ギターにはクラシックギター、フォークギター、エレキギター、ベースギターなど様々なものがある。
起源はとても古く、古代エジプトまでさかのぼると言われているので紀元前ということになる。
現在の形になったのは19世紀になってからであることからも、非常に長い時間を掛けて進化してきたのが分かる。
楽器の中でも身近な存在であり、多くの人が慣れ親しんでいるのがギターであろう。
今回はそのギターの保管について見ていきたい。
保管前に必ずやっておくべきこと
ギターを保管前にやっておくべきことを考えてみたい。
毎日使う場合もそうだが長期間保管となった場合、必ず手入れをしておくように心がけよう。
手入れといってもさほど難しくなく、ピアノのように専門のプロにお願いする必要はない。まず欠かさずにやっておくべきことは、磨いてやることだ。
ギターに限らず楽器は直接触るものである。したがって毎日使っていると、だんだんと汚れてくる。
ボディー、指板、フレット。弦には、手汗や皮脂がついて汚れており、放っておくと落ち難くなってしまう。
それに、このような状態で保管しておくと、ギターを傷める原因にもなるのだ。
ボディーの手入れ
まずボディーだが通常は塗装がされているので、キョン・セームやクロス、ポリッシュを使って汚れを落とすことからやっていこう。
ポリッシュは研磨剤が含まれている場合、強く磨きすぎると塗装を傷めることがあるので軽く磨いてやるのがポイントだ。
ポリウレタンやラッカーといった塗装の種類によっては、使えないこともあるので注意したい。
間違えないように前もってチェックしておくと良いだろう。
指板・フレットの手入れ
指板は専用のオイルをクロスにつけてメインテナンスをおこなう。
この時に弦が外れた状態であれば、弦に付着したり浸み込む心配がいらないので手入れもしやすいはずだ。
フレットを磨く時は、指板をマスキングテープでしっかりと覆っておくことを忘れないでほしい。
マスキングをしないでおこなうと指板まで磨いてしまうので注意する。
ただし、製品の中には指板とフレッドを一緒に磨けるアイテムも販売されているので利用しても良いだろう。
弦の手入れ
もちろん弦の手入れも重要で、交換するだけがメインテナンスではないのだ。
ギター弦専用のオイルも販売されており、汚れや錆の除去効果がある。
異常な摩耗を抑えて適度な滑りが得られる。またこれを使うことによって弦の寿命が延びるとも言われている。
使う際には指板につかないように注意して、弦を上下で挟む形で1本ずつ磨いてくと良い。
もちろん新品の弦に使用しても効果的なのは言うまでもない。
ギターを保管する際に気を付ける点
トランクルームの選択
トランクルームの選択は非常に重要である。
結論としては空調が完備され温度変化の少ない、屋内型トランクルームをおすすめしたい。
屋外型になると外気の影響を受けやすくなるため、比較的安定した季節であったり特別な事情のない限り控えた方が無難と言える。
ギターはマホガニー、メイプル、ローズウッドなどの木でできているため、環境に左右されやすいのが弱点だ。
そんなギターを守るために必要なのは適度な温度と湿度になる。
具体的に温度は15℃~25℃、湿度は45%~55%ほどが理想的で、人間が生活している環境でOKと考えておこう。
湿度と聞くとカビを思い浮かべる方が多いと思うが、そうかといって乾燥のし過ぎもよくないのだ。
ギターによっては湿度が30%を下回ると割れが発生する可能性が高くなる。
また急激な温度の変化も同様に割れの原因になるが、その理由は膨張や収縮が一気に起こるためである。
塗装面にヒビが入ったりするのはこのためだ。
保管環境がギターに与える影響はとても大きい。したがってどんな環境がベストかを理解して、正しい選択をしていただきたい
ギターの保管状態
トランクルームの選択ができたら、ギターをどんな状態で保管するかチェックしておきたい。
基本的にギターは立てて保管するのがベストと言える。
その理由は横に寝かせて保管すると、ネックに負担が掛かるため反りといった問題が発生しやすくなるからだ。
立てて保管するのが難しい場合には、横にして立てておけば大丈夫である。
ただしハードケースに入れておくことが前提となる。
ではなぜハードケースかと言えば、一つはぶつけても傷がつきにくく、何かを上に落としても守ってくれる。
そしてもう一つは保管する際に、ケース内の湿度を調整しやすくなる。
ケースにはギターと一緒に湿度調整剤をいれて、なるべく安定した湿度で保管する必要がある。
湿度が高いと吸湿し、反対に低いと水分を放出することで傷みを防げる。ということは乾燥剤は厳禁なのだ。
6ヶ月~12ヶ月に1回の割合で、定期的に交換するようにしたい。
また、弦は緩めるべきか迷うところだが、長期間の保管では半音~1音程度下げておくと良いだろう。
弦が張られている状態だとネックには相当の負荷がかかっている。その状態を維持するのは大変なことだ。
しかし、頻繁に出して弾くような場合には必要ないだろう。あまり弦を張ったり緩めたりを繰り返すのも良くない。
保管する際にはゆっくりと休ませてあげるような気持で、大切に扱ってほしいものである。
トランクルームは保管の場所である
トランクルームはあくまで荷物を保管するのが目的の施設である。
利用者もその点をきちんと理解していなくてはいけないが、時として間違った行動をとってしまうことがある。
特に楽器を保管した場合、ついつい演奏したくなり音を出してしまいがちだ。
確認のためというのは分かるが、くれぐれも注意してほしい。
ギターの場合も状態を確認するために弾きたくなるだろうが我慢して、面倒でも他の場所でチェックする必要がある。
これを怠ると規約違反となり、他の利用者にも迷惑を掛けることになってしまう。
多少の手入れをすることは許されるかもしれないが、長時間の滞在はグレーな行為となる。
本来はギターを長持ちさせて、良い音が出る状態に保つためにトランクルームを使うはずが、うっかりすると練習場所になってしまう。
たが、それではいけないことを再認識して、誤った使い方をしないように気をつけてほしい。
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