一口にバッテリーと言っても自動車やスマートフォンをはじめ、あらゆるところで使われている。
バッテリーがあることで、場所に関係なく色々な機器を利用できるのでとても便利だ。
さまざまな用途に合わせて多くの種類が作られており、現代社会には欠かすことができない存在になっている。
今回はその中でもリポバッテリーに焦点を当て、取り扱いの注意点や保管方法、廃棄についてご紹介していきたい。
リポバッテリーの特徴と用途
リポバッテリーは正式には”リチウムイオンポリマー二次電池”というものになる。
これを略してリポバッテリーと呼んでいるが、充電しながら繰り返し使えるのが特徴である。
これに対してマンガンやアルカリといった乾電池や、ボタン型のリチウム電池などの一次電池は使い切ったら終わりである。
充電すれば何度でも使えるリポバッテリーは、容量が大きい割に軽量であり、しかも自己放電が少ないのが長所だ。
したがって安定した動作をさせたい場合にピッタリのバッテリーと言えるだろう。
また途中で充電をおこなっても”メモリー効果”による影響がないとされているため、安定した電圧が得られる。
メモリー効果とは継ぎ足して充電した時に、ある一定の残量になると電圧が下がってしまう現象である。
もし使用中に電圧降下が起こると、思うように動かせなくなるといった問題が発生する。
リポバッテリーが使われているのは、電動ガンやドローンといったホビー製品に多く見られる。
ハイパワーを必要としたり、連続使用するには最適であるためだが、他にもスマートフォンやノートパソコン、カメラなどにも使われている。
取り扱いで注意すべき点とは?
リポバッテリーには良い点も多いが気を付けたい点があるのも事実だ。
そこで次の3点に注意して取り扱っていただきたい。
- 過充電しない(専用の充電器を使う)
- 高温になる場所には置かない
- 衝撃を加えないように取り扱う
最も気を付けたいのが過充電であり、かならず専用の充電器を使用して防止したい。
もし過充電になってしまうと、発火する可能性があり危険だ。しかし専用の充電器を使えば安心である。
充電が完了したらそのままにせず、必ず充電器から取り外しておきたい。
また高温にならないように置き場所にも気を付けなければならない。車の中やストーブのすぐ近くなどには置かないようにしよう。
どのような環境であってもバッテリーの温度が60℃以上にしないことが大切だ。
そうはいっても通常の使い方をしていれば問題ないので、心配し過ぎなくても大丈夫である。
リポバッテリーに限ったことではないが、強い衝撃を与えるのも好ましくない。
その影響でバッテリーの内部がショートしたり、発火する危険もあるので落としたりぶつけたりしないように丁寧に取り扱いたい。
リポバッテリーの保管方法は?
保管方法にも注意して安全に長く使えるように心がけたい。
そのためにはリポバッテリーの充電状態をチェックした上で保管するようにしよう。
まずは充電量が満充電の50%~60%程度まで下がった状態で保管する。それにはチェッカーを使うと分りやすい。
もし満充電で保管してしまうと、バッテリーの寿命が短くなってしまうので要注意だ。
逆に残量がゼロに近い場合も過放電になることがあるので覚えておこう。
そしてチェッカーを買う際には放電機能付きを選ぼう。廃棄する際に残量をゼロにするのに威力を発揮するからだ。
また保管の際は、そのまま片付けたりせず必ずセーフティーバッグに入れておこう。
リポバッテリーをぶつけて傷付けるのを予防するだけでなく、万が一発火した場合に他に燃え移るのを防止してくれる。
したがって普段の持ち運びの際も安心できるので活用すると良い。
保管場所としては高温多湿を避け、直射日光が当たらない所がベストである。
バッテリー本体が異常に熱くなると危険なので避けたいが、冷蔵庫に入れるほどのことはない。
しかし保護は必要なので、丈夫なスチール製のケースを利用するのも良いだろう。
長期保管の場合、何ヶ月もそのままにしておくのではなく、少なくとも1ヶ月に1回程度は充電状態をチェックしたい。
この際に残量がほとんどなかったら過放電を防ぐために、50%~60%程度充電をおこなってから保管しておこう。
使えなくなった際の廃棄の仕方
リポバッテリーにも寿命があるので、いつかは使えなくなってしまう。
その際には廃棄しないといけないのだが、どんな状態になったら使えないのかチェックしておこう。
まずバッテリー本体が膨らんできたら危険なので寿命と判断して使用を中止すべきである。
特に破損が見られた場合には即利用を止めて、絶対に使わないようにすることだ。
また満充電しているにも関わらず、利用できる時間が明らかに短くなったら交換時なので、廃棄を検討しよう。
ただ比較するものがないと分からないので、新品時の使用可能時間をチェックしておくべきである。
使用できなくなったリポバッテリーは完全に放電させないと処分ができない。
そのため動かなくなるまで使い切るようにする。そしてバッテリーチェッカーに付いている放電機能を使って完全に空にしてしまおう。
塩水を使って放電させる方法もあるが、有害なガスが発生して危険なのでおすすめしない。
放電が終わったなら、お住いの自治体の規則に従って廃棄処分をおこなう。
リポバッテリーは、使い方次第で安全で便利に使うことができるとても便利な電源である。そのためには正しい使い方を知ること、そして実行することが大切と言えるだろう。
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