膨大な量の資料も今ではペーパーレス化が進み、コンパクトにデータ化することができるようになった。
そのおかげで、重くて大きなカバンを持ち歩くことも減ったと言える。
研究や開発といった大きな仕事ではもちろんだが、簡単な資料に至るまであらゆるものがデータ化されてきている。
ではこれらの大切なデータはどうやって保存すれば良いのだろうか?
データが消えても復活できるのか?
データが消えたり壊れてしまうのは、ほんの一瞬のことである。
単純なミスであったり取り扱いを間違えたりすると、一度に大量のデータを失ってしまう場合があるので注意が必要だ。
しかし、もしそうなったしまっても諦めるのはまだ早いのである。
というのも実際には完全に消えてしまっているのではなく、取り出せない状態になっているケースがとても多い。
したがって状況によってはデータを復元させることができるが安易に考えてはいけない。
一口にデータの復元と言ってもそんなに簡単なものではなく、高度な技術と豊富な知識がないとできないのだ。
仮にできたとしても100%可能とは限らず、断片的になる場合もある。そのため、復元できてもデータとしては不完全なことも考えられる。
復元にはファイル復元ソフトを使ったり専門の業者にお願いしなければならないが、最悪の場合には諦めないといけなくなってしまう。
それを考えると日頃から確実にデータをとっておくよう心掛け、大切に保管しておかなければならない。
データを保存しておく方法は?
大切なデータを保存するには色々な方法がある。
多くの記録メディアや機器、サービスがあるため、その中から最も適正なものを選んで保存しておくようにする。
選ぶときのポイントは記憶容量、寿命、価格、そして使い勝手を考えて決めることだ。
実際にどんなものがあるかというと次のようになるが、その特長もご紹介しておくので参考にしていただきたい。
- CD、DVD、ブルーレイディスク
- フラッシュメモリ
- ハードディスク
- クラウド・ストレージ
CD、DVD、ブルーレイディスク
特徴としては比較的寿命が長く、10年程度は保存できるといった点である。
容量はCDが700MB、DVDが4.7GB~8.5GB、そしてブルーレイが25GBとなっており、それぞれ大きな差が見られる。
ただし実際に保存できるのは全体の90%~95%程度までとなるため、容量不足にならないように注意が必要になる。
そしてデータを残す際には、その大きさに応じて選ぶようにしたい。
また、頻繁に記録したり読み込むのには向いていないため、最終的なデータを保存するような利用の仕方が良いだろう。
繰り返し追記したり書き換えて使っていると、データの破損につながるので重要なものは気を付けたい。
フラッシュメモリ
フラッシュメモリにはUSBメモリやSDカード、あるいはマイクロSDカードといったものがある。
これらの寿命は2年程度の短いものから10年といった長いものまで、タイプによって異なっており様々だ。
その違いについてはUSBフラッシュメモリはデリケート!正しい保存でデータを守るには?でもご紹介しているので参考にしていただきたい。
書き込みと消去を繰り返すことで劣化が起こり、寿命に影響するとされている。
容量についてはUSBメモリ、SDカード共に最大で2TB(テラバイト)程度のものが売られているので必要なだけの容量を確保しよう。
当たり前ではあるが寿命が長くて容量の大きい方が値段も高くなっている。
使用時に音が出ることがなく書き込みや読み出しのスピードが速い上、コンパクトなので場所も取らず持ち運びも楽である。
ハードディスク
ハードディスクはパソコンに内蔵されたものと外付けの2種類がある。
容量が大きい割に安価であるのが長所であり、長期保存にも向いていると言える。
その反面、内部が高速で回転しているため作動音がしたり発熱しやすい。そして衝撃に弱いといった短所がある。
容量は他のメディアの比ではなく、10TB以上の超大容量のものまで売られているので、膨大なデータが保存できてしまう。
持ち運びにはあまり向いていないものの、それを補うほどの保存容量が魅力ではないだろうか。
また、ハードディスクの代わりにSSD(ソリッドステートドライブ)が使われることがあるが、これはフラッシュメモリの仲間と言える存在だ。
見た目は同じに見えるが、回転機構もないため音も静かで、書き込みや読み出しのスピードが速い。
ただし、ハードディスクよりも容量が少なく、値段も高いのでコストパフォーマンスでは劣ってしまう。
寿命はハードディスクが3年~4年、SSDが5年程度とされているので、比較して検討してみるのが良いだろう。
クラウド
記録メディアや機器ではないが、クラウドにデータを保存しておくこともできる。
クラウド・ストレージという保存サービスのひとつで、自分でメディアや機器を用意する必要がなく手軽に保存が可能だ。
サービス会社のサーバーにデータがあるので、どこにいてもインターネットさえ繋がっていれば簡単に利用できてとても便利である。
あなたは自分のIDとパスワードでログインするだけで、データを保存したり取り出せる。
もちろん共有もできるので、わざわざメディアに入れてから手渡すといったこともなくなる。
ただし、容量はサービス会社によって制限されていたりするが、保存期限が設定されている場合もある。
特に無料のサービスでは注意が必要で、絶対に失いたくないデータを保存するのは避けた方が無難だ。
各保存方法の長所を有効に活用する
データの保存にも様々な方法があり、それぞれに特徴があることはお分かりいただけたと思う。
注意したいのは完璧と言えるものは存在していないということだ。長所ばかりでなく短所となる点も必ずあると考えておこう。
両方を知っておくことで、使い勝手の良いメディアを探しやすくなり、データの整理や出し入れなどがし易くなる。
つまり、選ぶときにはあなたのスタイルに合ったものにしないといけない。
例えば、出し入れをせずに長期間保管しておくには、寿命の長い長期保存用光ディスク(耐久性の高いDVDやブルーレイディスク)を使うのが最適である。
反対に頻繁にデータのやり取りをしたり持ち歩く場合には、USBメモリやSDカードが邪魔にならず使いやすい。
このようにそれぞれのメリットを有効に活用することで、便利に使うことができるようになる。
メディアや機器を選ぶ際にはその辺りもしっかりチェックしておくと良いだろう。
バックアップをとっておくことが重要
あなたはデータのバックアップをとっているだろうか?
どんなに注意していても、何の前ぶれもなく壊れたり失われてしまうことは決して珍しくない。
そんな時のために”データは二重に保存する”習慣を付けておくと、安心度がぐんとアップするのは間違いない。
もし片方が壊れてしまっても、もう片方のメディアや機器から取り出すことが可能になるからだ。
ただし注意点として定期的なチェックを忘れないようにしたい。
当たり前ではあるがきちんと保存できているか確認することが大切である。
同時に元のデータも確実に残っていることが必要にある。そうでなとバックアップにならず、ただ移動しているに過ぎないからだ。
また、自分ではコピーできているつもりでも、実際には保存できていないといったケースもあり得る。
壊れているのに気付かずに”バックアップしたつもり”になっているのはとても危険だ。
データを取り扱う際に最も大切なのは、”確実に保管する”ことだけである
それにはバックアップをしっかりとって、いつでもどんな時でも取り出せる状態を維持しておくようにしていただきたい。
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