貸スペースにはさまざまなものが存在している。
その中にはトランクルームや貸倉庫があるが、両者の違いをご存じだろうか?
単なる呼び名の違い?それとも昔と今の違い?
曖昧なイメージがあるかもしれないが、実はきちんと住み分けられているのだ。
一体、どんな特徴があってその違いは何であるのかを見ていただきたい。
貸倉庫とトランクルームの違い
貸倉庫とトランクルーム、どちらも似たイメージを持っているかもしれない。
あるいはどちらを利用しても同じだと思っていないだろうか?
ところが荷物を保管する点は同じでも大きな違いがあり、別物であるという認識を持っていた方が良いだろう。
1. 物件の規模(広さ)が違う
貸倉庫はトランクルームに比べて規模が大きいのが特徴で、倉庫として建てられた建物であったり、工場として使われていたケースが多い。
また一棟まるごと賃貸していることがほとんどである。
2. 保管環境が異なる
トランクルームの場合、屋内型になるとエアコンが取り付けれている物件があり、屋外型であっても断熱材を用いた上に、内装まで施されている場合が多い。
もちろん貸倉庫でも新しいものの中には非常に良い環境のものが存在しているが、全体的には少ないと言える。
3. 料金体系が違う
貸倉庫では敷金、礼金、仲介手数料、家賃の前払いなどが必要になる。トランクルームでも必要なところがあるが、これらを廃止した業者が増えている。
したがって初期費用の差はとても大きい。
4. 利用する客層の違い
トランクルームは個人で利用するケースが多い。貸倉庫でも個人で借りる方はいるが、その規模からして会社(法人)での契約が多いと言える。
一般的に考えれば、企業の方がより多くの荷物を取り扱うので、当たり前の話かもしれない。
5. 立地条件が異なる
貸倉庫は郊外にある建物が多いが、トランクルームは住宅街やビル街、駅の近くなど比較的人口密度の高いところに多く設置されている。
建物が大型であることが多いため、密集地では建設したり維持するのが難しい。
目的や用途に応じた使い方
貸倉庫
基本的には比較的規模の大きな貸スペースになる。
当然スペースには余裕があるので保管する荷物も大きなもの、あるいは数量が多かったりする法人向けだ。
倉庫の仕様もさまざまで、広さだけでなくいろんな条件が選択できる。
- クレーンを完備している
- 天井の高いタイプ
- 高床になっているタイプ
- 広めの駐車場を完備
- 冷凍・冷蔵設備がある
これらの条件のなかから選べば、金属や食品といった製造業、建設業、運輸業など多くの業種で利用が可能である。
個人で使うことができる物件もあるが、スペースには広い場所が多くなるため利用範囲は限られてしまう。
それでもショップを開いたりする人、贅沢に趣味を楽しむ人には向いているかもしれない。
トランクルーム
一方のトランクルームではほとんどが数帖程度の広さで、個人向けと言える。
使い方としては季節のものや、年に数回しか使わないもの、趣味のもの、物置代わりなど実に多くの使い方ができる。
例えばスキーやスノーボード、キャンプ用品、さらにはバイクといったものまで収納できるのはありがたい存在だ。
また、特に大切なものは屋内型トランクルーム、そうでないものは屋外型を利用するなどして使い分けができる。
広さについては、さすがに一棟丸ごと借りるような貸倉庫ほどのスペースは確保できない。
しかし、個人で所有する程度の荷物であれば十分に保管が可能であり、多種多様なスペースが用意されている。
それぞれの特徴や長所と短所
貸倉庫
貸倉庫の最大の特徴は一棟借りることが可能な点ではないだろうか?
物件にもよるが他の利用者と共同で使用することがないのである。
したがって利用者間でのトラブルは起こらないし、規約さえ守っていれば解約される心配もいらない。
もちろん常識を逸脱した行為はいけないが、そうでない限り問題はないだろう。
その他に長所としては料金が割安になることだ。広い物件だと当然高額にはなるが、坪当たりの賃料は比較的安い。
またトラックの乗り入れが可能な物件も多いので、荷物の出し入れ等も楽になる。
その反面、短所としては保管環境に差があることだ。非常に良い環境で住めそうなものから、屋根を付け周りを囲っただけといった感じのものまで様々である。
自分で必要となる範囲を見極めて判断するようにしたい。
トランクルーム
小回りのきくのがトランクルームの特徴であり、ハードルの低さが人気の秘密かもしれない。
さらに一部を除き、貸倉庫のように敷金や礼金といった支払いが無いのも長所だろう。
安心度においても警備会社と提携しているところがほとんど安全で、安全面でも勝っていると言える。
また、これが欠点と言えるか微妙ではあるが、利用に際して禁止事項が事細かに設定されており、うっかりすると規約違反をしてしまう可能性があるので注意したい。
なので、あまり細かくいわれると煩わしく感じる方もいることだろう。
また料金は高めの設定だ。
特に屋内型の場合には保管環境のレベルが高いので、その分料金が割り増しとなっている。
屋外型になれば、セキュリティ面で若干劣るので割安である。
良いところを上手に利用する
荷物の保管場所を選ぶのは大変である。
なるべく安く安全にと考えるのが人間なのだが、何とも都合の良い話だ。
トランクルーム、そして貸倉庫のいずれにしても、ポイントをおさえて上手に使いたい。
あなたが必要としているものを、必要なだけ利用すれば無駄にはならない。
そうすればお金も最低限で済む上、それなりの満足も得られるはずである。
まずは良いところを上手に利用することを意識してほしい。
それが貸スペースを利用する際の基本でもあるのだから。