冬の寒い時期に暖かいセーターは欠かすことができないアイテムと言って良い。
保温効果が高く、この時期には大いに役立ってくれる頼もしい味方だ。
そんなセーターも時期が過ぎると出番もなくなり、次のシーズンまで休むことになるが、保管はどうされているだろうか?
正しい収納をおこなわないと、大切なセーターを台無しにしかねない。
そこでシーズンオフのセーターの正しい保管方法をご紹介するので、是非とも役立てていただきたい。
セーターは普段からの手入れが大切
そもそもセーターが傷んでしまうのは何故だろうか?
セーターは長く着ていると毛玉ができてしまったり、型崩れやシワになることがあるが決して当たり前のことではない。
こうなってしまう原因は日頃からの管理や手入れが悪いからであり、やるべきことをやっていれば防ぐことが可能なのだ。
セーターに限らず他の服でも同じで、何もしないでいては良い状態を保つことなどできない。
つまり着っぱなしはダメであり、長く着るためにすべきことは色々とある。
まず、一度着たらていねいに優しくブラッシングをして埃を落としたり、毛並みを整えてあげよう。
カシミアやウールはデリケートなのでやわらかい馬毛のブラシを使い、その他は豚毛のブラシといったように使い分けると良い。
シワになっていたらスチームを当てるか、霧吹きをしてからドライヤーで乾燥させれば簡単に直るので試してほしい。
そして毎日続けて着ないようにして、1日着たら2日~3日休ませれば長持ちしてくれる。
毛玉があったら毛玉取りブラシや毛玉取り器、あるいは専用の軽石などがあるので使ってみよう。
この時の注意点として、様子を見ながらやることが大切である。早く取りたい気持ちは分かるが、ここは慎重におこないやり過ぎないようにしたい。
これらのことはセーターを長持ちさせるためには必要なことばかりであり、こまめに手入れをおこなうことが重要なのだ。
保管で欠かせない決まりごととは?
洗濯してから収納
セーターは保管前に必ず洗濯してから収納するのが基本である。
一度でも着ると皮脂や汗ばかりでなく、埃などの汚れが付いていることが多い。
これを次のシーズンまでそのままにしておくと、シミになって落ちなくなったり臭いの原因にもなるので要注意だ。
そんなことのないように、清潔な状態でしまっておきたいものである。
まずは洗濯ができるかどうか洗濯表示で確認しておこう。手洗いが可能であったならは自宅で洗濯してもOKだ。
しかしドライマークだけの場合、自宅で洗わずにクリーニングに出すようにしていただきたい。
これを無視してうっかり洗ってしまうと、傷めてしまいかねない。
素材によっても注意が必要で、ポリエステルは毛玉になりやすく、綿(コットン)の場合は伸びやすい。
そのため洗濯の時は丁寧に扱うことが大切になる。
洗剤は必ず専用洗剤(おしゃれ着用洗剤)をつかい、洗う前に暫くつけ込んでおくと効果的である。
その際に目立たないところに洗剤を付け、5分程度待って色落ちしないことを確認してから洗うようにする。
洗い方は押し洗いで優しくおこなうのが良く、もみ洗いは避け強くこすらないように注意したい。
洗濯機なら手洗いコースで洗うのも方法の一つだが、型崩れには注意が必要になる。
そのため洗濯ネットはピッタリのサイズものを使い、ネットの中でセーターが動かないようにしておく。
脱水は弱めで1分程度おこない、伸びるのを防止するため干す際にはハンガーではなく平干しする。
もちろん直射日光は避けて日陰で干すのが絶対条件だ。
害虫対策をする
タンスやクローゼットのセーターは、虫食いの被害に遭うことが少なくない。
そこで害虫対策として防虫剤や防虫シートを使っての予防をおすすめしたい。
主な害虫は「カツオブシムシ」や「イガ」といったものになるが、洗濯して干した際にセーターに付いて家の中に入ってしまうのだ。
したがってセーターを洗濯したら、取り込む前にブラッシングをしておくと効果的である。
たった一匹の成虫が数百の卵を産むので、わずかな害虫が付いただけでも被害が出る可能性が高い。
ふ化した幼虫は、セーターを食い荒らして成虫となり再び卵を産む、これが繰り返される。
害虫は温度が15℃~25℃、湿度は60%以上になると活発に活動しやすい。
特に家の中は一年を通して比較的暖かくなっているため、害虫の繁殖に適した環境と言えるだろう。
そこで虫食いを未然に防ぐ方法として、収納前にタンスやクローゼットの掃除をおこなってきれいにしておくと良い。
少なくとも衣替えのタイミングでは必ずおこない、清潔さを保っておきたいところである。
そして防虫剤を使って虫食いを防ぎたいところだ。
この際、成分は上から下へ広がるので防虫剤は必ずセーターの上に置くこと。そして、詰め込み過ぎないように、多少の余裕を持たせて収納すると効果的である。
臭いが気になるようなら無臭タイプを使い、有効期限が切れたらすぐに交換するようにしたい。
なお防虫剤は1種類だけを使い、決して混ぜないようにしよう。その理由はシミの原因になるからだ。
湿気とカビを防ぐ
タンスやクローゼットの中は締め切りになるため湿気が溜まりやすい。
そのため何も対策をしないとカビが発生することがある。
カビを防ぐには、除湿剤を置いてなるべく乾燥した状態にしておくのが最も効果的であり確実な方法だ。
一度でも発生してしまうと取り除くのが大変で特に黒カビの場合、自宅できれいに落とすのは困難である。
したがって、しっかりと防止策をとっておかなくてはならない。
それでも万が一、セーターにカビが生えてしまったらクリーニングをするのがベストだ。
クリーニングであれば、カビを取り除くことができる可能性が高いので、是非とも依頼してみることをおすすめする。
もちろん自宅で漂白剤を使うのも一つの方法ではあるが、上手くいかなくても自己責任となってしまう。
どうしても漂白したい場合には酸素系漂白剤の溶液に1時間~2時間つけ置きしてみよう。ただし、色落ちの可能性があるので注意したい
目立たない場所で試した後、短い時間から様子を見ながらおこなってみよう。
カビ対策についてはトランクルームでカビのトラブル|今すぐ実践できる予防対策とアイテムでもご紹介している。
もちろん自宅でも活用できる内容なので役立てていただきたい。
収納方法に注意
保管時に傷めないようにするには収納方法にも注意したい。
まずハンガーは使わない方が無難である。その理由は、ハンガーを使うと重さで伸びてしまうことがあるからだ。
特に長期間となるとハンガーにかけて保管するのは避けた方が無難である。
またタンスやケース、あるいはクローゼットに入れる際は、詰め込み過ぎるとつぶれてしまうばかりか傷みの原因にもなる。
したがって、ふんわり感を維持するために詰め込み過ぎず、一番上に入れておくように心がける。
畳んだセーターを立てるようにして並べると良いだろう。こうすれば重ねて入れることもなくなる。
その他の方法として、圧縮袋を利用すればコンパクトに片付けることが可能だ。
ただし長期間入れたままにしておくと、シワになったりつぶれてしまうこともあるので気を付けたいところだ。
これを防ぐには平らに畳んでから、丁寧に圧縮袋に入れると良いだろう。
そして空気を抜く際にはカチカチになるまでおこなわず、少しふんわり感が残る程度に抑えておく。
圧縮袋のサイズは余裕のあるものを使い、必ず1枚ずつ入れるようにする。
もし、つぶれてぺちゃんこになってしまったら、スチームを当てることでボリュームを取り戻せるので試していただきたい。
セーターの保管に適した環境を選ぶ
セーターを保管するには、それに適した環境が大切になる。
どんなに手入れをして大切にしていても、保管環境が悪ければどうしようもないからだ。
除湿剤を使って湿気を取り除き、防虫剤を使って虫食いの被害を防いでいるのも、環境を良くするためである。
こうすることでセーターを安心して保管でき何年も着ることが可能になるので、決して油断しないようにしていただきたい。
セーターはどうしても着る時期が限られてしまい、一年を通して着ることは少ない。
したがって長期保管となると次に着るまでは状態の確認ができない。
だからこそ、いつでも取り出して着れるように環境に注意し、問題が起こらないようにしておきたいところだ。
大切なセーターならば尚更のこと、注意を欠かさずに収納するように心がけていただきたい。
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