シャンパンがフランス東北部のシャンパーニュでつくられたワインであることは良く知られている。
とても厳しい基準によって製造されているのが特長の発泡性ワインである。
その魅力に多くの人が引き付けられているが、あなたもその一人ではないだろうか。
今回は、そんなシャンパンを美味しく保存する方法についてご紹介していきたい。
シャンパンにも賞味期限がある?
食品で良く見られる賞味期限はシャンパンにもあるのだろうか?
答えから言うと明確には”定められていない”のだが、その理由はアルコールが入っているお酒であるからだ。
ならば永久に飲めるかというとそうではなく、場合によっては味や香りといったものが変化してしまうことになる。
もちろん異常があったら絶対に飲んではいけないのだが、問題なく長期間保存できるケースも珍しくない。
現に20年、30年前のシャンパンが普通に販売されていることからも、保存状態が良ければ美味しく飲めることが証明されている。
注意していただきたいのは長期保存が可能な場合があっても、それほど保存に強いお酒ではないということだ。
むしろデリケートであり1年ほどで劣化して飲めなくなることもある。
美味しく飲める期間はどれくらい?
明確な賞味期限がないことはお伝えした通りだが、実は美味しく飲める期間があるのをご存じだろうか?
あくまでも保存がきちんとできているのが前提となるが、目安となる期間が存在するのだ。
それが”熟成期間”であり、「カーヴ」と呼ばれている貯蔵庫で熟成保存していた期間とされている。
シャンパンは熟成させる年数によって3つのグレードに分けられており、それと同じ期間が保存の目安となる。
- ノンヴィンテージ : 1年~2年
- ヴィンテージ : 3年~5年
- プレステージ : 7年~10年
ただし注意していただきたいのは、保証期間ではないという点である。
したがってなるべく早く飲んでしまうのが良いだろう。
グレードは値段にも大きな違いがあり、プレステージが最も高価になるが、その違いは熟成期間だけではない。
原料となるブドウも極上のものを厳選しているため、生産量も少ない傾向にある。
それだけに価値としては高いのだが、いつまでも保存していると飲めなくなる可能性があるので十分に気を付けてほしい。
保管環境はとても重要になる
シャンパンはデリケートであるため、保管環境には注意が必要になる。
まず第一に気を付けたいのが温度である。理想の保存温度は10℃~12℃なので、この範囲で管理するようにしたい。
それにはワインクーラーを利用するのがおすすめだが、無理であれば冷蔵庫の野菜室に入れても良いだろう。
温度変化が激しくなると劣化しやすく、美味しさが失われやすくなる。
日本には素晴らしい四季があるものの気温の変化が大きく、シャンパンを保存する上ではデメリットになりかねない。
次に紫外線に当てないことも重要になってくる。
室内であっても長時間照明を浴びる場所は好ましくない。ましてや直射日光などはもっての他である。
シャンパンのビンには色が付いていることが多いが、これは紫外線対策のためであり劣化防止の効果がある。
しかしほとんど色が付いていなかったり、透明のビンの場合には新聞紙などで光を遮っておこう。
そして振動のある場所には置かないようにすることだ。
発泡性ワインであるため、振動を与えるのはあまり好ましいとは言えない。
特にすぐに飲みたい場合、栓を開けると同時に噴き出したり、味わいが変わってしまうことがある。
開栓前と開栓後の保管方法は?
開栓前
栓を開ける前であれば、冷蔵庫の野菜室かワインセラーに入れておこう。
常温での保存は短期間でない限り避けた方が良いだろう。
この際、コルクの乾燥を防ぐために、必ず横に寝かせておくことを忘れないようにする。
コルクが乾燥してしまうと、開けにくくなったり酸化して味が変わってしまうため必ず守っていただきたい。
また冷蔵庫に入れる際、匂いの強いものと一緒にしない方が良いだろう。
もし匂いが気になる場合には冷蔵庫用の脱臭剤を使って対策しておくのも一つの方法である。
開栓後
開栓後の保管は、ほぼできないと考えておこう。
実に残念な話ではあるが、一度栓を抜いてしまうと炭酸が抜けてしまい、シャンパン特有のはじける味わいがなくなってしまう。
絶対に飲めないわけではないが、美味しさに欠けることになる。
そのため、なるべく飲み切れる量だけ開栓するのが良いだろう。
もし余ってしまったら、シャンパンストッパーを使うとある程度は保存がきくが、効果を期待するなら加圧式のものを選ぼう。
そうは言ってもなるべく早く飲んでしまった方が、シャンパンの美味しさを損なわずに済むのは間違いない。
美味しい飲み方を知っておこう
しっかりと保存できていても、美味しい飲み方を知らないのは実に勿体ないことだ。
そこでちょっとしたコツをご紹介しておこう。
まず、飲む際には4℃~8℃の間に冷やしておくのが最も美味しいとされている。
温度差がある理由は、甘口と辛口では異なるからである。おすすめなのは甘口であれば4℃、辛口であれば6℃~8℃になる。
冷やし方はシャンパンクーラーがあればその中に氷と水を同量入れて、後はシャンパンをネックまで沈めて30分ほど待てばOKである。
もちろん他の容器でも代用できるので、ボトルが入る大きさのものがあれば、それを活用してほしい。
冷蔵庫で冷やしたい場合には、冷蔵室で3時間ほど待てば適温になるはずだ。ただし冷凍庫に入れると美味しさを損ねることになるので注意しよう。
シャンパンを保存する際には、いかにして本来の美味しさを損なわないようにするかがポイントになる。
それと同時に、美味しさを引き出すような準備をしておくことも必要と言えるだろう。
そのためには正しい保管方法できちんと管理してあげることが重要である。
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