トランペットは独特の音色が魅力で、あなたもそれに魅せられた一人のはずだ。
クラシック、ジャズ、そしてポップスなどジャンルを超えて演奏されているのも特徴の一つと言える。
そんなトランペットを正しく保管できているだろうか?
今回は大切なトランペットを維持していく上での注意点や、メインテナンスの仕方についてお伝えしていきたい。
トランペットの手入れが大切な理由
トランペットの演奏で気になるのはやはり”音”ではないだろうか?
本来ならトランペットから出る音は安定しており、いつでも同じであるはずだ。
しかし手入れや扱いが悪かったりすると、音が出ないといったトラブルになることもある。
そのため日頃から汚れや水分を取り除いておくだけでなく、オイルの塗布やグリスアップといったメインテナンスが必要になる。
うっかり怠ってしまうと、演奏に最適な状態を維持することは不可能である。
ご存じの通り、トランペットは多くの部品によって構成されており、一つひとつが重要な役割を担っている。
そのため一つでも機能しなかったり不具合があると、音そのものを変えてしまうことになりかねないのだ。
また、きちんと手入れをしないと音だけでなく外観も傷めることになる。
演奏する時は基本的に素手で触るため、どうしても汗や皮脂がついてしまい、そのままにしておくと汚れが落ちにくくなってしまう。
特にシルバーのトランペットは酸化しやすく、乱暴にあつかうとメッキが傷むので気を付けたい。
そこで演奏した後には、柔らかいクロスを使ってきれいに拭いておく習慣をつけておきたいものである。
演奏後の手入れと定期的な手入れは?
演奏後の手入れ
演奏後におこなう手入れはとても重要である。
その一つにマウスピースの洗浄がある。
面倒と思わず演奏後には必ず実施する。ブラシや専用洗剤、クリーナーを使ってきれいにして、清潔に保つようにしたい。
内部は水洗いをしてブラシを使い汚れを落とす。そして、水分を拭き取ったらマウスピーススワブを通して仕上げる。
外側はクリーナーを吹き付けてから、乾いた柔らかい布で拭き取るだけでOKだ。
演奏後は抜差管をていねいに静かに抜いてから、しっかりと水分を取り除いてあげよう。水分が残っていると腐食の原因になる。
トランペットの表面は柔らかいクロスで拭き取りをおこない、汚れを取り除いておくように心がける。
定期的な手入れ
トランペットは定期的に細部まで手入れをおこなうようにしたい。
少なくとも1ヶ月に1回は実施して、良いコンディションを保っていただきたいところだ。
まずバルブケーシング内部とピストンの汚れを取り除いてあげよう。
やり方は簡単で、クリーニングロッドにガーゼを巻いて拭き取るだけである。この時、ピストンもきれいにしておく。
きれいになったらピストンをバルブケーシングに組み込み、バルブオイルを2滴~3滴注油しておく。
その際、ピストンを数回ゆっくりと上下させ、オイルを全体に馴染ませておくと良いだろう。
また、主観抜差管、第2抜差管は1週間に1回程度、グリスの塗布をおこなってスムーズな動きを維持しておきたい。
塗布前にはガーゼで内部をきれいにしておき、塗布後は数回動かして馴染ませることが必要だ。
同様に第1抜差や第3抜差にも1週間に1回程度オイルを塗り、全体に行き渡るように必ず数回動かしておく。
収納前にやること&正しい保管方法
保管する前にはやるべきことがあるので必ず実施していただきたい。
その一つがトランペットの洗浄とメインテナンスをすることである。
トランペットを洗うの?と思われるかもしれないが、少なくとも半年の1回程度は実施したい。
特に長期保管になる場合には、本来の音や動きといったコンディションを保っておくことが必要になる。
そうないっても初心者にはハードルが高いので、プロに依頼した方が無難であり安心していられるだろう。
長年演奏していれば、構造や注意すべき点が分かっているのでトライしても良いだろうが、最悪の場合には音が出なくなってしまう可能性もある。
そのため、どうしても自分でやってみたいのであれば、プロの指導の下で実施しよう。
きれいになったらグリスアップと注油を忘れずにおこなってほしい。
保管する際にはそのままではなくケースに入れてから、高温多湿に場所を避けて置いておくことが大切だ。
この時に湿度調整剤を使うのが効果的である。管楽器専用のものが販売されているので、ケースにいれておきたい。
ただし有効期限があるので定期的にチェックして、必要に応じて交換する。
また、直射日光のあたる場所も絶対に避けなければならない。したがって、車の中とか窓の近くに置くなどもっての他である。
トランペットの保管には環境も大切
良い状態でトランペットを長期保管しようと思ったら、環境はとても大切になる。
すでにお伝えした通りで、温度や湿気、直射日光などが傷みの原因になるからである。
しかし環境を無視して保管すると、カビの発生や故障といったことが起こるばかりでなく、使えなくなってしまうことさえあるのだ。
もちろん必ずしもそうなるとは限らないが、確率が高いのは間違いない。
では防ぐためにできることは何か?
それは環境を選ぶことであり整えてやることである。
つまりどこに置いても良いというわけではなく、なるべく安定した環境、たとえば空調が完備されたトランクルームなどが好ましいと言えそうだ。
自宅であれば悪影響を与えないように、換気や湿気に注意して空気を入れ替えたり、除湿剤で湿気を取ったりするのも有効であろう。
短期間であればこまめにメインテナンスもできるが、長期となるとなかなかそうもいかなかったりする。
そうなるとなおさら保管環境が重要になり、それを用意するのはあなたである。
ここでもう一度見直して、よりトランペットに優しい状態で保管するよう心掛けていただきたい。
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