あなたは花を見るとどんな気持ちになるだろうか?
花にはとても不思議なパワーがあるので、穏やかでやさしい気持ちになったり、気力が湧いてきたりといった経験があるかもしれない。
ただ、それも永遠に続くわけではなく、時間と共に枯れてしまう運命にある。
そこで、どうしたらきれいな状態で長持ちさせられるか、そして花の選び方や他の保存方法もあわせてご紹介していきたい。
切り花はとてもデリケート
生きた花は見た目以上にデリケートな一面を持っている。
そのため少しでも雑に扱うと、すぐにしおれてしまったり枯れてしまうので気を付けなければならない。
特に切り花になると正直なので、手抜きをするとたちまち弱ってしまう。
それはなぜかと言うと、水を吸い上げなくなったり栄養分や酸素が行き渡らなくなるためである。
本来なら土の中に生えた根から、茎や葉、そして花へ供給されているため新鮮で元気な状態を維持できている。
しかし根を失ってしまうと、それもままならなくなってしまうのだ。
また空気中の二酸化炭素は取り込めても、根から酸素を供給できなくなるため枯れることがある。
植物には十分な水、栄養、空気、そして光が必要になり、この中の一つたりとも欠かすことができない。
このように生きた花は他の植物同様に、すべての条件が整っていないと生きてはいけない。
それだけに長持ちさせるには、できる限りの注意を払う必要がある。
新鮮な状態で保存するには?
花を新鮮な状態に保つには、買ったままにしておいてはいけないのだ。
つまり何かしら手を掛ける必要があり、そうしないと長持ちしないので注意していただきたい。
- 茎を少し短くカットする(毎日)
- 余分な葉は取り除く
- 水は毎日交換する
- 直射日光や高温を避ける
花を花瓶に生ける前に茎をカットしておく必要がある。
これは”水揚げ”と言われるもので、1時間~2時間ほど経つと花や葉に元気が戻ってくる。
まず最初は思い切って3cm程度カットして、傷んでいる部分を完全に取り除き、その後は毎日1cmずつカットして切り口を常に新しい状態に保つようにする。
これを必ず水中でおこなうことで、しっかりと水を吸ってくれるようになる。
注意点としては切り口をきれいに仕上げるために、よく切れるハサミやカッターを使って斜めに切ると広い断面積が得られる。
また、水に浸かってしまう葉は邪魔になるので取り除いておこう。
切り花の場合、余計な葉は枯れやすくなるだけで不要である。もし枯れ始めたならば、早めに取り除いてしまおう。
花瓶の水は毎日交換するが、この時に花瓶もしっかりと洗って、常にきれいな水を吸わせてあげよう。
汚れていると細菌も繁殖しやすく、早く枯れる原因になるので気を付けていただきたい。
そして飾るときは場所や環境にも注意した方がいいだろう。
直射日光が当たったり高温になると、しおれてしまったり枯れることがあるので避けるようにしたい。
できるだけ風通しが良く、温度も低めの場所を選んで置くと良いだろう。
このように少しの手間をかけるだけで、ずいぶんと違うので試していただきたい。
保存方法は一つだけではない
保存というとそのままの状態をイメージしがちだが、花の保存方法は生花だけではないのだ。
中にはご存じのものもあるかもしれないが、様々な方法があるのでご紹介しておこう。
- ドライフラワー
- ブリザーブドフラワー
- 押し花
- ハーバリウム
- レカンフラワー
ドライフラワーはその名の通り、花を乾燥させたものになる。
自然乾燥させるのがハンギング法と呼ばれるもっとも基本的な作り方だ。他にもシリカゲルやグリセリン溶液を使って作る方法もある。
直射日光や湿気を避けて保存すれば2ヶ月~3ヶ月は楽しめるだろう。
ブリザーブドフラワーは専用の液に浸した後に、花の水分を取り除いたものである。
とてもデリケートにできているので、なるべく触らないように注意したい。また直射日光や乾燥、多湿は傷める原因となるので気を付けよう。
ヨーロッパでは約10年ほど鑑賞できると言われているが、日本は湿度が高いなど気候の違いもあるのでもっと短くなる。
ただし注意しながら保存すれば5年~7年程度は鑑賞が可能だ。
押し花は良くご存じの通り、本や雑誌、新聞紙などに挟んで乾燥させた花で、電子レンジをやアイロンを使っても作ることができる。
最もポピュラーな保存方法であるが直射日光や湿気に弱いので注意したい。
密閉できるビニール袋に乾燥剤をいれておけば1年~2年ほどは保存できる。また、きちんと管理ができていれば10年以上もつこともある。
ハーバリウムはガラス瓶に花をオイル浸けたもので、特別な手入れを必要としない。
そうはいっても直射日光には弱いので、陽の当たる窓際に置きっぱなしにすると、色が抜けてしまうことがある。
鑑賞期間は、おおよそではあるが半年~1年程度と考えておこう。
レカンフラワーは乾燥させた花を、生花のように立体的に保存したもので、ドライフラワーが進化したイメージのものである。
変色防止を施しているため鮮やかな色が保たれるのが特徴である。また、ほとんどの花を乾燥させることが可能で、加工もしやすくなっている。
寿命については、ケースに入れない状態でも2年~3年ほどはOKだ。
いずれの方法で保存するにしても、枯れてからでは遅すぎることを良く理解しておきたい。
本当の意味で長期保存を考えているのであれば、最初からいずれかの方法を検討しておくのが正解だろう。
鮮度が良いうちに作った方が、きれいな色が保てるからだ。
また、保存(鑑賞できる)期間についてはあくまでも目安として考えてほしい。環境などの条件の違いで大きく差が出ることがある。
良い花を選ぶためのポイントは?
あなたも花を買う時には良いものを選びたいと思っているはずだ。
では良い花を選ぶ基準やポイントとは何だろうか。
第一に花びらをチェックして張りがあるものがおすすめで、透明になっているものや、しわのあるものは避けるようにする。
もちろん、しおれていたり傷んでいるものは論外であり、お店の管理そのものが疑われるので購入は控えるべきである。
また、つぼみがある場合には、あまり硬くなく多少の色が付いているものを選びたい。
葉もいきいきとして、くっきりとした緑色のものが理想的であり、変色していたり傷んで腐り始めていたら止めておきたい。
もし斑点などの異常があったりしたら、害虫の被害を受けていたり病気になっている可能性がある。
同様に茎も傷がなく、シャキッとしていることが重要になる。
傷付いて黒くなっていたりすると、そこから折れてしまうこともあるので、買う前に良くチェックしておくと安心だ。
それに健康な茎でないと十分に水分を吸い上げないため、早く枯れてしまうことがある。
良い花を選ぶには、あなたの印象によるところが大きいが、新鮮で健康な花はよく見れば分かるものである。
花屋さんへ行ったなら自分の買いたい花ばかりでなく、他の花にも目を向けてみよう。
そして全体を見渡すことで、どんなお店かおおよそのイメージがつかめるはずだ。管理が悪いところの花は、元気がないので良く分かるだろう。
ここで不安を感じたなら、他のお店でお目当ての花を探した方が無難である。
長持ちする種類を選ぶことが大切
花にはとても多くの種類があるため選択肢が広いと言える。
そんな中でも好きな花、欲しい花が決まっていれば、何でも良いというわけにはいかないだろう。
ただ、できるだけ長期間飾っておきたいのであれば、ある程度は種類を選ぶのが良い。
そこで比較的長持ちする種類をご紹介しておきたい。
比較的長持ちする花 |
|
季節 |
種類 |
通年 |
菊、ユリ、アルストロメリア、洋ラン、カーネーション、ガーベラ、ブルースター、モカラ、バラ |
夏、秋 |
テマリソウ、アンスリューム、ヒマワリ、リューカデンドロン、リキュウソウ、オーニソガラム |
冬、春 |
マーガレット、ラナンキュラス、オーニソガラム |
中には少し高価な花もあるが、一年を通して様々な種類を手に入れられる。
そのおかげで多くのバリエーションが楽しめて飽きることがない。
花があるだけで雰囲気やイメージが大きく変わるばかりでなく、人間の心にも影響しているとは実に不思議である。
それだけに上手に利用して、日々の活力になるように利用してもらいたいものだ。
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