漬け物といえば古くから食文化と関わっており保存食のイメージが強い。
日本人にとって馴染みが深く、白いごはんと漬物の組み合わせは、食欲をそそられるのではないだろうか。
そんな漬物ではあるが、意外と保存に関する悩みが多かったりする。
そこで今回は、保存方法や収納のコツ、日持ち対策についてご紹介していくので、参考にしていただきたい。
漬物の賞味期限はどうやって決まる?
漬物と言えは長期間保存できる食品と思っていたりしないだろうか?
確かに数ヶ月~1年以上も保存可能なものがあるのは確かだが、すべてではないのも事実であり、わずか数日しか日持ちしないこともある。
あまり意識したことがないかもしれないが、これにはちゃんとした理由がある。
その最大の理由は”塩分の濃度”なのだ。
食品が腐敗するのは、たんぱく質やアミノ酸などが微生物(腐敗細菌と呼ばれる)によって分解されるためである。
これによってアンモニアや硫化水素等が発生して、あの独特な嫌な臭いとなって漂ってくるのだ。
しかし、塩分の濃度が高いと微生物の活動が抑えられるため、腐りにくくなって日持ちするというわけである。
塩には殺菌能力があるとされているが、次のような理由がある。
何故、微生物の活動が弱まるかと言うと、塩分によって微生物の細胞から水分が抜けてしまうのと同時に、活動に必要な水分が得られなくなるためと考えられている。
つまり十分な水分がないと微生物は活発に動くことができないのだ。
そのおかげで漬物の塩分濃度が高い方がより日持ちするのである。
その証拠に長期保存に適した漬物の塩分濃度は20%~25%にもなるが、浅漬けではわずか2%程度と少ないのだ。
これでは塩分濃度が低すぎて、微生物の活動を抑えるには不十分なのであり、傷むのも早くなる。
漬物を保存するための最適の方法とは?
漬物を保存しておくには最適な方法を知っておく必要がある。
漬物には即席漬け、浅漬け、粕漬け、みそ漬け、こうじ漬け、塩漬け、しょう油漬けなどさまざまな種類がある。
理想とすれば、それぞれに合った保存方法を考えないといけないのかもしれない。しかし、現実にそこまで細かく分けるのは難しいだろう。
ではどうしたら良いか、これからお伝えしていきたい。
まず基本的に冷蔵保存することをおすすめする。しかし、それでも浅漬けは日持ちせず、せいぜい2日程度と考えておこう。
自宅で漬けた白菜や野沢菜、ナス、かぶ、キュウリなどは1週間程度は食べられる。ラッキョウやたくあんになると半年~1年程度は大丈夫だ。
そして、なるべく空気に触れないようにして味が変わるのを防ぐのは、どんな漬物であっても共通である。
水気のあるものならチャック付きの袋に入れて空気を抜いて保存する。またはタッパーなどの密閉容器に漬け汁ごと入れておく。
反対に水気のないものは、ラップを使って包んでおくと効果的である。
市販の漬物を買った場合には、賞味期限の表示や注意書きに従って管理するのが基本になる。
食べる際には見た目だけでなく、味や臭いにも異常がないか確認することを忘れないようにしていただきたい。
漬物を保存しておくスペースを確保する
漬物を保存しておくにはスペースを確保しなければならない。
常温で保存できるのであれば問題はないかもしれないが、よほど塩分濃度の高いものでない限り難しいのが現状だろう。
そうなると、やはり冷蔵庫ということになるが、他の食材も入っているので置き場所を空けておくのが難しい。
ではどうすれば良いかとなるのだが、冷蔵庫の中を整理整頓することから始めよう。
まずは同じもの同士で分類しながら、必要なものだけ入れるようにする。つまり、絶対量を減らしてしまうのだ。
種類別に分ける際には、単にひと塊にしておくのでなく、ケースを使ってその中に入れると良いだろう。
そしてラベルを貼っておけば、そのケースに何が入っているかも一目で分かり、出し入れも楽にできる。
これによって収納に余裕ができれば、漬物を入れるスペースも確保しやすくなるはずだ。
そして、定位置を決めてしまうことだ。いつも同じ場所に同じものを入れておくのが整理整頓の基本である。
もちろん量を増やしたり、安易に場所を変えてしまっては元も子もないので気を付けよう。
詳細は冷蔵庫の整理で困った時の対処方法は?スッキリと清潔感のある収納術でもご紹介しているので参考にしていただきたい。
こうしてできたスペースはムダにしないで、漬物用として有効に利用していただきたい。
日持ちの悩みを解決するポイントは?
食品には美味しさを保てる賞味期限や、食べても大丈夫な消費期限が必ずある。
したがって、漬物も例外ではなくいつまでも食べられるわけではないのだ。
どうしても日持ちさせたいのであれば、塩の量を増やして漬けておくことになるが、塩辛くなってしまうので注意しよう。
塩分濃度を10%以上にしておくと保存期間が延びるとされるが、油断しなようにしたい。決して傷まないというわけではないからだ。
ただ、塩分だけに頼っていてはいつまでたっても問題を解決するのが難しい。
そこで考えていただきたいのは、漬物を作るタイミングと量である。市販の漬物なら購入するタイミング(賞味期限や消費期限)と量になる。
いつまでも食べられるというわけではないため、食べ切るまでの時間であったり、傷んでしまわないかの判断もしないとけない。
そんな時には過去の状況がどうだっかか思い出してほしい。
もし残ってしまい捨てた経験があるなら、量を減らすことも必要になるだろう。そうしないと同じことの繰り返しになってしまう。
本来なら美味しく食べられる漬物をムダにしないで食べ切るには、作る前、買う前に少しだけ考えてみよう。
必要なだけにしておくことで、いつでも美味しく食べられる。そのためにはこれくらいの手間は仕方ないのではないだろうか。
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