カセット式のガスボンベは、どこにでも持ち運びができてとても便利である。
屋内はもちろんのこと、屋外においてもキャンプやバーベキューなどで大活躍してくれる。
手軽に利用できるだけに取り扱いが雑になりやすく、使い方を間違えると事故につながる恐れがあるので注意が必要だ。
そこでガスボンベの保管方法だけでなく、正しい使い方や処分方法についてもご紹介していきたい。
ガスボンベは長期保管できるのか?
ガスボンベは毎日のように使うとは限らないため、残った際には長期保管することがあるかもしれない。
では一体、どれくらいの期間であれば保管が可能だろうか?
メーカーによると製造日から5年~7年程度とされており、この期間内に使い切ることを推奨している。
したがって使用前にはいつ製造されたものかチェックをおこなうと同時に、容器にへこみや傷、錆の発生、ガス漏れがないことを確認しよう。
そして、この期間を過ぎていたら使わない方が無難と言える。
その理由はゴムパッキンが劣化してしまうことがあり、気付かずに使うと事故につながる危険性が高くなるためだ。
ガスそのものが変質するわけではないが、容器としての安全性が低下してしまうのである。
保管環境が悪いとパッキンの劣化が進んでいたり錆が発生して、ガスが漏れやすい状態になってしまう。
もしガス漏れしていた場合、引火して爆発することも考えられるので、勿体ないからと言って使わないようにしたい。
ガスボンベの保管場所はどこが良い?
安全に保管するにはどこが良いか考えてみよう。
理想としては直射日光が当たらず高温多湿にならない場所を選ぶようにしたい。もちろん火気の近くは厳禁である。
気温が40℃以下の環境で保管するようにして、閉め切った車内など高温になると考えられるところに置いてはならない。
特に夏場になると50℃を超えることもあるため、非常に危険と言える。
そうなると保管するには自宅がもっとも安心でき、比較的安定しているのが台所の床下収納やクローゼット、押し入れなどだ。
ただ湿気が多いと錆の原因にもなるので十分注意を払い、必要に応じて除湿剤を使って対策すると良いだろう。
そして屋外の物置は避けた方が無難である。
外気の影響を受けやすいため温度差があったり湿度も高くなりやすく、結露することで容器も傷みやすいと言える。
短期間であれば問題なくても、半年、1年と長期になるほど不利になるので気を付けよう。
正しい使用方法で安全に利用する
どんなに便利なものでも、正しい使い方をしないと非常に危険である。
ガスボンベも決められた方法を守らないと 事故や火災が起きる原因になる。
それを防ぐために、ガスを使う際には環境に注意したい。
閉め切ったところでは決して使用せず、しっかりと換気をおこなうようにする。そうしないと一酸化炭素中毒や酸欠状態になる可能性があるからだ。
特にテントの中や車内といった狭い空間では、危険性がより高まるので使用を避けるようにする。
カーテンや家具、畳やじゅうたんなど、燃えるものの近くで使用してはならない。万が一火が付くと火事になってしまうからだ。
もちろん暖房機器などの熱くなるものの近くで使用するのも禁止だ。
さらに使い方にも気を付けなければいけない点があるので覚えておいてほしい。
これはガスボンベというよりもガスコンロの使い方になるが、コンロの上に覆いかぶさるような大きな鍋や鉄板などを乗せてはならない。
また、いくら大きいからといってもコンロを2台並べて使わないようにしたい。
屋外で使う際には風よけで囲うこともあるだろう。しかし、あまりピッタリにせず余裕をもたせて隙間をもうけておく。
そうしないと熱が逃げないため、ガスボンベが過熱されて爆発する恐れがあり、大ケガをすることもあるのだ。
なお、カセットコンロも劣化するため10年を目安に交換することをおすすめする。
余ったガスの処分は確実におこなう
ガスボンベのガスも毎回きっちりと使い切ることは難しく、どうしても残ってしまいがちになる。
そのまま長期保管となると、場合によっては廃棄処分が必要なこともある。
この時、誤った処分の仕方をするとケガや火災の原因になるため、十分に注意しなければならない。
その手順はというのは次の2つのステップでOKだ。
- ガスボンベのキャップを外し、先端部を下にして石やコンクリートなどに押し付けてガスを抜く。
- ボンベを振って完全に空になった(音がしない)ことを確認して、ゴミとして分別の上で廃棄する。
この時の注意点は屋外の風通しの良い場所を選び、近くに火の気がないことを確認してからおこなうことだ。
また、ガスが残った状態で穴を開けてはならない。中のガスが噴き出して吸い込んだりすると酸欠や、最悪の場合には死亡することもある。
カセット式のガスボンベは使い勝手が良いだけに油断しやすい。
そのため、ついうっかりすると気付かないまま危険な使い方をしていたり、管理が疎かになってしまいがちだ。
そこで、この機会にもう一度現状を見直して見てはいかがだろうか。
もし問題があればすぐに改善して、安全で便利に使いこなしていただきたいものである。
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