覚えておくのが便利である。
まず、野菜の種類によって常温が適したものと冷蔵が適したものがあるので覚えておこう。
ちなみに常温とはJIS規格で5℃~35℃と定められており、かなりの温度差があるが、ここでは風通しのよい室内と考えておこう。
まずは冷蔵庫に入れないことを前提にご紹介していきたい。
その代表的なものが根菜類と呼ばれる土の中で成長する野菜で、これらには常温保存できるものが多い。
- 土物類 : ジャガイモ、さつまいも、里芋、玉ねぎ
- 根菜類 : ニンジン、ゴボウ、しょうが
- 果菜類 : かぼちゃ
その他の野菜は、基本的に冷蔵保存が必要と思っておいて良いだろう。
冷蔵庫に入れるといっても野菜室と冷蔵室があり、使い分けることで鮮度を保つことができるのだ。
- 冷蔵室 : 大根、キャベツ、白菜、ホウレンソウ
- 野菜室 : ナス、きゅうり、トマト、ピーマン、レタス、レンコン
種類によって保存の仕方が異なる
保存方法は野菜の種類によって最適な方法があるのでご紹介していこう。
きちんと分類して正しい保存をすれば、長持ちしてくれるので参考にしていただきたい。
根菜類
大根、ニンジン、ゴボウといった根菜類は余分な葉を根本から切り取って、新聞紙やキッチンペーパーに包んで立てて保存しておくのが効果的である。
大きな大根は2つに切ると入れやすいが、カットしたら紙で包むだけだなく必ずポリ袋に入れておこう。
こうしておけば1週間~2週間程度は鮮度を維持できるので、その間に食べ切るようにしたい。
レンコンなどのカットした野菜も紙で包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しておく。
土物類
ジャガイモ、さつまいも、里芋の場合には土が付いたままでも問題ないので、無理に洗い流す必要はない。
キッチンペーパーや新聞紙に包んでから、風通しの良い場所で常温保存すればOKである。
玉ねぎも同様に紙に包んでから保存しておこう。この状態で1ヶ月~2ヶ月の保存ができる。
キノコ類
キノコ類は洗わないで保存することがポイントで、洗ってしまうと風味が損なわれて美味しさが逃げてしまう。
もし汚れが気になるようなら、キッチンペーパーで拭き取るだけにしておこう。
なめこのようなヌメリのあるものは、軽く水洗いするだけで十分だ。
包装パックから取り出し、石づきはそのままでキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存しておけば良いだろう。
おおよそ1週間程度の保存が可能である。
豆類
いんげんやグリーンピースなどの豆類は、そのままにしておくとしなびてしまい、長期保存には向いていない。
そのため、ポリ袋に入れてから冷蔵庫で保存するようにするが、3日~4日で食べ切るようにしたい。
もし残ってしまった場合には、塩を入れて固ゆでしてから水分をしっかり切り、保存袋に入れて冷凍保存しておくのがおすすめである。
生のまま冷凍してしまうと、歯ごたえだけでなく美味しさまでなくなってしまうので注意したい。
葉菜類
レタスやキャベツ、ブロッコリーなどの葉菜類は冷蔵保存するのが基本だ。
レタス、ブロッコリー、カリフラワーは野菜室、キャベツ、白菜、ホウレンソウは冷蔵室と覚えておこう。保存の際には新聞紙やキッチンペーパーで包んでおくと長持ちする。
ただ、生野菜なので1週間~2週間のうちに食べ切るようにしたい。特ににレタスは傷みやすいので、早めに食べてしまおう。
カリフラワーやブロッコリーは余ったら、軽く塩ゆでしてから冷凍しておくと、1ヶ月程度は保存が可能になる。
果菜類
果菜類にはカボチャやキュウリ、トマト、ナス、ピーマン、オクラなどがある。
常温でも保存できるのはカボチャくらいであり、その他の野菜は野菜室での冷蔵保存が必要になる。
ただし、かぼちゃもカットして残った場合には傷みやすくなるので、冷蔵庫に入れておくのが良い。その際、種やワタは取り除いておこう。
また、個別にキッチンペーパーや新聞紙で包んでおく方が長持ちするので、長期になりそうな場合にはやってみよう。
しかし、すべてを包装するのは手間も大変になるので、なるべく残さない使い方をすることが大切だ。
野菜をムダにしない使い方と買い方
せっかく買った野菜をムダにしたいためには何をすれば良いのだろうか?
まずムダになってしまう原因が何であるかを考えてみよう。
傷んでしまい処分する羽目になるのは”余っている”からに他ならない。つまり使い切れないほど買ってしまっている証拠でもある。
こんなことのないようにするには、なるべく必要なだけ買うようにすることが重要である。
そのためには買い物の前に、メニューや食べ方を考えてシミュレーションしておいた方が良いだろう。
もちろん、おおよその使う量も計算しておけばそれに越したことはない。少し面倒に思えるかもしれないが、ムダをなくすためには必要だ。
それでも余った場合のために、残った野菜で作れる料理のレパートリーを増やしておきたい。
たとえばスープにしたり、煮物や炒め物もできるだろう。余った食材を組み合わせて、一気に片付けてしまおう。
毎回同じだと飽きるかもしれないが、コンソメ味やしょう油味、ガーリック味など味付けを工夫すれば美味しく食べられるはずだ。
野菜は新鮮なうちに食べるのがベストだが、それにはある程度の手間を掛けることは必要不可欠である。
この機会にもう一度、自宅にある野菜をチェックして、正しい方法で保存するようにしてはいかがだろうか。
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