大切にしていたものを失ってしまうほど悲しいことはない。
例えどんなものであろうとも、被害に遭うのはとても残念なことだ。
それが盗まれたとなれば、ショックと同時に悲しみや怒りが込み上げてくるのが普通ではないだろうか。
バイクをトランクルームに保管しているあなたも盗難の可能性はゼロではない。
犯人は思いもよらぬところで狙いを定めているものである。
愛車を守るためにできることは何か。そして、やらなければいけないことは何かを考えてみたい。
トランクルームとバイク盗難の現状
トランクルームでバイクを保管して盗難の被害に遭うことは珍しくない。
常に監視の目があるわけでないので、盗み取るチャンスはいくらでもある。
バイクの収納で多いのが屋外のコンテナタイプであり便利な反面、危険な部分があるのも事実と言える。
コンテナは沿線に設置されていることが多いため、出入りが簡単にできる特徴がある。
そのためバイクを保管しておくには都合が良いのだ。
この利便性の高さが利用者だけのものなら何も問題ない。しかし現実にはそうでない人でも、簡単に敷地内に入れてしまう欠点にもなる。
それも24時間いつでもできるのだから困ってしまう。
そうなると人目のない深夜の時間帯や、タイミングを見計らって盗みをおこなおうとする輩が出てくるものだ。
バイクの盗難件数は多く、警察庁の犯罪統計資料によると次のようになっている。
バイクの盗難件数と検挙率 |
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年代 |
盗難件数 | 検挙率 |
2005年 |
104,155件 | 11.2% |
2010年 |
74,278件 | 10.5% |
2015年 |
35,486件 | 11.3% |
2018年 |
15,292件 |
17.3% |
徐々に減ってきているとは言っても依然としてなくならず、件数だけで見るとは自動車の2倍ほどになる。
それだけバイクは盗まれやすいのである。
検挙率も決して高くはなく、手元に戻ってくる確率は10%程度、つまり10件のうち1件程度しかない。
こう見ると”トランクルームで保管はダメなのか?”と思ってしまいがちだが、決してそんなことは無い。
これらの数字は盗難被害全体のものであり、全てがトランクルームという訳ではないので誤解しないでほしい。
バイクの盗難がゼロなることはないだろうが、対策しだいで盗難に遭う可能性を減らすことはできるのだ。
バイク盗難防止方法のあれこれを紹介
バイクの盗難方法について色々と紹介していきたいと思う。
どうしたら盗み難くなるか、この点を良く考えておかないと安全性を向上させることはできない。
保管する度に実施するのは面倒に思えるかもしれないが、大切なバイクを守るためなので必ずおこなってほしい。
窃盗犯との勝負になるので、絶対に守るという気持ちと実行が大切になる。
チェーンロック
最も簡単にできるのがチェーンロックではないだろうか。
バイクはエンジンを掛けなくても盗めてしまうのが最大の弱点と言える。
ならば簡単に移動できないようにするのが重要であり、一番最初にやっておかなくてはいけないことだ。
ではどんなものが良いかと言えば、極力太いもので必ず焼き入れされた固いものを選ぶのがポイントになる。
ただし、あなたのバイクに使えることが前提なので、必ずチェーンが使えるか確認しておこう。
太過ぎて使えないのも意味がないが、細いとカッター(ボルトクリッパー)で簡単に切られてしまう。
あくまでも強度が優先なので、この際、重いのは我慢しよう。
可能であれば複数使用するのがおすすめだ。より盗まれにくく、盗む気が失せるようにできればOKである。
ディスクロック
ディスクロックはブレーキディスクローターを利用したロックシステムだ。
多くのバイクにはディスクローターに穴が開いているが、この部分に鍵をつけてしまうわけだ。
するとタイヤを回した時に、フォークやキャリパーなどと干渉するため、それ以上回らなくなる。
つまりバイクの移動ができなくなるというものだ。
様々な商品が売られているので、あなたのバイクに使えるか寸法などを確認してから購入すると良いだろう。
また、ディスクローターに穴が開いていない場合やドラムブレーキでは当然使えないので注意してほしい。
1個でなく2以上使えれば、より安全と言える。
アラーム
バイクにアラームを付けることで盗難防止の効果が期待できる。
異常があった時に発せられる音が盗難の妨げとなり、窃盗犯に警告を与える効果がある。
例え屋外コンテナが自宅から離れていようが、近隣にも良く聞こえるため窃盗の妨げになるはずだ。
ただし、コンテナ内部とはいっても誤作動で鳴りっ放しにならないように気を付けたい。
アラームにも様々なタイプがあるが、ディスクロックと一緒になったものも販売されている。
これを使えば、2つの効果が同時に得られるので検討しても良いだろう。
センサー
バイクコンテナの中にセンサーを設置しておくのも一つの方法である。
侵入者があるとアラームが鳴って、警告してくれるというものになる。
壁などに設置するが、侵入者がいると赤外線センサーが感知するというものだ。なるべく高い位置に設置して、外されにくくしておきたい。
警告音を発するだけなので、犯人がその音に動じなければ効果は減少してしまう。
そうは言っても扉を開いて入った途端、大きな音がしては盗み難くなることは間違いない。
GPS
GPSは盗難の被害にあった場合に役立つアイテムだ。
したがって予防にはならないが、万が一の際にバイクの所在を確認することができる。
あらかじめ発信器を設置しておくことで、人工衛星を使って追跡が可能だ。
発信機が外されたり、バイクが分解されない限りは効果があるだろう。
このサービスはセキュリティ会社から提供されており、いつでもバイクの位置を確認できる。
特に週末しか乗らない場合はその期間が心配になるが、こまめに確認しておけば安心できそうだ。
出来れば毎日、一日数回チェックする位でちょうどいい。徹底的に活用しよう。
保険の加入
これは防犯にはならないが、万が一の際に補償が受けられる。
大切にしていたバイクが盗まれたら、きっと大きなショックを受けるに違いない。
しかし盗まれたままでは、損をしただけで何の救いもないではないか。
それならば保険に加入しておき、新たにバイクを買えるようにしておいた方がましと言うものだ。
盗まれるのはとても悔しく残念なことではあるが、お金があれば新たに購入する資金にもできるだろう。
戻ってくる可能性は1割程度であることを考えると、やはり加入しておくのが正解である。
バイクはどこに保管するのがベストか?
結局のところ、バイクはどこに保管しておくのが良いのだろうか。
それは目の届くところがベストになるが、実際にはそうもいかない。
自宅に保管しておいたとしても、留守にすることがあれば盗難に遭う可能性はゼロではない。
アパートやマンションの共同駐車場の場合、近くにあるため比較的チェックしやすいとはいえ自宅よりは狙われやすくなる。
問題になるのは、自宅に置けない場合や駐車場がない方の場合だ。
そういった方はバイクコンテナを借りることになるのではないだろうか。
その効果はガレージと同様の環境において、大切な愛車を雨風から守ってくれるので安心である。
ただ、できることなら監視カメラや警備会社の巡回がある施設が望ましい。その方がより安全性が高いと言える。
もちろん、ここで紹介した防犯用品を使い、盗み難くなるような対策をしておく必要がある。
いくつか紹介したが、1つだけでなく必ず2つ以上を組み合わせることで、より強力に対策ができる。
最近のバイクにはイモビライザーも付いているが、エンジンが掛からないだけでは、バイクの盗難を防ぐことはできないのだ。
大切なのは持っていかれないようにする、諦めさせるようにすること。これを第一に考えて対策していただきたい。
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