毎日の生活の中で、温度による影響は思いのほか大きいものである。
人間はそれほどタフな生き物ではないので、空調をはじめ数々の工夫や努力によって補ってきた。冬場の寒さや夏場の暑さも様々な対策をしてしのいでいる。
その結果、より快適な毎日を送れるようになった。そして今では荷物を保管する収納スペースでも同様の環境が整ってきている。
トランクルームも例外ではなく空調化が進んでいるのだ。
目次
そもそも空調とは何のこと?
空調とはよく聞く言葉ではあるが、正式には”空気調和”のことをいう。
その空調によって調節されるものには次の4つがある。
- 温度
- 湿度
- 浄化(空気をきれいにする)
- 流量(空気の流れる量)
これらをコントロールする設備が整っていて初めて空調と呼べるのだ。
そして設備については建築物衛生法でも定義されている。
建築物衛生法において、空気調和設備とは、「エア・フィルター、電気集じん等を用いて外から取り入れた空気等を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。)ことができる機器及び附属設備の総体」をいいます。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei10/
具体的には温度や湿度の他に、空気中にある粉塵の量や一酸化炭素・二酸化炭素の含有量、さらにはホルムアルデヒドの量なども調整されることになる。
アルデヒドは接着剤や塗料、防腐剤などの成分あり有害なことは良く知られている。
トランクルームでもこれらを管理することで、良好な環境の収納スペースが確保できるというわけだ。
ただ、実際にはこれら全てをコントロールできていない場合もあるので、利用する前に確認する必要があるだろう。
空調完備のメリットとは?
傷みや劣化が少ない
空調が完備されていると、外気と比較して温度の変化が比較的少ないと言える。
さらに湿度がコントロールされていれば、保管している荷物に対しても優しい環境でもある。
結果として傷み難くなったり、劣化の影響も小さくなる傾向にある。まさに収納スペースに適した条件になるわけだ。
空調がないトランクルームでは、長期間に渡って保管すると荷物への負担が意外と大きい。特に自宅よりも劣る環境では気を付けたい。
カビの発生を抑える
温度や湿度がコントロールされると、カビが発生する確率が大きく変わってくる。
特に湿度の変化によって影響に差が出る。
カビが発生するのは5℃以上とも言われているが、さすがにこれ以下の温度を維持することは難しいだろう。
しかし湿度を60%以下にしてカビるのを抑えることは無理ではなく、実際にコントロールできているトランクルームもある。
害虫の発生を防ぐ
ダニなどの害虫による害もカビ同様に空調のあるなしで大きく異なる。
高温多湿を好むので、梅雨から夏場にかけて温度や湿度が上がってくると発生しやすくなるのだ。
温度が20℃~30℃、湿度60%を超えると発生の確率が上がる。
これを防ぐためにも空調はあった方が良い。それにプラスして空気中の粉塵も取り除ければベストであろう。
臭いを抑える効果
臭いのもとはカビであったり雑菌の繁殖が大きく関わっている。
その原因となっているのも温度や湿度なので、空調によってコントロールされているのが望ましいことになる。
全ての荷物に言えるが、特に衣類に関しては臭くなると大変だ。洗濯してもなかなか消えないことがあり消臭に苦労する。
また、臭いのついたものを自宅に持ち帰ったらどうだろう。置いた部屋だけでなく、全体が臭くなってしまうかもしれない。
デメリットは全然ないのか?
料金が割高になる
空調を効かせるには設備が必要になる。
そして、その設備を稼働させるには電気を使わなければならない。つまり費用がかかることになる。
ではその費用をどうやって支払うかと言えば、あなたの利用料からと考えるのが普通であろう。
当然ながらその分だけ料金は割高になってしまう。
だが空調にはそれだけの価値があるのではないだろうか。自宅と同等かそれ以上に良質な収納スペースが手に入るのだから。
故障する可能性は?
せっかくの空調設備だが故障する可能性はゼロではないのだ。
あなたが使っている電気製品でも故障することがあるように、24時間休みなく動いている空調機器でも故障することがあり得る。
そうなると一気に環境が悪化してしまうことになりかねない。
ただ管理会社によってメインテナンスもされているだろうから、その確率はさほど高くないと考えられる。
それに定期的に巡回していたり利用者からの情報もあるだろうから、ここは迅速に対応してくれるものと期待したいところだ。
絶対ではないがあった方が良い
トランクルームで空調は必要だろうか?
答えは”絶対ではないがあった方が良い”となるのではないか。
その理由は、あなたの自宅も365日・24時間空調されているわけではないからだ。それと同じ条件であればスペックとしては合格と言える。
ただ、トランクルームの場合はどうしても閉め切った状態になりやすい。つまり空気の循環が悪いので、その点では不利になる。
せめて温度と湿度はコントロールされているのが望ましい。つまり空調によって環境を管理していた方が良いと言うことだ。
ただしこれは屋内型での話なので注意してほしい。
屋外型になると保管環境としてはもっと劣ると考えられる。ましてや、空調がきいていない状態であれば、保管する荷物や方法にも気を付けないといけない。
何をどのように保管したいかによって、屋内型か屋外型かを選択すれば良い。
それと同時に空調が必要かも判断するようにしよう。