冷凍保存が一般的になったのは、冷蔵庫が広く普及してからではないだろうか?
冷蔵庫は1800年代の初めにアメリカで作られたが、当時はまだ氷を使って冷やすというものだった。
その後、1855年になって初めて食品の冷凍保存ががおこなわれたと言われている。
1900年代になると現在の原型とも言える冷蔵庫ができ、日本でも1930年に国産第一号が誕生している。
今や一般家庭、飲食店、スーパーなどでの冷凍保存は珍しくないが、トランクルームにおいてはこれからの分野とも言える。
トランクルームで冷凍保存ができる!
貸倉庫の業界では以前からあったサービスで一般化されている。
水産物、農産物、そして畜産物の食品などを、冷蔵あるいは冷凍して保存ができ、倉庫業法では冷蔵倉庫として分類されている。
それではトランクルームにおいて冷凍保存は可能なのだろうか?
多くのトランクルームでは施設を備えておらず、冷凍保存の対応ができていないのが現状だ。
しかし一部のトランクルームにおいては冷蔵・冷凍庫を用意して貸し出している。
利用料金は容積によって異なっており、1ヶ月あたり1,000円未満でも借りることが可能となっている。
利用方法も特に難しいものではなく、自分で出し入れをする場合と宅配便を利用して業者が代行する場合がある。
また、事前に連絡をしておく必要があるなど、一般的なトランクルームのように、完全な出し入れ自由な状態ではなく制限がある。
そのため急に入り用になったときなどは、不便を感じる場合が出てくるかもしれない。
どちらかと言えば、個人よりもお店やレストラン向きのサービスではないだろうか。
冷凍保存する目的とその利点とは?
あなたも自宅で冷凍保存しているものあり、きっと冷蔵庫や冷凍庫の中には色々なものが入っているはずだ。
では、これらを冷凍保存する目的や利点とは何であろうか?
それは品質の低下を防ぐことと長期間の渡り安定して維持できる点にある。
このことは食品に限らず科学の分野においても同様であり、様々な形で冷凍技術が応用され利用されている。
食品の最大の欠点は微生物によって腐敗したり、色や味の変化といった科学反応の影響を受けやすいことだ。
この腐敗や化学変化は温度を下げてやることで、微生物の活動を止めたり遅らせるといった効果が得られる。
また、食品に含まれている水分の蒸発を防止する働きもあり、品質の維持に大きな力を発揮している。
日本人の大好きな刺身が良い例で、例え海外から運ばれて来て日数が経っていても、美味しく食べられるのは冷凍保存の恩恵なのだ。
新鮮に保つのが困難な場合にこそ冷凍保存が役に立っている。
保存しておく期間は無限ではない
冷凍保存と聞くと半永久的に大丈夫と思っていないだろうか。
しかし実際にはそうでなく、ちゃんと期間があることを忘れないでほしい。
目安として肉や魚は1ヶ月、野菜は2週間~4週間程度までとし、早めに食べるのが良いだろう。
もちろん解凍した際に、匂いや変質などの異常が見つかった場合は、食べない方が無難と言える。
特に野菜は傷みやすいので、冷凍保存するのであれば生の状態を避け、下茹でをして加熱した状態で保存しておく。
いくら冷凍するといっても品質を100%維持できるわけではないので、長期の保存に耐えられるかは分からない。
冷凍食品の場合は製造メーカーが様々なテストをおこない、消費期限を設定しているので安心して良いだろう。
ところが生の肉や魚、野菜といった生ものは曖昧な部分多い。
肉の場合、期限表示フレームというものに基づいて表示がおこなわれているが、実際には店舗によって異なっている。
冷凍保存するにも向き不向きがある
冷凍保存はとても便利な技術ではあるが、残念ながら万能ではないのだ。
したがって頼り切ってはいけないし注意が必要になる。
野菜を例にとってみると分かるが、冷凍に向いていない野菜もあれば比較的大丈夫なものもある。
特に水分が多いとされる大根や人参、レタス、キャベツ、キュウリ、トマトといったものは不向きと言える。
それは凍らせることで味が変わってしまうためである。
一方、玉ねぎ、ピーマン、ほうれん草といった野菜は保存しやすい。
豆腐は冷凍することで食感が変化するため、そのままではなく煮物に利用すると良いだろう。
同じ大豆製品でも納豆や味噌は変化しない。納豆は自然解凍で食べられ、味噌は凍ることがないため味が変わることがない。
こんにゃく、卵といった食材も、冷凍すると食感が変わってしまうので気を付けたい。
生クリームやバター、チーズなどの乳製品は、冷凍方法に注意していれば保存が可能と言える。
食品は意外と冷凍できるものが多いが、注意しなければいけないのは再冷凍してはいけないと言うことだ。
その理由は品質の低下や雑菌の繁殖が考えられるためである。
特別難しくないが、やり方さえ間違えなければ冷凍保存を超えるものはないかもしれない。
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