宝石にも様々な種類があるが、その美しさは天然石ならではのものと言える。
しかし永遠に続くと思われがちな輝きも、何の手入れもせずに放っておいたのでは長くは続かない。
ではどうしたら本来のきれいな状態を維持できるだろうか?
そこで今回は宝石を美しいまま保管するための方法と、簡単な手入れや弱点についてご紹介していきたい。
宝石にも弱点があることを知る
宝石を聞くと硬くて強いといったイメージを持っていないだろうか?
丈夫で傷も付きにくいと思ってしまいがちだが、必ずしもそうとは言えないのである。
- 衝撃
- 整髪料
- 紫外線
- 温泉(硫黄)
- 超音波
- 塩素
- 化粧品
- 水
ほとんどすべての宝石に共通しているのが、衝撃に弱いという点である。そのため取り扱いには注意が必要になる。
あのダイヤモンドでさえ、意外なほど弱いのが現実だ。
ダイヤモンドと言えば、石やコンクリート、鉄を切るカッターにも使われるほどの硬さを誇っている。
しかし衝撃には弱く、ハンマーで叩くとあっさりと割れてしまう。したがって硬い床に落としたり、ぶつけたりしないように気を付けたい。
また真珠(パール)はとても繊細で様々な影響を受けやすいため、取り扱いには十分注意しなければならない。
水でさえ傷める原因になるので、こまめに外すなどして影響を受けないようにすることが大切だ。
傷む要因と宝石名 |
|
要因 |
宝石名 |
衝撃 |
すべての宝石 |
整髪料 |
トルコ石、サンゴ、真珠 |
紫外線 |
シトリン、クンツァイト、アメジスト、真珠、トルコ石、シトリン |
温泉(硫黄) |
ラピスラズリ、マラカイト、トルコ石、真珠、サンゴ |
超音波 |
エメラルド、トパーズ、ジェイダイト、クンツァイト、ペリドット、タンザナイト、ムーンストーン、トルコ石、オパール、サンゴ、琥珀、真珠 |
塩素 |
ラピスラズリ、マラカイト、トルコ石、サンゴ、琥珀、真珠 |
化粧品 |
真珠 |
水 |
真珠 |
乾燥(高温) |
トルコ石、オパール、エメラルド、真珠 |
美しさを保つ宝石の保管方法とは?
宝石は日頃からの取り扱いも重要だが、保管方法にも気を付けるようにしたい。
決して難しいことではないが怠たっていると取り返しのつかないことになりかねないので、しっかりと守っていただきたい。
ぶつけないように保管する
宝石といってもその硬さはそれぞれ異なるため、ぶつけたりすると傷になることがある。
特に硬度の低い真珠やサンゴといったものは、簡単に傷ついてしまうので十分に注意すべきである。
対策としては宝石ケースなどの仕切りを上手に使い、個別に区分けしておくことだ。
こうすれば傷める心配もなく安心して保管できる。
区分けができないなら、小袋や宝石ポーチを使って分けておくのも良いだろう。面倒なようでいて最も確実なのがこの方法と言える。
万が一傷付けてしまうと、修理するために宝石を取り外す必要があったり、カットのし直しで小さくなるといったことが起こる。
最悪の場合には完全な修理ができないといったケースもあるのだ。
保管環境に気を付ける
保管環境に気を付けることは、宝石を保管する上でとても重要なことである。
直射日光の当たる場所や高温多湿の環境は宝石を傷める原因になるので絶対に避けるべきである。
湿気を防ぐ目的で乾燥剤を使ってしまうと、乾燥し過ぎになるので使用は控えた方が無難だ。
ジメジメしているのも良くないが、宝石にはある程度の湿気が必要なことを覚えておこう。
また防虫剤と一緒に置くと変色させたり変質することがある。特にサンゴや真珠といったものは、デリケートなので注意したい。
もし変色してしまうと元に戻すために表面を削り、磨き直さなければならないのだ。
このように宝石を保管する際には、環境によって影響を受けることを忘れずに管理するのが大切になる。
宝石の基本的な手入れ方法を紹介
使ったら必ず拭く習慣をつける
宝石をあしらった装飾品は直接身に付けるケースがほとんどである。
そのため汗や皮脂、化粧品などがついて汚れていることがあるが、実際にはよくわからないのでそのままにしがちだ。
しかし、これが宝石の本来の輝きを失くすことになるので注意したい。
例えばダイヤモンドの場合、油分が付着しやすい性質があるため、長期間そのままにしておくと落ちにくくなってしまう。
これが真珠になると艶がなくなるだけでなく、変色してしまうことさえある。こうなると簡単には直らないので、プロの手による再生作業が必要になる。
このようなことを防ぐためには、一度でも身に付けたら柔らかいクロスなどを使ってきれいに拭いておく習慣をつけよう。
また、常に身に付けているのであれば、こまめに拭いてあげるようにしたい。
定期的にメインテナンスする
いくら日頃からの手入れをしていても、長い間に細かなところが汚れてくるものだ。
そこでプロの手で定期的なメインテナンスをおこない、清潔にすると同時に輝きを取り戻してあげよう。
すでにお伝えしたが、宝石には弱点があることを思い出していただきたい。
汚れたからといって安易に水洗いしたり、超音波洗浄機にかけてしまと傷める原因になり危険でもある。
正しいやり方を心得ていないのであれば、自分でおこなうのは避けた方が無難だ。
もしどうしても自分でやりたいのなら、販売店に問い合わせて無理のない範囲でトライしてはいかがだろうか?
大切な宝石類は扱い方を間違えてしまうと、台無しになってしまう可能性が高い。
しかしポイントさえ押さえていれば、そんなに難しく考えなくても済むはずだ。
水で濡れたり汗をかくような時、スポーツをする際などは外すといったように基本的なことを徹底すれば大丈夫である。
くれぐれもこれらを忘れないように、丁寧に扱うことを心がけていただきたい。
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