エタノールは別名エチルアルコールと呼ばれているが、ほとんどの家に置いてあるほど一般的なものだ。
あなたの自宅にあるかもしれないが、保管はどのようにされているだろうか?
揮発性があるなどの特徴を持っており、誤った管理方法は危険を招くことにもなりかねない。
そこで、正しい方法で安全に保管するにはどうすべきか、ご紹介していきたい。
エタノールには様々な使い方がある
エタノールにもいくつも種類があり、色んな使い方がされている。
身近なところで思う浮かぶのが無水エタノールや消毒用エタノールではないだろうか?
無水エタノールは、99.5vol%以上の高い純度のものである。
このvol%(ボリュームパーセント)というのは、エタノールが含まれている割合を体積で表しており、100㎖中にエタノールが99.5㎖以上含まれているという意味である。
純度が高いため早く蒸発する特性を活かし、布に含ませたり直接スプレーして掃除に利用されることが多い。
部屋の掃除だけでなく、テレビのリモコンやパソコンのキーボードなどの汚れ落としにも効果を発揮してくれる。
一方の消毒用エタノールは76.9vol%~81.4vol%とエタノールの含有量が少なくなる。
これによって蒸発するまでに時間がかかることで殺菌効果が高くなるため、消毒薬として使われている。
また、ワイスキー、ウォッカ、ワインや日本酒といった酒類にもエタノール(エチルアルコール)が含まれているのはご存じの通りだ。
自動車などの燃料としても使われており、トウモロコシやサトウキビ等の植物を原料として製造されている。
その他、化粧品や医薬品、洗剤、塗料などにはエチレンを原料とする合成アルコールを使用している。
このように一口にエタノールといっても、いくつもの種類があり様々な用途がある。
エタノールを保管する上での注意点
様々なエタノールがあるが一般家庭で保管しているのは、ほとんどが無水エタノールや消毒用エタノールではないだろうか。
簡単に入手できて利用する機会も多いことから、今回はこの2種類についての注意点を見ていこう。
火気厳禁である
引火点が低いため、火気の近くでの保管や使用は厳禁である。
たとえ消毒用エタノールであっても76.9vol%~81.4vol%と濃度の高いエタノールが含まれているので注意が必要になる。
消防法でも危険物第4類に分類されており、引火性液体となっているのだ。
つまり引火点(火がつく温度)を持っており、燃える危険性のある液体とされている。
容器は密閉しておく
エタノールは揮発性が高いアルコールである。
そのため容器のフタはしっかしと閉めるようにしなければならない。
そうしないとこぼれる可能性があるだけでなく、気化したエタノールに引火してケガを負ったり、火災につながる恐れがある。
また、うっかり吸い込んでしまうと体調を崩す原因にもなるので気を付けたい。
保管場所は選ぼう
保管する場所もしっかりと選ばないと危険である。
直射日光が当たらない、高温にならない、換気に気を付けることが安全に保管するための基本と言える。
火災を発生させないだけでなく、体に害を与えないようにするためにも、この3点は必ず守っていただきたい。
引火点が低く、揮発性が高いことを考えると十分に注意する必要がある。
安易に容器を変えない
使いやすさを考えると小分けにしたいと思うこともあるだろう。しかし安易に容器を変えるのは危険なので注意したい。
出来れば元々入っていた容器を使うのがベストで、間違ってもペットボトルに移し替えてはいけないのだ。
エタノールに対してとても弱いので、もし使うとしたら専用のものやガラス製、ステンレス製の密閉容器を選ぶようにしたい。
正しい使い方で事故を未然に防ぐ
誤った使い方はとても危険であり、事故が起こる可能性が高くなる。
身体に害を与えるだけでなく火災の発生にもつながるので、未然に防止するような使い方をすべきである。
そのためのは、正しい使い方をすることが大切なので忘れないでいただきたい。
- 保護めがねとマスクを着用する
- 手袋を使って皮膚を保護する
- 換気の良い環境で使用する
- 火気を近づけない
特に、掃除の際には使用時間も長くなりがちで、使用量も多くなる傾向にある。
ましてや作業に集中していると、環境の変化に気付くのが遅れてしまいがちだ。
そこで定期的に休憩をして作業環境と体調をチェックしながら、事故を起こさないようにすることが重要になってくる。
万が一の場合は適切な処置をする
エタノールを安全に取り扱うためには、事故を未然に防ぐことも大切だが、万が一の時の対処方法を知っておくのが良いだろう。
何も知らないと、いざという時に慌ててしまうものだ。
そのようなことのないように、基本的な知識として覚えておいていただきたい。
何かあった場合に素人判断はとても危険であるため、必ず医師の指示にしたがって手当てを受けるなどしていただきたい。
事例と対処方法 |
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事例 |
対処方法 |
吸い込んだ場合 |
きれいな空気の場所に移して、楽な姿勢で休ませる。 気分がすぐれない場合いは医師の手当てを受ける。 |
眼に入った場合 |
清潔な水で15分以上注意しながら洗い、医師の手当てを受ける。 コンタクトレンズは簡単に外せる場合は外して、医師の手当てを受ける。 |
飲み込んだ場合 |
水で口の中を良くすすぎ、医師に連絡して指示に従う。 意識がない場合には、口から何かを与えたり吐かせたりせず、 すぐの医師の手当てを受ける。 |
皮膚に付いた場合 |
大量のエタノールが衣服に浸みた場合はすぐに脱がせて、石鹸を使ってきれいに洗い流す。 |
火災が発生した場合 |
消火剤として使えるのは、水噴霧、粉末消火剤、耐アルコール性泡消火剤、、炭酸ガス、乾燥砂類である。 万が一に備えていずれかを用意しておくと良い。 |
エタノールの利用に慣れたからといって、これくらい大丈夫と油断することのないようにしたい。
取り扱いは決して難しくないものの、注意を怠るととても危険でもあるのだ。
便利に安全に使うためには、これまでお伝えしてきたことをしっかりと守るように心がけていただきたい。
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