タイヤは消耗品であり、擦り減ったら交換しなければ安全を確保できない。
そうは言っても決して安い買い物ではないので、定価で買っていたのでは経済的な負担も大きくなってしまう。
となれば安く手に入る時に、買っておきたいと思うかもしれないが、どのように保管したら良いか気になるところだ。
そこで新品タイヤを保管する上での注意点について見ていきたい。
正しい保管をすべき理由は?
タイヤを正しく保管するのは、きちんとした理由がある。
その理由とは”劣化”の問題であり、タイヤの品質や性能を低下させる原因となっているからだ。
劣化といっても様々な要因があり、紫外線や熱、水、さらにはオゾンといったものまでが影響を及ぼしている。
また、短期間で大きな変化があるわけではないので、なかなか気付きにくいのも確かだ。
しかし品質の低下したタイヤはひび割れが発生したりして非常に危険であり、いつ走れなくなるか分からない怖さがある。
そのため日頃からチェックをおこない、異常があったら絶対に使用してはならない。
もし気付かずに履いてしまうと最悪の場合、パンクやバーストによって事故につながる可能性が出てくる。
それを避けるためには正しい保管をすることが必要であり、いい加減な管理をすることができないのだ。
管理の違いは保管期間が長くなるほどはっきりと現れてくるので、しっかりとおこなうようにしたい。
守るべきことをきちんと守れば、タイヤの寿命を延ばすことにもつながる。
したがって難しいとか出来ないというのではなく、少しでも良い状態を維持するように心がけていただきたい。
新品タイヤの保管方法とは?
保管環境の選び方
タイヤの劣化を最小限に抑えて保管するには環境がとても大切になる。
いかに傷めないで良い状態を保つかは、保管する側にとっては最も悩まされる問題ではないだろうか。
そこで大切になるのは直射日光などの光が当たらないところを選ぶことである。
繰り返しになるが、タイヤは紫外線や熱といったものに弱い。そのため環境をしっかりと管理しておく必要がある。
他にも温度や湿度も気になるところだが、雨ざらしになっていたり異常な条件下でない限りは心配いらない。
つまり一般的な気候の下で屋内保管されていれば問題ないと考えて良いだろう。
ということはガレージでの保存でも大丈夫であり、空調のきいたトランクルームならばもっと優しい環境ということになりそうだ。
タイヤの保管状態
ホイールが付いていない状態では、縦積みでも横積みでも良いとされている。
したがってあまり神経質になる必要はなさそうに思えるが、次の点に注意しておこう。
まず短期間の場合には保管には、都合の良い置き方でも大丈夫と言えそうだ。
しかし長期間にわたって横積みしておくと、タイヤの側面に負担がかかってしまうので、あまり好ましくない。
この場合には立てておいた方が良いが、ラックがあれば便利と言えそうだ。ない場合でも、段ボールやスノコを敷いて対応が可能だ。
そしてできれば、1ヶ月に1回程度はタイヤを回し、接地面を変えてやると変形防止にも効果的である。
また、タイヤに埃を付けないようにするために、簡単なカバーをかけておくと良い。こうすれば、内部にまで埃が溜まる心配もなくきれいな状態で保管できる。
保管が可能な期間
新品のタイヤは何年くらい保管が可能なのだろうか?
保管しておくには本来の品質や性能を維持した状態であることが前提で、実際に走行しても問題ない状態が要求される。
品質等を無視して単純に保管しておくだけであれば5年以上は可能だろう。
しかし知りたいのは、現実的な数字と理由だ。
スタッドレスタイヤの場合、2シーズン前のタイヤでも同等の性能を保つことが、タイヤ公正取引協議会によって発表されている。
そして夏用タイヤでは、3年間は同等であることがメーカーによって確認済みだ。
ただし、どちらも適正な環境に保管されていた場合という条件が付いている。
そう考えると保管さえしっかりしていれば製造日からスタッドレスなら2年、夏用タイヤなら3年は保管ができるということになる。
ここで気を付けたいのはあくまで製造日からであり、購入日からではないという点である。万が一にも古いタイヤを買ってしまうと、そうはいかなくなってしまう。
購入の際には必ず製造年月もチェックするように心がけよう。
使用時のチェックポイント
保管していたタイヤは使う前にチェックする必要がある。
新品タイヤの場合、劣化が酷いケースは少ないがしっかりと点検をおこないたい。
全体を良く見て、ひび割れがないことを確認しておこう。大きなひびでなく細かなものは、程度を見て判断しよう。
もし深さがなく、表面だけに見られ程度なら使用が可能である。
しかし深いひび割れがあって判断できない時には、そのまま使用したりせずに販売店に相談してみよう。
ひびの他にも、劣化や傷などの異常がないことが確認できたら、実際に装着して慣らし運転をおこなう。
方法は簡単で夏用タイヤは時速80キロ以下で100km、スタッドレスタイヤは時速60キロ以下で200kmほど走行すればOKだ。
こうすることでタイヤそのものが安定して、本来の性能を発揮してくれるのである。
新品のタイヤを保管するには、なるべく製造年月の新しいものを購入して、きちんと管理することが大切になる。
さらに今履いているタイヤの交換時期を把握しておくことで、買い時なのか、そうでないかの判断もしやすいだろう。
もし、格安で購入できるチャンスがあったら、これらの点をしっかりとチェックしてから決めるようにしていただきたい。
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