冷蔵庫は家電の中で、最も身近で便利なものの一つと言える。
食材が傷むのを防いでくれたり、暑い時には冷たいものを提供してくれる。生活するのに欠かすことのできない存在だ。
その冷蔵庫だが、海外出張などの理由で長期保管しなければいけない場合、どうしたら良いのだろうか?
保管するにあたって、やるべきことや注意点について見ていきたい。
長期保管で故障はないか?
長期保管しておくと、そのまま壊れてしまわないか心配になるだろう。
だが冷蔵庫は想像以上にタフだ。それが証拠に24時間動き続けていても、8年~9年ほどの寿命年数があると言われている。
中には10年、15年と使えることも珍しくない。
絶対とは言えないが、特別古いものでなく問題がない状態ならば、長期保管にも耐えられるだろう。
ただ、保管する前にはきちんと掃除が済んでいる上、庫内もしっかり乾燥できているので、それほど神経質になる必要はない。
トランクルームでの保管は、電源の確保ができないので完全にオフの状態で保管することになる。
一番の心臓部はコンプレッサーだが、これが壊れてしまうことも考えられる。
したがって再び電源を入れても、動かない可能がゼロではないことは承知しておいてほしい。
長期保管するための準備
保管する前に必ずやらなければいけないのが掃除だ。
まず中に入っているものを全て出して、製氷室の氷、補給タンクや蒸発皿の水が残らないようにすべて捨てよう。
そして補給タンクや蒸発皿はキレイに洗ってしっかり乾燥させておく。
次にきれいに拭き掃除をするのだが、特に内部は汚れていたり、水分が残っているのでしっかりとおこなう。
この時にアルコールを使って除菌もしておこう。アルコールは消毒用エタノールを使うのがお勧めだ。
掃除は冷蔵庫の外側もおこなうようにしよう。
すべて終わったらドアを開けて最低3日は乾燥させよう。できれば4日~5日かけて、しっかりと乾燥させるのが望ましい。
これらをしっかりとやっておかないと、異臭やカビ、虫の発生につながるので要注意だ。
掃除が完了したならば後は保管するだけである。
保管はドアを閉めた状態でおこない、庫内に埃などが入らないようにしておく。この時に乾燥剤を入れておくことを忘れないでほしい。
そして必ず立てた状態にして置くことが重要だ。もし横に寝かせてしまうと、コンプレッサーが故障する原因になるので注意していただきたい。
- 庫内の物を全て取り出す
- 製氷室、補給タンク、蒸発皿の水分を取る
- 全体を拭き掃除する(アルコールで除菌が効果的)
- ドアを開けたまま乾燥させる
- 乾燥剤を入れてドアを閉じる
- 立てた状態で保管する
なお、できれば保管する際に冷蔵庫にカバーをしておくと埃の心配が少ない。
特別なものは必要ないので、簡単なもので十分だ。長期保管となると意外と埃がたまるので、冷蔵庫の上だけでも効果はある。
再び使用を開始する手順
保管前と同様に掃除をおこなうのだが、まずは埃などの外側の汚れを掃除する。
外側がきれいになったら、置き場所を決めて設置してしまおう。
その後に庫内を拭き掃除するのだが、このときに重曹水を使うと良い。重曹水の作り方は水100mlに対して重曹小さじ1杯を入れてよく混ぜるだけだ。
これをスプレーして暫く置いてから、きれいな布でふき取るようにしよう。
重曹水はカビ取りや消臭に効果的なので、長期間使わなかった冷蔵庫の掃除にはピッタリと言える。
さらに消毒用エタノールでもう一度拭き掃除をしておくと完璧である。アルコールで除菌もしてしまおうというわけだ。
掃除が終わったならいよいよ電源を入れたいところだが、設置後少なくとも2~3時間程度経ってからにしたい。
これはコンプレッサーの故障防止のためと理解しておこう。
電源を入れたら、すぐに異常がないか確認することだ。異音や異臭、煙の発生があったらすぐにコンセントを抜こう。
また、コンプレッサ―が動かない時は一度コンセントを抜いて、10分ほどしてから入れ直してみると良い。
これを何度か繰り返しても動かないようであれば、電器店で見てもらおう。場合によってはコンプレッサーの交換が必要になることもある。
- 外側の汚れを取り除く
- 庫内を拭き掃除する
- 設置後2~3時間待って電源を入れる
- 通電後に異常がないか確認する
正常に動いたとしても、すぐに使うことはできない。
理由は簡単ですぐには冷えないからだ。数時間から半日程度経てば十分に冷えて、食材を入れることができるだろう。
長期間止まっていた影響はどこで出てくるが分からないので、しばらくの間は異常がないか注意しておきたい。
トランクルームのタイプは?
保管するトランクルームは、どんなタイプを選べば良いか迷うかもしれない。
トランクルームには大きく分けて、屋外型と屋内型の2つがある。
屋外型はコンテナを置いたタイプであるのに対して、屋内型はビルのフロアーを仕切って利用するタイプとなっている。
可能であれば屋内型の方が好ましいだろう。その理由は外気にさらされていないばかりでなく、温度や湿度もコントロールされている場合があるからだ。
それに対して、屋外型は外気に近い状態での保管となる。
ただ一概に屋外型が悪いとは言えず、利用する収納スペースの環境にも左右される。
同じ屋外型でも本当のコンテナの場合もあれば、きちんと内装まで施されているものがあるからだ。この差は意外と大きい。
優先順位としては屋内型 >屋外型(内装あり)>屋外型(内装なし)とイメージしておき、検討するときのヒントにしてほしい。